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2021年05月09日 09:20 更新

【医師監修】赤ちゃんのゲップはいつまでさせる?

授乳の際にさせる赤ちゃんのゲップ。なかなか出ない子もいて、ゲップをさせるだけでひと苦労というときもあるでしょう。授乳後の赤ちゃんのゲップはいつまでさせればいいのか、ゲップをさせる理由やよくある疑問とあわせて紹介します。

授乳後の赤ちゃんにさせる「ゲップ」

授乳中の赤ちゃん

赤ちゃんの「ゲップ」について、必要な理由などを確認しておきましょう。

授乳後の赤ちゃんにゲップが必要な理由

ゲップは胃の中の圧が強まることで胃の入り口である噴門(ふんもん)が開き、たまった空気やガスが押し出されることで起こります。医療用語では「曖気(あいき)」といいます。

生まれたばかりの赤ちゃんは呼吸をしながら母乳やミルクを飲むので、一緒に空気を飲み込んでしまいます。赤ちゃんの胃は大人とは異なり比較的ストンとした「とっくり型」なので、大人と比べてもともと吐き戻しやすい構造です。また、噴門を閉じる筋肉が大人に比べ薄くてまだ弱いので、ちょっとした刺激で吐き戻してしまいます。

吐いたものが気管に詰まると窒息をする危険も。そのリスクを避けるために、授乳をしたら胃の中の空気をゲップとして出させ、なるべく吐き戻さないようにしてから寝かせる必要があるのです。

また、胃の中に空気がたまっていると赤ちゃん自身もお腹が苦しいと感じて不機嫌になることがあります。赤ちゃんを楽にしてあげるためにもゲップを促しましょう。

赤ちゃんのゲップはいつからいつまでさせる?

授乳後のゲップは新生児からさせ始めますが、いつまでさせるかについて明確な基準はありません。

一般に生後3~5ヶ月頃が目安で、赤ちゃんの飲み方が上手になり、ゲップをしなくてもお腹があまり張っておらず、赤ちゃんが授乳後苦しそうでなければやめていいといわれています。個人差もあることなので赤ちゃんの様子を見て判断しましょう。

授乳後すぐ? ゲップをさせる適切なタイミング

ゲップは「授乳後」にさせるもの、と思う人が多いかもしれませんが、「授乳の途中」にさせた方がいい場合もあります。授乳中でも飲み込んだ空気がたくさん胃にたまると、赤ちゃんは苦しくなり機嫌が悪くなってしまいます。途中の方がゲップを出しやすい場合もあります。

タイミングとしては、おっぱいの左右を変えるときや、哺乳瓶であげている場合は半分くらい飲んだときがいいでしょう。赤ちゃんが一息ついているときや、飲みながら不機嫌になっているときもゲップをさせてみましょう。ゲップが出なければそのまま授乳に戻ります。

また赤ちゃんが黄昏泣きなどで泣き続けたときも、泣きながらたくさん吸いこんだ空気がお腹にたまっていることがあります。たくさん泣いて、お腹が張っているようなときにもゲップをさせてみてください。

赤ちゃんのゲップはどうさせる?

授乳後のゲップをする赤ちゃん

ゲップをさせる方法として、次のようなやり方が一般的です。

(1)縦抱き

赤ちゃんを縦抱きで抱き上げ、大人の肩に赤ちゃんの頭をのせます。吐き戻しに備えて肩の上にガーゼなどを置いておきましょう。

片手でお尻を支え、空いた手で背中を優しくトントンと叩くか、下から上にさすります。大人の胸を少し反らし、赤ちゃんの背中がまっすぐになるよう意識して行いましょう。赤ちゃんの首がグラグラしないように肩でしっかり支えてください。

(2)太ももの上に座らせる

赤ちゃんを大人の太ももの上に座らせて前かがみになるように上半身を少し倒し、大人の片手で支えます。この姿勢で背中を下から上にさすったり、優しくトントンと叩いたりしてゲップを促します。

このとき、上半身を支える手の指を広げて赤ちゃんのあごを支え、少し上に向けましょう。赤ちゃんの首がしまることがないよう、手のひらはしっかり胸に当て、指であごを持つようにしてください。

こうして赤ちゃんの口から胃までを一直線にすると、胃の中に溜まった空気が口から出ていきやすくなります。

ゲップが出ない! うまくゲップさせるコツは?

バウンサーにいる赤ちゃん

赤ちゃんのゲップはなかなか出ないことも。そんなとき試したいコツを紹介します。

上半身を高くして寝かせる

ここまでの方法を試してもゲップが出なくて赤ちゃんが苦しそうにしていたら、上半身を高くして寝かせてみましょう。

バウンサーやハイローチェアを利用するか、クッションやバスタオルを使って角度をつけます。首座り前の赤ちゃんは角度をつけすぎないように注意してください。

また、ずり落ちる危険もあるので、上半身を高くしている間は目を離さないでください。

赤ちゃんのゲップに関するよくある疑問

最後に赤ちゃんのゲップについてよくある疑問をまとめました。

何回ゲップができればOK?

必要なゲップの回数も赤ちゃんによって異なります。ゲップが出ない(あまり空気を飲んでいなくて必要がない)赤ちゃんもいれば、1回の大きなゲップで空気を出し切る子も、何度もゲップが出る子もいます。

ゲップが出てもまだ不快そうにしているときや、よく吐く赤ちゃんの場合はさらに1~2回ゲップをさせてあげましょう。

どうしてもゲップが出ないときの対処法は?

ゲップをさせるために背中をさすったりトントンしたりするのは3~5分ほどが目安です。それでもゲップが出ないようであれば、そのまま寝かせても大丈夫。

実はゲップをしていたのに音が聞こえなかったということもありますし、もし多少空気がお腹に残っていたとしても腸から吸収されるか、おならとして排出されるので問題はありません。

ただ、念のため、吐き戻したミルクや母乳を気道に詰まらせないよう、顔と体を横向きにして寝かせましょう。また寝かせてから15分くらいは吐き戻しに注意して様子を見ましょう。

まとめ

眠る低月齢の赤ちゃん

赤ちゃんのゲップはいつまでなのか、一般的な時期を紹介しました。はっきりした決まりはなく、個人差もあることなので、それぞれの赤ちゃんの様子に合わせて卒業するかどうか決めるのがいいでしょう。なかなかゲップが出なくて苦労している人は、ここで紹介したコツや出ないときの対処法を試してみてくださいね。

(文:佐藤華奈子/監修:丘逸宏先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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