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2022年08月25日 18:24 更新

ナッツの食べ過ぎは太る?便秘する!? 1日○粒までの目安【管理栄養士監修】

ナッツは美容効果も高くダイエットやアンチエイジングなども注目されていますね。最近ではダイエットなどでナッツを取り入れる人もいるようです。ただし、おいしく手軽に摂りやすい反面、食べ方や量に気を付けることも大切です。今回はナッツの選び方や量などをお伝えします。

メリット|ナッツが間食にオススメな4つの理由

ナッツにはうれしい栄養がたくさん含まれています。ナッツの良い効果について見ていきましょう。 

※なお、ピーナッツは地下になるもののため、厳密にはナッツではないため本記事では除外します。

1. 脂質・ビタミン・ミネラルなど栄養バランスが良い

ナッツ類

ナッツといえば、アーモンド、くるみ、ピスタチオ、カシューナッツなど様々な種類があります。ナッツは木の実やその種子で種実類と呼ばれます。ナッツには種子植物が発芽し、成長発達するための栄養分が蓄えられているため、脂質が豊富で、たんぱく質のほか、ビタミン、ミネラルや食物繊維などがバランスよく含まれています [*1] 。栄養価が高いなどと言われるのは、このあたりが入っているためかもしれませんね。

2. 免疫機能を高めるビタミンEが豊富

ナッツ類はビタミンEが多く含まれます。特にアーモンドには多く含まれています。

このビタミンEは、からだの中に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するためにも必要です[*2]。また、血管拡張を促して血管内で血液が凝固することを防ぐ効果があります。身体の細胞が互いに連携し、多くの重要な機能を果たす際にもビタミンEは使われる[*2]ので、欠かせないビタミンです。ビタミンEを摂るには、アーモンドなどのナッツ類が気軽でいいでしょう。

なお、ビタミンEの目安量は1日に5.0mgから7.0mgくらい※[*3]になります。日本人は平均的に目安量くらい摂れているものなので、特に気にする必要はない栄養素でもありますが、魚や油が足りないなと思えばナッツで補うのもいいでしょう。

※年代や性別によって異なる

3. 腹持ちがよく、便通にも効果あり

ナッツには食物繊維が多く含まれ、血中コレステロールを低下させたり、便秘予防にも役立ちます [*4] 。またナッツ類は食べる際によく噛む必要があるので、少量でも満腹感を得られやすく、小腹が空いた時の間食にもおすすめです。

ナッツには食物繊維が多く含まれ、便秘予防にも役立ちます。またナッツ類は食べる際によく噛む必要があるので、少量でも満腹感を得られやすく腹持ちがいいので、小腹が空いた時の間食にもおすすめです。

4. オレイン酸などで美肌効果も

ナッツには健康な肌を作るために必要なオレイン酸や亜鉛などが豊富に含まれるので、適量で摂るには肌荒れ対策も期待できます。また、オレイン酸には血液中の悪玉コレステロール(LDL-C)を下げる効果もあります[*5]。

リスク|ナッツを食べ過ぎると体にどんなことが起こる?

栄養豊富で食べるメリットもあるナッツ類ですが、食べ過ぎるとどんな面で良くないのでしょうか。

リスク① 肌荒れ

肌荒れ

健康な肌を保つのに役立つオレイン酸などが豊富なナッツですが、原材料にオイルやバターなどが使われている加工品には注意が必要です。

油分を多く摂り過ぎると皮脂の分泌が多くなり、結果として肌荒れを起こす原因になることがあります。

リスク② 太る

腹持ちが良く、満腹感も得られやすいナッツでも、食べ過ぎれば摂取カロリーも増えるので、体重の増加につながることがあります。

後で詳しく解説しますが、ナッツは少量でもカロリーと脂質が高いのも特徴のひとつです。1日のおおよその目安を守って適量を食べることをおすすめします。

リスク③ 便秘や下痢

腹痛

ナッツには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。便秘などの改善や腸の健康を保つには、水溶性食物繊維とバランスよく摂取することが大切です。

適量であれば便通改善効果がある不溶性食物繊維も、摂り過ぎると便が固くなり、便秘になることがあります[*4]。また、脂肪分も多いので、食べ過ぎると消化不良を起こして下痢になる場合もあるので注意が必要です。

量の目安|ナッツは何個までなら食べても大丈夫?

ついつい何個も食べてしまいがちなナッツですが、1日あたりだとどのくらいまで食べもいいのでしょうか。ナッツ類の適量と、何個まで食べても大丈夫なのか上限量をみてみましょう。

1日15粒ほど、おやつなら25粒ほどが目安

それぞれのナッツの100gあたりの栄養価は

アーモンド:608kcal/脂質54.1g ※炒り 無塩
くるみ:713kcal/脂質68.8g ※炒り
ピスタチオ:617kcal/脂質56.1g ※炒り 味付け
カシューナッツ:591kacl/脂質47.6g ※フライ 味付け

です。ご飯茶碗1杯(150g)が234kcal、脂質0.45gなので、全体的に高カロリー・高脂質なのがわかります[*1]。

具体的な摂取量の目安はありませんが、どのナッツも15粒程度(約20g)で約100〜120kcalくらいになるので、1日の食事の中で摂取する量としては15粒(約20g)を目安にするとよいでしょう。

間食として食べるなら一般的には1日に200kcal程度が適量[*6]とされており、ナッツだけを間食として食べるのであれば25粒ほどになります。ただし、体質や体重によっても適量は異なってきますし、また例えば妊娠中は初期(+50kcal)、中期(+250kcal)、後期(+450kcal)と時期によって付加するエネルギー量も変わる[*7]ので、自身の体調や食事内容に合わせて摂り過ぎにならないように注意しましょう。

妊娠中や子供の場合

妊娠中の栄養補給だけでなく、美容や健康にも効果が期待できるナッツですが、カロリーが高いで食べ過ぎには注意しましょう。少量で満足感が得られやすいですが、パクパクと進んでしまうこともあると思います。食べるときは量を決めて、カロリーオーバーにならないようにしたいですね。
量の目安は、先ほどお伝えした15粒くらいまでにしておくといいでしょう。

また、5歳以下に噛み砕く必要があるようなナッツ類やかたい豆は食べさせてはいけません[*8]。窒息のリスクがあり、砕いて細かくしたものでも期間に入り込んで肺炎などになるリスクがあります。普段の生活ではもちろん、豆まきの季節などは十分に気をつけたいですね。

極端な場合でも50gくらいまで

では、究極として他に何も食べず、全部をナッツからのエネルギーで補うとしたら、何個くらい食べられるのでしょうか(もちろん、そんな方法はおすすめしません!)。

アーモンド※では300gで約1800Kcaと1日のエネルギー量に近いものがとれてしまいます[*1]。これはだいたい250粒に匹敵します。ただし、全部1日のエネルギーをナッツだけでおぎなうようなことをすると、他の栄養素が摂れなくなってしまうので絶対にやめましょう。

どうしてもたくさん食べたいということであれば、アーモンド50gで約300Kcalとなり、たんぱく質も10gくらいと、マグロ赤身40g(刺身4切れ相当)くらいになります[*1]。もし、肉や魚ではなく、たんぱく質をナッツで補う場合は、このくらいを目安としてもいいかもしれません。とはいえ、エネルギーはマグロ赤身の約6〜7倍となるので、これ以上の食べ過ぎは注意が必要です。植物性のタンパク質は豆腐や大豆類でも補えるので、ほかの食品もとっていきましょう。

※炒ったもの 無塩

ナッツを食べ過ぎてしまう人が気をつけたいポイント

ナッツにもミックスナッツや味付きナッツ、有塩・無塩など様々な種類がありますが、選ぶなら無塩ナッツや素焼きナッツなどの味付けのされていないものがおすすめです。味付けされたものは知らず知らずのうちに塩分や油分の摂り過ぎになる場合があります。味付けされた加工品を食べる際には、量に気を付けて楽しみたいですね。

そのまま食べてもおいしいナッツですが、味付けのされていないナッツ類は料理にも活用することができます。砕いてサラダにふりかけたり、ヨーグルトやパンケーキのトッピングなどにもよいでしょう。

まとめ

素焼きナッツは手軽に持ち運べて栄養価も高く、妊娠中の間食としてもおすすめです。つわりで食べられるものが限られているときでも少量でカロリーを摂取することができます。適量としては15粒程度を1つの目安として、食べられるといいでしょう。無理に食べる必要はありませんが、ヨーグルトなどの甘い系にもサラダなどのしょっぱい系にもちょい足しできるので、楽しんでみてはいかがでしょうか。

(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1] 日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省 (mext.go.jp)
[*2]厚生労働省 E-JIM「ビタミンE」 
[*3]厚生労働省:日本人の食事摂取基準2020年版
[*4] 食物繊維の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
[*5] 不飽和脂肪酸| e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
[*6] 間食のエネルギー(カロリー) | e-ヘルスネット(厚生労働省)(mhlw.go.jp)
[*7] 厚生労働省 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 (mhlw.go.jp)
[*8]消費者庁:Vol.540 もうすぐ節分。硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!


※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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