授乳中の紅茶はどのぐらい飲んでもいい？カフェインの影響【管理栄養士監修】

香りが良く、アイスでもホットでもおいしい紅茶。コーヒーほど苦みがなく、ミルクやレモンなどと合わせてバリエーションも楽しめるので、紅茶ファンも多いですよね。しかし、授乳中に関しては紅茶を飲む量に注意が必要です。

なぜ注意が必要かというと、紅茶に含まれるカフェインが原因です。

カフェイン（caffeine）はその名前から想像できるように、コーヒーに多く含まれることが有名ですが、紅茶にもコーヒーのおよそ半分程度のカフェインが含まれています（カフェイン含有量については後で詳しく解説します）。

カフェインはコーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナなどに含まれている食品成分で、主にこれらを使ったコーヒーやお茶などにから摂取されます。また、苦みを出す用途でコーラなどに添加されたり、眠気を覚ます効果を期待して、エナジードリンクなどの清涼飲料類に使われたりもします。

適量の摂取であれば頭を冴えさせ、眠気を覚ましてくれるカフェインですが、一方で過剰摂取には注意が必要です。

カフェインを多く摂りすぎると、めまいや心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などを起こすリスクがあるのです。こういった、摂取後すぐ起きる症状のほか、高血圧や骨粗鬆症の発症リスクなどにも関与している可能性が指摘されています[*1]。

こうしたカフェインから受ける影響には個人差がありますが、特に子供は有害な作用を受けるリスクが高く、またお腹に赤ちゃんがいる妊娠中や、赤ちゃんに母乳を与える授乳中についてもカフェインの消費量に気をつける必要があるのです。

授乳中はカフェインを含む飲料が一切NGというわけではありませんが、母乳を飲む赤ちゃんへの影響を考え、飲みすぎには注意しましょう。

授乳中も紅茶を飲む量に気をつけなくてはいけないということはお分りいただけたかと思いますが、ではどのぐらいであれば飲んでも問題ないのでしょうか。

授乳中の女性が1日の中で摂っても問題ないとされるカフェイン量については、海外の機関が公表している数値が目安となります[*1]。

・欧州食品安全機関（EFSA）：1回当たりのカフェイン摂取200mg以下、習慣的なカフェイン摂取200 mg/日以下であれば、健康リスクは生じない
・ドイツ連邦リスク評価研究所（BfR）：1日当たりコーヒー2杯までに制限すべき
・カナダ保健省：1日に300mg未満

上記のように、200〜300mgより少なく摂ることが各国で勧められています。授乳中の女性が摂取しても赤ちゃんに影響のないカフェイン量は、1日あたり200mgまでを目安にするといいでしょう。

では紅茶の量でいうとどのぐらいになるのでしょうか。

紅茶100mlあたり30mgを一つの目安にするといいでしょう（熱湯360mlに茶葉5gを1分半〜4分浸していれた場合）。ここから計算すると、以下を目安にすれば200mg未満のカフェイン摂取に抑えられるでしょう。

ただし、紅茶のカフェイン含有量はいれ方（茶葉の量や茶葉を浸す時間など）によっても異なります。また、コーヒー（100mlあたりカフェイン60mg）や緑茶（100mlあたりカフェイン20mg）など、他にもカフェインを含む飲料を飲むのであれば、そちらも合わせて考えなければいけません。その点は注意しましょう。

ペットボトルの紅茶の場合、カフェイン含有量にかなり幅があります。各メーカーで公表されていますので、参考にしてください。

■キリン[*2]
・午後の紅茶 レモンティー　100mlあたり9mg（1本あたり41mg）
・午後の紅茶 ザ・マイスターズ ミルクティー　100mlあたり28mg（1本あたり140mg）
■リプトン[*3]
・リモーネ　100mlあたり10mg未満（1本あたり50mg未満）
■ポッカ[*4]
・かごしま知覧紅茶 無糖　100mlあたり11mg（1本あたり55mg）

妊娠中同様、授乳中もカフェインを含む飲み物に注意が必要ですが、一切飲んではいけないわけではありません。紅茶に含まれるカフェイン量はコーヒーの半分程度ではありますが、たくさん飲むのは避けたいですね。ほっと一息つく時の楽しみとして飲む分には問題ないので、メインの水分摂取は麦茶や水などのノンカフェイン飲料にするなど上手に工夫していきましょう。

（文：マイナビ子育て編集部／監修：川口由美子 先生）

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