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台風が「名前」で呼ばれないのはなぜ?「実は名前はある。気象庁が番号で管理している」

今年1月18日、早くも台風1号が発生した。今年は台風の当たり年にならないことを祈ろう。

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アメリカのハリケーンは名前で呼ばれるのに、日本ではなぜ番号なのか? これは気象庁が番号で管理しているからで、実は台風にも名前がある。今年の1号はLingLing(レンレン)、次の台風はKajiki(カジキ)なのだ。

ハリケーンも男女平等?

台風は海上で発生した熱帯性低気圧を指す。ハリケーンやサイクロンも基本的な原理は同じで、発生した場所によって呼び名が異なるだけだ。

日本では、その年に発生した順に番号で呼ばれる。対してアメリカでは、アイリーンやサンディなどの名前で呼ばれるのはご存じだろう。名前リストが毎年用意され、発生した順に割り当てられていくのだ。

アメリカのハリケーンは大西洋北部か太平洋北部がおもな発生地で、それぞれ別のリストが用意されている。2014年のハリケーン名を抜粋すると、

・大西洋側 … Arthur(アーサー)、Bertha(バーサ)、Cristobal(クリストバル)

・太平洋側 … Amanda(アマンダ)、Boris(ボリス)、Cristina(クリスティーナ)

で、アルファベット順なので何番目かもわかるようになっている。

お気づきのように、男女の名前が交互に使われ、この例では大西洋側は男→女→男、太平洋側はごていねいにも逆になっている。以前はすべて女性名だったのだが、不快との意見が多く、1979年から現在のように変更された。

モメるぐらいなら別の名前、例えば惑星や星座が良いのでは?と思えるのだが、新聞やニュースでも確実に伝えるためには、聞き慣れた短い単語が望ましく、人名になったのだそうだ。

ハリケーン27号が発生したら、どんな名前が付けられるのか? アルファベット順に進めば26番目のzで終わりだから、一巡してAに戻るのもありだが、同じ名前の台風が2つあるとややこしい。そこでギリシャ文字のアルファ、ベータが登場する。

こちらは24文字あるので、あわせて50号までと準備万端だ。ただしギリシャ文字3番はガンマ(G)、6番めはゼータ(Z)など、余計に混乱しそうだが。

タヌキやプリンが襲ってくる?

日本では番号で呼ばれる台風にも、じつは名前が用意されている。タイや香港、カンボジアなど14カ国が加盟する「台風委員会」が名前リストを作成しているのだ。

ルールはシンプルで、

・対象は、北西太平洋または南シナ海で発生した台風

・14か国が10種類ずつ用意=140の名前

・年は関係なく、発生順に次の名前がつけられる

例年約25個の台風が発生するので、5~6年でリストを一巡する仕組みだ。

2014年の台風1号はリストの46番となり、香港が名付けたLingLing(レンレン)となった。以降、台風2号はリストの47番、3号は48番の名前、と続くので、名付けた国と台風の名前、由来をあげておこう。

・台風2号 … 日本 … Kajiki(カジキ) … かじき座

・台風3号 … ラオス … Faxai(ファクサイ) … 女性の名

・台風4号 … マカオ … PeiPah(ペイパー) … 魚の名前

と、今年何番目なのか、名前からはまったく連想できない。

このほか、動物や神、星座や植物もあるのだが、ほとんどが台風をイメージしにくい。なかには「Babinca(=プリン)」、「Neoguri(=たぬき)」など、その国の文化を知らない者には???な名前も多い。

アメリカでは物議をかもした男女比は、「男性(または女性)の名」と明記されているものだけでも3:8、「神」「戦士」などばく然としたものを除き、女神/母の言葉を含めると3:11と、女性由来が圧倒的に多い。

雨=恵みの意味なのだろうが、モメないことを祈ろう。

まとめ

・日本に来る台風にも、名前は存在する

・140の名前リストをもとに、昨年の続きから割り当てられる

・今年何番目の台風か、名前からイメージしにくい

名もなく、番号で呼ばれる台風には気の毒だが、そのほうが混乱せずに済むので我慢してもらいたい。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年01月30日に公開されたものです

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