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消臭と脱臭はなにが違う?「脱臭は、におい物質を取り除く」「消臭は、化学的ににおいを減らす」

暖かくなると気になるのがにおい。トイレはもちろん、ゴミ箱/ゲタ箱用の消臭剤も存在するほど、ひとはにおいに敏感だ。

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消臭剤と脱臭剤はなにが違うのか? 活性炭に代表される脱臭は、においのもとを物理的に取り除き、化学的に変化させるものは消臭と呼ばれる。ただし、クサいと感じなくなれば「消臭」と名乗れるので、におい成分がなくならない消臭剤も存在するのだ。

においを減らす脱臭

家庭で気になるにおいの成分は、おもに3つある。

・アンモニア … トイレでおなじみの刺激臭

・メチルメルカプタン … 腐ったたまねぎ、生ゴミのにおい

・硫化水素 … 温泉の刺激臭、腐った卵のようなにおい

どれも大気汚染防止法や悪臭防止法で規制されるほど強烈なため、工場や事業場では厳しく管理されているが、ゴミやふん尿からも発生するので一般家庭も無縁ではない。なかでもメチルメルカプタンはアンモニアの500倍も強く、たったの0.004ppmで、クサいか公害かの分かれめとなる臭気強度3に達する。

ppmは100万分の1を意味するので、床面積20平方m・天井の高さ2.4mのワンルームなら、たった0.2ccで公害になってしまう。そこで頼りになるのが脱臭剤や消臭剤だ。

脱臭と消臭はなにが違うのか? 芳香消臭脱臭剤協議会の自主基準によると、においを取り除く方法によって呼び名が変わり、

・脱臭剤 … 物理的な方法

・消臭剤 … 化学的または感覚的な方法

・脱臭剤 … 物理的な方法

・防臭剤 … においの発生や発散を防ぐ

・芳香剤 … 空間ににおいを与える

かいつまんで言えば、フィルターで取り除けば脱臭、薬品で分解すれば消臭、となる。

脱臭の定番は、ごぞんじ活性炭だ。700~1,200℃の高温によってミクロポアと呼ばれる細かい孔(あな)があいた炭で、そこににおいや異物を取り込みフィルターの役目を果たす。1gの活性炭はバスケットボールのコート5面分に相当する2,000平方mもの表面積があるので、少ない量でも効果絶大だ。

ただし、においや汚れを取り込むにつれ孔が埋まってしまい、効果が薄れる。備長炭などを使った減らない脱臭剤は、永久に使えるわけではないのでご注意を。

ゴマカしもOKな消臭?

化学的ににおいを減らす消臭の、もっとも簡単な方法は中和だ。

酸とアルカリを混ぜると別の物質に変わるのが中和で、例えばアンモニアはアルカリ性なので、酸で中和するとアンモニアではなくなり、においを発しなくなる。料理に使われるミョウバンでも中和できるので、意外と簡単に排除できるのだ。

消臭剤の「感覚的」な方法とはなにか? これはマスキングとも呼ばれ、別のにおいで悪臭を感じさせなくする方法だ。

さわやかな香りによってクサさを覆うことから「マスキング」と呼ばれ、もっとも簡単な方法だが、別のにおいに気をそらされているに過ぎない。そこで、現在は「ペアリング」で、クサさを別のにおいに変える方法が主流となった。

マスキングは強い香りが必要なのに対し、悪臭を変化させるペアリングは弱い香りで済むため、好き嫌いが出にくいメリットもある。

ただし、どちらも悪臭のもとがなくなったわけではない。火山ガスにも含まれる硫化水素は、低濃度でも目や皮膚への刺激、臭覚のまひを起こし、高濃度になると人命を脅かすほどの毒性を持っている。におわないからOK!で終わりにせず、脱臭と併せて根本的に排除するのが良さそうだ。

まとめ

・脱臭は、におい物質を取り除く方法

・消臭は、化学的ににおいを減らす方法

・クサいと感じなければ、消臭と名乗れる

・においのもとには、有害な物質も多い

さわやかな香りが楽しめる消臭剤は、根本的な解決にならない場合もあるので、においのもとが生まれないように、清潔を心がけよう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年04月20日に公開されたものです

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