お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

意見を通したいなら最後に発言する―「親近効果」の効能

会議で自分のアイデアを通したい! 意見を押し通したい! と思う日があります。しかし、そういうときに限って自分の意見は通らないものです。自分の意見に自信があってそれを通したいとき、最後に発言するだけで通りやすくなるのです。

【人間は皆、やっぱり「自己中」!逆に利用して、相手の心に入り込むテクとは?】

最後の発言が印象に残る「親近効果」

何かをやる、やらないといった選択をするとき、人は最初や途中で言われた内容より判断を決める直前(最後)に言われた内容を良いと思い、選択してしまうということがしばし起こります。これを心理学で「親近効果」と呼びます。

たくさんの意見が出される状況では、全てを覚えていることはなかなか難しいものです。印象に残ったものから選ぼうとするのが人間の心理です。となると、最後に出された意見というのは覚えている確率が非常に高いのです。

また、途中で出された意見などはマイナス評価がつきがちでして、その状況で新しい意見を最後に言うと、それまでの意見の欠点をカバーすると考えプラス評価がつきやすくなります。

度胸をもって最後の発言者になる

最初に意見をいうのも嫌なものですが、最後に意見をいうのも度胸がいります。それまでにいろいろな意見が出ていて、あーでもないこーでもないと言われつくした中で最後に自分が言うのは非常に勇気が入ります。ですが、最後に意見をいうことで、いつも以上に魅力的な提案に見え、結果採用されることがしばし起こりうるのです。

もちろん、魅力のあるような言い回しや提案方法をしなければ親近効果は発生しにくいので、自信を持って堂々と発言しましょう。それだけで、いつもは無視されるあなたの意見がすんなり通ったりするのです。

親近効果を利用した特殊な交渉術

これを応用すると、会議以外のセールストークにも応用することができます。

例えば何かを販売するとき、顧客は2つのものの間で迷ってるとします。どちらにもいいところと好みでないところがあって迷っています。そのときに、商品の説明をするにあたり、売りたいものを最後に説明するようにします。

そうすると、最後に説明された商品のほうが自分にあっているように思え、そちらを買おうと考えるようになります。

また、お客様がお買い上げになった後、アフターサービスなどを気持ちのよい笑顔で説明すると、「いい買い物をしたな」と感じるようになります。何かミスをしたときも、誠心誠意謝るのは当然ですが、真摯(しんし)な対応をし、顧客を満足させるサービスなどをすると、ミスのあったことを忘れ「ここはいいところだったな」という印象が残るようになるのです。

「終わりよければすべてよし」とは先人の言葉ですが、これこそ親近効果を端的に現わした言葉と言えます。会議に限らずいろいろな場面に応用できますから、ぜひ「親近効果」をフル活用して自分の意見が通りやすい環境を創っていきましょう。

※この記事は2014年10月30日に公開されたものです

SHARE