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2022年08月25日 18:12 更新

アーモンドの食べ過ぎのラインは?何粒までOK?美容に嬉しい効果も解説【管理栄養士監修】

近年、美容や健康面から人気のアーモンド。特に女性はたくさん食べるようにしている方もいらっしゃるかもしれませんね。そうなると食べ過ぎていないかが気になってくるもの。アーモンドは1日にどのくらいまでなら食べてもいいのでしょうか。適量の目安や食べ過ぎの目安、含まれる栄養素やダイエットで活用するコツなどを解説します。

アーモンドを食べ過ぎるとどうなる?

アーモンドを食べ過ぎて健康に害が出たという報告はありませんが、1つの食品を食べ過ぎれば体に何らかの影響が考えられます。アーモンドの場合はどのようなリスクがあるのでしょうか。

食べ過ぎのリスク① 太る

アーモンドは成分の約50%が脂質でできており、100g中609kcal[*1]とカロリー(エネルギー)が高い食べ物です。そのため、たくさん食べると体重が増えてしまうことが考えられます。

特に食べ過ぎには注意したいのはアーモンドを使ったお菓子です。アーモンドチョコやアマンドショコラ、アーモンドのキャラメリゼといったお菓子はついついおいしくて手が止まりませんが、チョコレートや砂糖が加わる分、さらに高カロリーとなります。食べる量には特に気をつけたいものです。

アーモンドチョコ

食べ過ぎのリスク② 消化不良や便秘

アーモンドなどのナッツ類には脂質が多く含まれています。そのため食べすぎると消化不良を起こすことも考えられます。また、アーモンドには不溶性食物繊維も豊富です。適量であれば便秘に良いですが、過剰に摂取すると便が硬くなって逆に便秘になってしまうリスクがあります。

食べ過ぎのリスク③ 肌荒れ

脂質をあまりとり過ぎてしまうと、肌荒れやニキビの原因になる場合があります。アーモンドそのものも脂質が多いですが、脂質・糖分の多いチョコレートなどが使われている場合には、特に食べ過ぎに注意したいですね。

アーモンドの適量はどのくらい?

アーモンドは1日どれくらい食べてもよいのでしょうか。適量や食べ過ぎの目安をお伝えします。

適量の目安|1日15~20粒

アーモンドの1日の摂取量に特に基準はありません。そこでアーモンドに豊富に含まれるビタミンEの摂取量から考えてみましょう。

ビタミンEの摂取目安量は年齢や性別で多少の違いがありますが、成人男女でだいたい6mg前後です[*2]。アーモンド22粒分(約22g)でこの量が摂取できます。ただ、ビタミンEは魚などにも含まれ、それらの食品からもバランスよくとっていきたいため、アーモンドは1日15~20粒くらいを目安に考えるとよいでしょう。

なお、アーモンド22粒(約22g)は134kcal、たんぱく質4.3g、脂質11.4gです。カロリーはそれほど多くはありませんが、フライになっていたり、砂糖や塩で味がついているとカロリーが増えるので注意しましょう。

たくさん食べたいときは?|200kcalに抑える

アーモンドはスライスや砕いたものを食事に使うこともありますが、食べ過ぎが心配となるのは間食などで粒のまま食べるときではないでしょうか。うま味があってついつい食べ過ぎてしまいますが、多くても間食の目安である200kcalに抑えられるとよいでしょう。

 ■200Kcalの目安■
・アーモンド(炒り・無塩)……33g(約33粒)
・アーモンド(フライ・味付)……32g(約32粒)
・アーモンドチョコ……35g(約8粒)
[*1]

これ以上食べると健康に被害が出るというわけではありませんが、アーモンドばかりを食べて他の食べ物を食べなくなることも考えられます。栄養バランスの偏りという観点からも食べ過ぎは控えましょう。

他のナッツ類の食べ過ぎのリスク

アーモンドだけでなく、他のナッツについても食べ過ぎてよいのか、気になりますよね。以下の記事で詳しく取り上げているので、こちらもチェックしてくださいね。
▶ナッツの食べ過ぎは太る?便秘する!?
▶クルミの食べ過ぎのリスクは?
▶カシューナッツの食べ過ぎはこんなリスクが!
▶ピスタチオの食べ過ぎは大丈夫?1日何粒まで?
▶ピーナッツは何個まで?食べ過ぎたらどうなる?

アーモンドの良い効果とは

アーモンドは美容面や健康面からも注目されている食品でもあります。アーモンドに含まれている注目成分をご紹介します。

ビタミンE、B2|美肌効果

手鏡で肌の張りを見ている女性

アーモンドには100gあたり30mgのビタミンEが含まれており、他の豆やナッツ類などと比較してもビタミンEが多い食品です。ビタミンEには抗酸化作用があり、老化防止、美肌効果やアンチエイジングの効果が期待できるともいわれています[*3]。

ビタミンB2もほかのナッツと比べて多く、100gあたり約1mg含まれています。ビタミンB2は皮膚や髪の毛、爪などの細胞にかかわっており、肌や髪を健やかに保つためにとりたい栄養素です。

また、体の調子を整えてくれるミネラルも豊富で、たとえばカルシウム、亜鉛、マグネシウム、鉄分などが多く含まれています。

オレイン酸|コレステロールを減らす

アーモンドの脂質には健康効果が期待されている不飽和脂肪酸が豊富です。オレイン酸とリノール酸が主な成分ですが、特にオレイン酸には血中の悪玉(LDL)コレステロール値を下げる効果があるとされます[*4]。

不飽和脂肪酸はアーモンド以外のナッツはもちろん、植物油や魚の脂肪に多く含まれ、オリーブオイルや青魚などからも摂取することができます。

食物繊維|便秘の改善

アーモンドに多い不溶性食物繊維は適量であれば、腸内で水分を吸収して便のカサを増やし排便を促すため便秘の解消が期待できます。

また、不溶性食物繊維よりは少ないものの、アーモンドには水溶性食物繊維も含まれます。水溶性食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにする役割があり、血糖値の急上昇を抑えてくれます。

ダイエットにも役立つ

アーモンドをダイエットに役立てたいという方も多いでしょう。アーモンドはうまく取り入れればダイエットをサポートしてくれますよ。

■活用法①よく噛んで食べ過ぎを防ぐ
アーモンドは硬いので自然と噛む回数が増えますが、噛む回数が多いと満腹中枢を刺激し満足感が得られやすいため、食べ過ぎの予防につながることが期待できます。自分でも意識的によく噛むようにするとなお効果的でしょう。ダイエット中の小腹が空いてしまったときの間食にも適していますね。

■活用法②アーモンドミルクを取り入れる
また、最近人気の高まっているアーモンドミルクを活用するのもおすすめです。食物繊維をとることができ、牛乳と比べてカロリーも低いためダイエット向きといえます。

牛乳の代わりにアーモンドミルクを飲んだり、お菓子や料理にアーモンドミルクなどの植物性ミルクを代用することで、カロリーを抑えることができます。ただし、商品によっては砂糖が入っているものもあるので、選ぶ際にはご注意を。

妊娠中もおすすめ!

アーモンドは妊娠中にもおすすめの食材で、妊婦さんにうれしい栄養素が含まれています。妊娠期は便秘になりやすいため、食物繊維はしっかりと日頃から意識して食事の中に取り入れてもらいたいものです。また、女性が不足しがちなカルシウムをはじめ、亜鉛、マグネシウム、鉄分、葉酸など妊娠期に積極的にとりたい栄養素がたくさんつまっています。

ただし食べる量には気をつけましょう。妊娠していないときと同様に1日15~20粒を目安にするのがおすすめです。

妊娠中に限ったことではありませんが、特に妊娠期にはさまざまな食材をバランスよく食べることが大切なので、適量を上手に取り入れてみましょう。

アーモンドを食べる際に気をつけたいこと

最後に、食べ過ぎ以外の面で注意したいことをお伝えします。

アーモンド

子どもは年齢やアレルギーに注意

■5歳以下の子どもにはあげないこと
小さなお子さんの場合、硬いアーモンドは嚙み砕きにくいため喉に詰まったり、小さく砕いた場合でも気管に入り込んで肺炎や気管支炎になるリスクがあります。そのため、5歳以下の子どもには硬い豆やナッツ類食べさせないことが消費者庁より注意喚起されています[*4]。リスクを避けるために、5歳以下のお子さんにはアーモンドを含む硬いナッツ類や豆類はあげないようにしましょう。

■アレルギーにも注意
アーモンドはアレルギーを引き起こす可能性のある食品の1つに数えられています。初めて子どもが食べるときには少しずつ試し、様子を見るようにしてください。

噛む力の弱っている大人も注意

大人であっても噛む力や飲み込む力が弱ってきている方は、硬い豆やナッツ類に注意が必要です。子どもと同様、うまく噛んだり飲み込んだりできず窒息や肺炎・気管支炎のリスクがあります。ときには気管や気管支にナッツや豆が留まり、水分を吸って膨らんで窒息を引き起こす可能性も。笑いながら食べたり、やふざけながら食べたりするのもリスクを高めるので注意しましょう。

まとめ

アーモンドは栄養価が高いために健康面や美容面から注目されています。しかし、カロリーや脂質が高いので食べ過ぎは気をつけたいものです。ビタミンEやミネラルが豊富だからといってアーモンドだけにこだわるのではなく、日頃からさまざまな食材をバランスよく食事に取り入れることが、健康のためには一番大切なことですね。

(文:茅野 陽 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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