実は音が聞こえない―じゃーヘビは何で音を感じているの?
蛇は特徴的な体のかたちをもつ爬虫(はちゅう)類として知られているものの、普段目にする機会は意外に少ないもの。それゆえに生態や特徴を詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は気になる性質をまとめましたので、ぜひ知識として覚えておいてくださいね。
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蛇の耳はどこにある?
蛇を見ていても耳らしいものがどこにあるのかわからないはず。これは耳たぶや鼓膜が退化してしまっているためであり、外から見える部分には聴力を感知するものはみあたらないのです。しかし内耳と呼ばれる内部器官は存在しているため、耳で音を聞いているのではなく皮膚にあたる音を感じ取るのです。
それが筋肉や骨を通じて内耳までとどき、音として認識されるのです。
わずかな振動も感じ取る能力
地面や空気、草が動くわずかな振動でも、蛇は音として感じ取ることができます。そのため獲物が近くにいるとき、蛇自体がその場から逃げたいときなども瞬時に行動することができるのです。毒をもつ蛇は全体の約25パーセントほどであり凶暴なものも多いので、人間が不用意に近づくと危険な場合も。
ちなみに動物食のため、シロアリやミミズ、カエル、魚類など多くのものが捕食対象となります。
また、一部の種類では赤外線を感じ取ることもできます。これは他の動物の体温を感じ取るためには非常に便利で、聴力が弱い蛇にはなくてはならないものになっているのです。そのほかにもヤコブソン器官から嗅覚を感じ取ることもできます。
蛇使いの笛は聞こえていない?
インドなどでは蛇を籠の中に入れ、笛を吹くことで操る「蛇使い」が存在します。しかし耳を持たない蛇は聴力が弱いために、笛の音に合わせて踊っているわけではないのです。これは蛇の習性をたくみに利用したものであり、いかに音にあわせて踊っているかのように見せられるかがポイントになります。
実際によく見ていると、蛇使いが手を使ったりして蛇を威嚇しているのがわかります。
蛇はさまざまなところで生息するために、その生態は種類によってさまざま。もしあなたが自然界で蛇に遭遇した場合でも、威嚇させることのないように慎重な行動を心がけましょう。
※この記事は2014年11月18日に公開されたものです