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【医師監修】排卵日は体調が変わる! つらい排卵痛の4つの原因と対策について

【医師監修】排卵日は体調が変わる! つらい排卵痛の4つの原因と対策について

生理の前になると気分がすぐれない、体調が悪くなるということは多々ありますが、実は排卵⽇の前後でも同じような症状が現れる人がいます。ここでは生理周期と排卵、排卵前後に感じる不調の原因と対策について、まとめました。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

まずは排卵日について知ろう

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「子どもを産む」という役割は、女性ならではのもの。そのために毎月生理が訪れ、排卵が起こります。
排卵の仕組みや、そのときに起こるさまざまな体調の変化を知っておくことは、自身の体の健康や将来の妊娠・出産のためにとても大切なことなのです。

排卵ってどういう状態?

排卵とは、卵子が卵巣内の卵胞(卵子を包む袋状のもの)から飛び出すこと。そこには女性ホルモンが大きく関わっています。

その仕組みは少し複雑ですが、せっかくなのでこの場で理解しておきましょう。

<1>まず、脳の視床下部からの命令で脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されると、その作用で卵巣にある原始卵胞の1個から数個が発育します。

<2>発育した原始卵胞の1つが主席卵胞となり、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌するようになります。

<3>卵胞ホルモンの分泌量がある一定のレベルを超えると、卵胞刺激ホルモンの分泌が止まり、代わって黄体形成ホルモン(LH)が急激に分泌され始めます(これをLHサージと呼びます)。

<4>この黄体形成ホルモンの作用で成熟卵胞から卵子が飛び出します。これが排卵で、排卵があった日を「排卵日」といいます。

飛び出した卵子は卵管を通って、精子と出会って受精が行われることで受精卵となります。

基礎体温で排卵日をある程度知ることができる

排卵は目に見えるものではありませんが、体調の変化から何となく排卵日を実感できる人もいます。ですが、そうでない人でも基礎体温を付けることで、客観的に排卵があったことを知ることができます。

基礎体温とは「睡眠後の起床時の安静状態で測った体温のこと」で、専用の体温計で測定。女性の場合、毎日測定することで、生理の周期や排卵の状態がある程度わかるとされています。

排卵に関していうと、基礎体温は生理後には低温相に、生理前には高温相となり、低温相から高温相に移る直前の、「陥落期(体温陥落)」があった日の前後に排卵が起こる、つまり排卵日となります。

排卵日予測検査薬を使ってみる

基礎体温のほかに排卵を確認する方法に、ドラッグストアなどで扱っている「排卵日予測検査薬」があります。2016年から市販されており、現在、数社から販売されています。製品により異なりますが5~14回分程度のセットになっており、多くが3000円前後の価格となっています。

基礎体温では「排卵が起こった日(=事後)」の確認はできますが、排卵日を事前に予測することはできません。これに対し、排卵日予測検査薬はホルモンの変化から排卵日を予測します。

「排卵の仕組み」の項で紹介したように、排卵の前にはLHサージと言って、LH(黄体形成ホルモン)が一気に放出されます。排卵は、LHサージの開始から34~36時間後に起こるとされており、もっとも妊娠しやすいのがこの時期です。LHを検出することで排卵日を予測するのが、排卵日予測検査薬なのです。

排卵日予測検査薬で陽性になると、初めて陽性になった日またはその翌日が排卵日と予測できます。生理周期から予測した次の生理開始予定日の17日前から使用し始め、毎日1回または2回、ほぼ同じ時間帯に試薬に尿をかけて検査します。試薬に尿をかけるだけと簡単で、安全にできる検査の一つです。排卵日を知りたいという人は、試してみるとよいかもしれません。

なお、この検査は陰性であっても避妊目的には使用できません。

排卵日の前後に起こる「排卵痛」

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排卵痛とは、排卵期間に起こる一過性の下腹部痛のこと。「中間痛」ともいい、10代後半~40代半ばの女性の約2人に1人が経験しているともいわれています[*1]。

「排卵痛」の特徴は?

排卵痛は生理痛とは違い、「腹部の片側だけが痛い」と訴える人が少なくありません。痛みのほか、ひきつった感じや違和感、お腹の張りといった症状や、出血(不正出血)を伴うこともあります。

「排卵痛」の原因は?

排卵痛がなぜ起こるのか。次の4つの要因が考えられています。

・卵胞の内圧上昇
卵子を包む成熟卵胞は、排卵前には20mmぐらいまで成長します。その過程で卵胞の内圧が上がって、痛みが生じるというもの。

・卵胞液の腹膜への刺激
卵胞が破れることで流れ出る卵胞液や、血液が腹膜を刺激することで痛みが生じるというもの。

・排卵による子宮や卵巣の収縮

・排卵による盲腸や直腸などの平滑筋のけいれん

このほか、ストレスがあると子宮や卵巣の緊張や収縮が強まり、症状を感じやすいとも言われています。「私、ストレスを抱えやすいかも……」という人は、排卵日の前後にできるストレス解消法を見つけておくと良いかもしれませんね。

排卵痛の治療は?

排卵痛は排卵という現象がもたらす症状で、かつ排卵前後だけに起こる一過性のものであることから、一般的には治療は行わず様子を見ることが多いようです。

ただ、痛みがあまりにも強くて日常生活に支障が出るようなときは、痛み止め(非ステロイド系抗炎症薬)や漢方薬などで治療を行うこともあります。

排卵日前後はオリモノの性質も変化するの?

排卵のときに、オリモノがいつもと違う性状になっていることに気づく人もいるかもしれません。
オリモノとは子宮や卵管、腟の粘膜からの分泌物の総称。帯下(たいげ)ともいい、排卵の前後や病気でその性質が変わります。

排卵日前後のオリモノの特徴

オリモノの役割は複数ありますが、そのうち大きな一つが、精子を子宮内に受け入れやすい状態に整えるというものです。

排卵の1日前になると オリモノの量は増え、サラサラした感じが増し、糸を引くような伸びやすさも出てきますが、オリモノがこうした性状になることで、精子が動きやすくなり、子宮内に進入しやすくなるのです。

こうした特色を利用して、不妊治療の現場ではオリモノの性状を調べる「頸管粘液検査」が行われています。しかし、こうした専門的な検査でも、オリモノの性質だけで排卵日を確実に予測することは難しいといわれています。

排卵日前後の体調不良がひどければ受診を

生理痛と同じように、排卵痛の感じ方は人それぞれです。
前述したように、排卵痛は排卵という体内で起こる変化に伴って生じる生理的なもので、病気ではありませんが、会社を休まなければならないほどつらい排卵痛があるときは、病気が背景に隠れている可能性もあります。

排卵痛がひどいときに考えられる病気

排卵痛が強まる代表的な病気が、子宮内膜症です。

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮内膜以外の場所で増殖する病気で、妊娠できる女性の7~10%がかかっている [*2]という報告もあります。がんのように悪性ではないため、命に関わることはありませんが、痛みで生活の質が低下する上、不妊の原因にもなります。

子宮内膜症では排卵痛のほか、重い生理痛(生理をかさねるごとに次第に強くなることが特徴) 、性交痛、排便痛などがあります。
心当たりがある人は、一度、婦人科を受診することをおすすめします。

まとめ

今すぐ赤ちゃんが欲しいと望んでいる女性はもちろん、いつか子どもを……と考えている女性にとっても、毎月の排卵は大切なもの。一方で、生理周期や生理痛が一人ひとり違うように、排卵のときの体調変化にも個人差があります。
排卵について正しく知って、上手に付き合っていくことが大事です。

(文:山内リカ/監修:中林稔先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]内田明花, 丸山哲夫: 排卵期出血・排卵通の診断と治療, 産科と婦人科, 11号(61), 1333, 2018
[*2]日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会: 産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2017, 110p.

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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