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インド式計算をまだマスターしてない人がマスターする方法「分解する」

12月の恒例行事である忘年会。コースや飲み放題なら面倒な計算は不要だが、予定外の追加注文がつきもので、予算をオーバーしないか計算に追われ、幹事は落ち着いて飲んでいるヒマもない。

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小学校で習った九九だけでもだいたいの計算はできるが、2ケタ以上の掛け算になると暗算ではムリだと思っている人が多いだろう。ところがインド式の計算方法を使えば、2ケタ以上の掛け算も暗算で簡単にできるようになるのだ。

算数は複雑?

まず仕組みがわかりやすいように、2ケタ同士の掛け算から始めよう。

【問題】

21×17を暗算で求めよ。

【答え】

357

方程式でもひっかけ問題でもないから、紙と鉛筆さえあれば誰でも解ける。念のため電卓で確認しても、答えはやはり357だ。

もっともオーソドックスな方法は、17を分解して(21×10)+(21×7)と計算するのが一般的だ。この方法なら21×10はそのままゼロを1つ付け加えるだけで210とすぐわかるのだが、つぎの21×7はとっさに暗算できない。

別の方法として、17を20-3と考え、(21×20)-(21×3)から求めることもできる。カッコ内の420と63はすぐに計算できるのだが、420-63はやはりすぐにはイメージがわかない。1の位から始め、10から3を引き、410から60を引いた答えを足し算することになるので、数によってはかえって計算が面倒になってしまう。

暗算のコツはキリの良い数に近づけることで、17を10+7、または20-3に変換するのはそのためだ。21の10倍または20倍、と置き換えれば確かに計算は楽になるのだが、つぎに生まれる7倍や3倍がわずらわしい。

一見ラクになったように見えても、算数で習った方法では、さほど楽にならないのだ。

対してインド式の計算は言い換えれば「総当たり戦」で、21を20と1、17を10と7に分解するのがポイントで、あとは機械的に計算するだけで答えが求められる。ステップは4段階で、

1. 20×10 = 200
2. 20×7 = 140
3. 1×10 = 10
4. 1×7 = 7

これらを合計すると、357が求められるのだ。

シンプル・イズ・ベスト

数字であらわすと、何をしているのかわかりにくいので、記号に置き換えてみよう。21の20をa、1をb、17の10をc、7をdとすると、数学なら10a+bのように表すべきなのだが、紙に書くとab×cdに見えるはずだ。

掛け合わされる組み合わせをあげると、

・a×c
・a×d
・b×c
・b×d

の4つになり、1.~4.に対応しているのがおわかりいただけるだろう。計算回数は4回に増えるものの、単純な計算を繰り返すだけで求められる。算数で習った方法では21を20+1または17を10+7と考えてキリの良い数を使って計算するのだが、インド式では21と17のどちらも分解するのがポイントで、位さえ間違えなければ1ケタ同士の掛け算を4回おこなったのに等しい。

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ケタが増えても同じ原理で対応できる。計算回数は3ケタ×2ケタなら6回、3ケタ同士なら9回に増えるものの、1ケタ同士の掛け算を数回おこなうのと同じだから、間違えも減るはずだ。

試しに123×45を計算してみよう。掛け算を6回おこない、結果を合計するだけで完了だ。

・100×40 = 4,000
・100×5 = 500
・20×40 = 800
・20×5 = 100
・3×40 = 120
・3×5 = 15

順に足していくと5,535、電卓で123×45を求めてもやはり5,535で一件落着。

まとめ

ケタごとに分解して計算、あとで合計、の2ステップに分けるだけで、何ケタあっても暗算できる。

ただし4ケタ同士の掛け算では、途中の計算は16回になるので、答えを覚えていられるか心配だが。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2013年12月10日に公開されたものです

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