妊婦はうなぎを食べちゃダメ?知っておきたい注意点と摂取量【管理栄養士監修】

妊婦はうなぎを食べちゃダメ?知っておきたい注意点と摂取量【管理栄養士監修】

妊娠中は、赤ちゃんのためにバランスよく栄養を摂る必要があります。でも、中には摂取量に気をつけたい食品があり、うなぎ(鰻)もその一つ。心配される影響や、どれくらいの量なら食べていいかなど、うなぎを食べる際の注意点をお伝えします。


この記事の監修者
川口由美子 先生(管理栄養士/母子栄養指導士)
一般社団法人母子栄養協会 代表理事
女子栄養大学 生涯学習講師。大学時に小児栄養学を学んだのち、育児用品メーカーでベビーフード開発を経て栄養相談、離乳食レシピ執筆、講演会に携わる。2児の母。現在は、母子栄養協会にて離乳食アドバイザー®他、専門家を養成している。
一般社団法人母子栄養協会HP

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妊婦にうなぎがNGといわれる理由

うなぎにはビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは、皮膚や粘膜を育て、目の健康や免疫力を高めるなどの作用がある栄養素。しかし、うなぎなどの動物性食品に含まれるビタミンAを妊娠初期に過剰摂取すると、おなかの赤ちゃんに先天的な異常が起こるリスクが高くなることがわかっています。そのため、妊娠中は食べる量や頻度に気をつける必要があるのです。

うなぎに含まれるビタミンAに注意

妊婦さんが摂り過ぎに気をつけたい動物性食品のビタミンAは、うなぎのほか鶏や豚のレバーに豊富に含まれ、注意が必要です。

■うなぎやレバーのビタミンA含有量(100g中)
 ・うなぎのきも(生):4400μgRAE
 ・うなぎ(かば焼き・白焼き):1500μgRAE
 ・鶏レバー(生):14,000μgRAE
 ・豚レバー(生):13,000μgRAE
 ・牛レバー(生):1,100μgRAE
   ※牛レバーは鶏・豚に比べてビタミンAが少なめ

妊娠中のビタミンA

ビタミンAには、推定平均必要量(半分の人が不足にならない量)のほか、以下の数値が設定されています。

 ・推奨量:この量を摂って入れば不足がほとんど起きない量
 ・耐容上限量:この量を超えて習慣的に摂取した場合には、健康に悪影響をもたらすリスクがゼロではなくなる量

妊婦さんが摂った方がいいビタミンAの量(推奨量)は年齢や妊娠期によって異なります。妊娠初期〜中期は1日あたり650〜700μgRAE、後期になると少し増えて730〜780μgRAEとなります。

また、超えない方がいいビタミンAの量(耐容上限量)は、2,700μgRAE/日です[*1]。

一匹・一人前もダメ?妊婦に適切なうなぎの量

市販のうなぎのかば焼100g(約1人前)には1,500μgRAEのビタミンAが含まれます。1日の耐容上限量は2700μgRAEなので、約半分を摂取することになります。うなぎとビタミンA含有量の多いレバーなどを1日に併せて食べないように注意しましょう。

1日くらいビタミンAを含む動物性食品を食べた場合でも過剰な心配は要りません。詳しくは後ほど「うなぎを食べ過ぎてしまったときの対処法は?」のところでお伝えします。

妊娠時期別・うなぎのとり方の注意点

妊娠中の食事は、赤ちゃんのためにもいろいろな食材をバランスよく食べるのが基本。うなぎも「妊娠中は厳禁!」というわけではないので、妊娠中の時期別のポイントを押さえておきましょう。

妊娠初期

妊娠初期はおなかの赤ちゃんの末梢神経系、感覚器、骨や筋肉など、主要な器官が形成される大事な時期。ビタミンAの過剰摂取に関して耐容上限量(2,700μgRAE)を上回るような動物性食品からのビタミンA摂取をしないようにしましょう。

うなぎについては、常識の範囲内の量をたまに食べるのであれば、過度に心配し過ぎることはありません。問題になるのは、ビタミンAを含むサプリメントです。特にマルチビタミンなどは、意図せずにビタミンAなどを摂り過ぎてしまうことがあるので注意が必要です。

なお、妊娠前からビタミンAを含む医薬品を処方されている場合は、主治医に相談しましょう。

妊娠中期~後期

妊娠中期・後期は、常識の範囲内の量をたまに食べるのであれば、過度に心配し過ぎることはありません。1日あたりの目安となる量は前述した通りですが、ほかのビタミンAを多く含む食品を控えるなど、摂り過ぎないよう注意します。

妊娠中のうなぎに関するよくある疑問

うなぎ料理店などでは、うなぎのかば焼きとセットで出てくることがある肝吸いや、カルシウム摂取によさそうなうなぎの骨などは、食べていいのでしょうか。食べていい場合は、どれくらいの量ならOK? うなぎにまつわる、その他の疑問もチェックしていきましょう。

うなぎの骨や肝も食べないほうがよい?

うなぎの肝(生)は、100g中に4400μgRAEのビタミンAが含まれています。肝は1度に食べる量は10g前後で、たくさん食べることはほとんどありませんが、うなぎのかば焼きと肝吸いなどをセットで食べる場合は、量を調整するなどの工夫をしましょう。

かば焼きと肝吸いをセットで食べると、1,940μgRAEのビタミンAを摂取することになります(※)。これらで耐容上限量を超えることはないでしょうし、1日だけ上限量を超えたからと言って問題があるわけではありませんが、少なくとも「連日うなぎの肝を食べ続ける」などということは避けてください。

(※:うなぎのかば焼100g、うなぎの肝10gで計算)

また、うなぎの骨を揚げた骨せんべいなどは、市販品であれば栄養成分表の記載があるものを選ぶといいですね。100g中に含まれるビタミンAの量を参考にして、どれくらいの量なら目安量内になるかの確認を。妊娠中は偏食気味になる人も少なくないので、どんな物でも食べ過ぎず適度な量を心がけましょう。

授乳中もうなぎは避けるべき?

授乳中は、どれくらいうなぎを食べていいかもチェックしておきましょう。

ビタミンAは、ママにとっても母乳を飲む赤ちゃんの健康のためにも大切な栄養素です。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、授乳期は成人女性の摂取量に450μgRAEをプラスすることが推奨されています[*1]。

授乳中にうなぎを食べること自体は全く問題ありませんが、毎日のように耐容上限量(2,700μgRAE)を超えるような食べ方はいけません。推奨量を摂れるように緑黄色野菜などと合わせてバランスよく食べましょう。

うなぎを食べ過ぎてしまったときの対処法は?

うなぎに含まれるビタミンAについてよく知らず、妊娠中なのに食べ過ぎてしまった……という人もいるでしょう。でも、過度に心配しなくて大丈夫でしょう。

もちろん、「毎日うなぎやレバーなどを必ず食べる」というような継続的なビタミンAの摂り過ぎはおなかの赤ちゃんへの影響が心配ですが、そのようなことがなければ一度や二度多めに食べたとしても問題ありません。うなぎを含めた動物性食品のビタミンAの量に気をつけて、バランスのいい食生活を続けましょう。

食べ物以上に注意が必要なのが、サプリメントによるビタミンAの過剰摂取です。妊娠中はビタミンAが含まれているサプリメントは避けましょう

まとめ

妊娠中でも時々うなぎを食べる程度なら全く問題ありません。ただし、動物性食品に含まれるビタミンAは、毎日たくさん摂り過ぎてしまうとおなかの赤ちゃんに先天異常が起きるリスクもありますので、特に妊娠初期は量や頻度に気をつけましょう。妊娠中期以降は過度に心配し過ぎることはありませんが、ほかの食品からの摂取量も考慮し、常識の範囲内で楽しみましょう。

(文:オノカヨ/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)
[*2]食品安全委員会 ビタミンAの過剰摂取による影響

日本食品標準成分表2020年版(八訂)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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