かつて小錦を骨折させたスゴ技「鯖折り」の語源も? じつは奥深いサバのトリビア3選
日本で古くから愛されている鯖(サバ)。昨今は各地にブランド鯖も散見できます。
山口県の関鯖、高知県の清水鯖、神奈川県の松輪鯖などが有名ですが、宮城県・石巻の「金華鯖」も全国的にファンがいるそうです。金華山沖で獲れる鯖を「金華鯖」と呼ぶそうですが、多いときは1日1000トンも水揚げされるんだとか。さすが世界三大漁場といわれる豊穣の海ですね。
NHK総合『ゆうどきネットワーク』10月30日放送分では、『さかなクンのギョギョ魚発見!「サバ」 宮城県石巻市』が特集されました。番組では、さかなクンが震災後2年半を経過した宮城県・石巻を訪問して、これから冬にかけて旬を迎える鯖をテーマに話を展開していました。さかなクンが、魚の不思議話を「ギョギョ魚講座」として解説したり、さらにオリジナルの鯖料理も紹介していました。
日本人が愛を傾けてきた鯖、そのバックボーンもかなり充実しています。その世界を鯖トリビアとともに見ていきましょう!
相撲の技「鯖折り」で魚が美味しくなる?
「鯖の生き腐れ」なんて言葉があるように、アシの早い鯖は鮮度を保つために獲ったらすぐに締めて、血抜きすることが大事です。その際にえらの部分から指を入れて、頭を上側に折り曲げる方法があり、それが相撲技の「鯖折り」の由来となったそうです。
鹿児島県屋久島のブランド鯖「首折れ鯖」もこの手法からのネーミングです。相撲では、北尾(=後の横綱・双羽黒)が小錦を鯖折りで破った際、あまりの衝撃で小錦は右膝を骨折したんだとか。鯖折り恐るべし!
塩鯖が縁起となったお寺がある?
徳島県・海陽町には「鯖大師本坊」なるスゴイ名前のお寺があります。こちらの御本尊は弘法大師(=空海のこと)だそう。縁起は、ある峠で休んでいた弘法大師の前を、荷として塩鯖を積んだ馬を引いた馬子が通った際に、「馬が苦しそうだから、休ませなさい。そして塩鯖を私に施しなさい」といったのに、馬子が無視して通過すると、やがて馬が苦しみだしたそうです。後悔した馬子は峠に戻り、弘法大師に謝りつつ塩鯖を一尾贈ると、馬は元気を取り戻したというお話。さらに弘法大師が塩鯖を海につけると、鯖が蘇ったとか。のちに弘法大師の弟子となった馬子がこの峠に結んだ庵が、このお寺になったそうです。
3年間、鯖断ちすればご利益がある?
前述のお寺・鯖大師本坊には、「鯖断ち祈願」という願掛けがあるそうです。願掛けしてから3年間鯖を食べずにガマンすると、病気が治り、子宝に恵まれ、心願成就するそう。思わず「どんだけ、鯖好きじゃー!」と叫びたくなりますが、同寺ホームページにちゃんと案内がありました。皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょう?
エイプリルフールは鯖のこと?
いわゆる4月バカ、エイプリルフールのことをフランスでは「Poisson d?avril」というそうです。これは「4月の魚」という意味で、鯖をさします。なんでも4月にやたら鯖が釣れるため、という説があります。ちょっと鯖が気の毒ですね。
鯖トリビアもなかなか奥が深いですねー。最後にあまり深くない鯖ネタを一つ。JR千葉駅で電車の車窓をふと見ると、そこには「さば」とあり、「ええっ、何故さば!?」と思っていると、それは窓に逆映りした「ちば」という駅名なのです。千葉駅を利用している人にしか分からないネタではあるのですが、何かの機会で行った際にはぜひ確認してみてくださいね。
(皐月半生/サイドランチ)
※この記事は2013年11月13日に公開されたものです