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【医師監修】克服したい! 産後に起こる不眠症の原因と対策

【医師監修】克服したい! 産後に起こる不眠症の原因と対策

マタニティライフを卒業し、無事に出産して安心したのも束の間。赤ちゃんのお世話で疲れているにも関わらず、夜なかなかゆっくり眠れていないというママも多いはず。今回は、そんな産後に不眠症で悩むママたちのために、産後に起こる不眠症の原因と対策をご紹介します。


この記事の監修ドクター
西條クリニック 西條朋行先生
新宿御苑前駅 徒歩1分にある、心療内科・精神科のクリニックです。当院では、根拠に基づいた良質の医療を提供し、患者さんの苦痛の軽減と解消をはかることのみならず、患者さんの問題を、それを内在する「環境全体の問題」と捉え、患者さんご自身について、あるいは、ご自身の環境との付き合い方について、 「前よりもはっきりわかった」「役に立つことを知った」と実感していただけるように心がけています。
http://saijo.net

多くのママたちが眠れずに悩んでいる……

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オムツ替えや授乳、抱っこ、お風呂、寝かしつけと赤ちゃんのお世話は、朝夜時間帯なんて関係なく24時間体制。疲れているからさぞかしすぐに眠れるだろうと思いきや、なかなか眠れないと悩んでいるママはたくさんいるようですね。

産後の身体の変化8つ

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“出産”は女性にとって、人生の中でも一番の大仕事といっても過言ではないくらい大変なもの。出産を経て、大きなダメージを受けた出産後の身体は、妊娠前の状態に戻ろうとします。特に産後6~8週間の“産褥期”は、身体にはさまざまな変化が起こり、それに伴う身体の不調に悩まされるママも少なくありません。

1.会陰切開や帝王切開の縫合部の痛み

自然分娩をする妊婦さんの多くが出産の際に経験する“会陰切開”。スムーズに赤ちゃんが出て来てくれるように、肛門と膣の間の皮膚をカットして広げます。赤ちゃんが出てきた後に、そのカットした傷は縫合され、個人差はありますが、その縫合部が引っ張られて痛みを感じます。帝王切開の場合も同じく縫合部が痛むという方もいます。

2.後陣痛

産後の女性の身体は、出産で大きくなった子宮を収縮させることで、妊娠前の子宮の姿に戻そうとします。それに伴い、後陣痛として痛みが出てきて、人によっては、会話が出来ないほどの痛みで、鎮痛剤を投与する方もいるほど。

3.抜け毛

およそ7割近くのママが、産後間もない時期に悩まされていると言われているのが抜け毛です。産後の女性ホルモンの変化やストレスなどが原因で、抜け毛が起こると考えられています。産後半年から1年くらいには、抜け毛が落ちつくようです。

4.痔

なんと2~3人に1人という高い確率で、出産をきっかけに痔になるママがいるとか。産後は、排便の時に痛みを伴う「切れ痔」と、肛門からイボが出て来てしまう「イボ痔」のどちらかの痔になりやすく、妊娠中の便秘や出産時のいきむ行為によって、肛門に過度な負担がかかり、その結果、痔になってしまうと言われています。

4.便秘

産後は便秘になりやすいものです。赤ちゃんに授乳することで、ママは体内の水分が不足しがち。体内の水分が減ってしまうと、それに伴い便に含まれる水分量も減り、便が硬くなってしまいます。そのためスムーズな排便ができず、便秘になってしまいます。

5.頭痛

産後は出産によるホルモンバランスの減少、骨盤の歪み、ストレスなど、さまざまな要因が重なって頭痛になることもしばしば。頭痛と一緒に吐き気や肩こりなどの症状が出る場合もあります。

6.腰痛

出産の際に、赤ちゃんがスムーズに出てくるようにと緩んだ骨盤。産後元に戻らない状態が続くと、骨盤が歪み腰痛を引き起こしてしまいます。また抱っこや授乳、おむつ交換など赤ちゃんのお世話で中腰になったり、屈んだりと何度も身体にとっては無理な姿勢をするため、腰痛になりやすくなります。

7.うつ

産後のうつは“産後うつ病”というきちんとした名称のある病気です。出産を経て、ホルモンのバランスが崩れてしまったことなどが原因で、日々赤ちゃんのお世話に追われる中、気分的に落ち込んだり、不安が募ったりします。また、イライラしたり、食欲不振になるなどさまざまな不調も現れます。

8.乳腺炎

母乳が乳腺でつまってしまうことが原因で引き起こされる乳腺炎。スムーズに母乳が出ないことで、乳腺の中で炎症が起こり、痛みを伴います。場合によっては発熱することもあります。

産後にはなぜ「不眠症」になるの?

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産後の身体の変化によって、様々な不調がある中で、充分な睡眠が取れないとなると、ママはゆっくり休む時間もなく、さらに身体の不調は悪化してしまいます。育児で疲れた身体を休め、身体の不調を改善するためには、睡眠は何よりも一番大事です。なぜ産後の不眠症に陥ってしまうのか、原因を探ってみましょう。

1.「産後ハイ」

「産後ハイ」とは、その名の通り、産後にテンションが高い興奮状態になってしまうことです。ホルモンバランスの乱れや産後の身体の変化が原因だと考えられています。不眠症以外にも、やたらと急かすような言動をしたり、落ち付きなく動き回ったりする人もいます。

2.ホルモンバランスの変化

妊娠するとママの体内では、「プロゲステロン」と「エストロゲン」の2つの女性ホルモンが増加します。しかし、出産を終えると増加したその2つのホルモンは一気に減少。その一方で、母乳を作りだすための「プロラクチン」や「オキシトシン」というホルモンが増加するなど、ホルモンバランスの著しい変化によって、不眠になると考えられています。

3.生活リズムの乱れ

授乳やオムツ替え、お風呂などの日々のお世話はもちろんのこと、泣きやまない赤ちゃんをあやしたり、なかなか寝てくれない赤ちゃんを抱っこしながら家中を歩いたりなど、ママはとにかく一日中することがたくさん! 食事や睡眠をきちんと取れず、生活リズムが乱れてしまいます。

4.ストレス

思い通りにいかない育児や家事がはかどらないなど、自分でも知らないうちにストレスが溜まってくることがあります。ストレスは、脳を緊張させ、眠れないという不眠症の状態を引き起こしてしまいます。

5.自律神経の乱れ

人間が生きていく中で、身体の機能をコントロールし、健康な状態をキープする上で非常に重要な働きをする自律神経。産後のホルモンバランスの変化によって、この自律神経が乱れてしまい、疲労回復したり、リラックスしたりする時に必要な副交感神経が上手く働かず、身体の働きを盛んにする交換神経が常にONの状態に。それにより眠れない状態に陥ってしまいます。

すぐにできる! 産後の不眠症の対処法

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日々育児に追われるばかりで、疲れた身体に鞭打って頑張っているママ。眠れない状態が続くとなると、本当に辛いですよね。日常生活の中で簡単に取り入れられる不眠症に効果的な方法をご紹介します。

1. 朝日を浴びてみる

夜なかなか眠れず、午前中は起きることができないということもあるかもしれませんが、不規則な生活を続けていると、ますます夜に眠ることは難しくなってしまいます。朝起きてから、まずはカーテンを開け、朝日を身体に浴びることで、乱れてしまった体内時計をリセットしてみましょう。

2. 家事を手抜きする

家事も育児も何でも完璧にこなそうとなると、少しも休む時間がありません。出産する前と同じように無理して家事をこなそうとせず、今の時期だけと思って、掃除機をかける回数を減らしたり、食事を作る時におかずを一品減らしたり、思いきって家事を手抜きしてみましょう。家事代行サービスなどを利用するのもいいですね。

3. 赤ちゃんのお昼寝タイムは好きなことをする

赤ちゃんがお昼寝している間は、家事を済ませておこうと思いがちですが、ママ自身が好きなことをしてリラックスする時間も大切です。ゆっくりとお茶を飲むのもよし、友達と電話で話すもよし、本を読むのもよし、録画しておいたドラマを見るもよし、少しでもいいので自分だけの時間を楽しんでみましょう。

4. 少しでも眠れる時に寝る

授乳タイムは朝も夜も関係ないため、夜中に授乳で起こされた後、そのまま朝まで眠れないというママも少なくありません。夜にまとめて寝ようとするので、睡眠時間が足りていないという気もしますが、日中でも眠れる時に少しでも寝ることで、一日の睡眠時間を増すといいでしょう。

5. 家に引きこもらずお出かけしてみる

ずっと一日中家の中にいると、「あれもしなきゃ、これもしなきゃいけない」と家事と育児のことばかり考えて、ストレスも溜まりがち。赤ちゃんを連れてお散歩へ行ったり、図書館や児童館などに出かけるだけでも、ママにも赤ちゃんにとってもいい気分転換になります。

6. 時短できる家電を使ってみる

食器洗浄機やロボット掃除機など便利な家電を賢く利用しましょう。家事の時短につながり、そのぶん自分の時間にあてることができます。限られた時間を有効に使ってみましょう。

7. 軽い運動をする

家事や育児はするものの、赤ちゃんが一緒だと運動する機会も減ってしまいます。スキマ時間を利用して、階段や踏み台などを使って昇降運動をしたり、軽いストレッチをして身体を動かしてみましょう。赤ちゃんと一緒にできるベビーヨガや、リズム体操、ベビーアクアなど、スキンシップを図りながら運動するのもオススメです。

8. 地域の子育てサークルなどに入る

公民館などを利用した子育てサークルにも入るのもいいですね。ベビーマッサージやリズム体操、絵本の読み聞かせなどをしているサークルが多く、赤ちゃんにとっていい刺激となります。日頃は赤ちゃんと二人っきりというママも、同じ月齢くらいのママと話すことで、日頃のストレスも軽減されるかもしれません。

9. 手足を温める

人間は身体が温まると、副交感神経が働き、リラックスした状態で眠りに入りやすくなります。手足の指先を揉んでマッサージしたり、開いたり閉じたりするなどして、末梢血管の血のめぐりをして、温めるようにしましょう。足湯などに入るのもオススメです。

10. 寝る前にはスマホやテレビを見ないようにする

スマホやテレビから出るブルーライトを浴びると、眠りに導いてくれるメラトニンというホルモンが体内で分泌されにくくなり、脳が覚醒し、目が冴えて、眠れなくなってしまいます。寝る前の30分はできるだけスマホやテレビを見ないように心がけましょう。

11. 温かい飲み物を寝る前に飲む

寝る前に温かい飲み物を飲むと、身体も温まり眠りやすくなります。カモミールやローズマリーなどのハーブティー、ホットミルク、麦茶やほうじ茶、ホットレモンなどがオススメ! 温かい飲み物といっても、コーヒーや日本酒などのカフェインやアルコールを含むものは眠りの妨げとなってしまうので飲まないようにしましょう。

12. 眠れなくても決して焦らない

眠らなきゃと考えれば考えるほど、余計に眠れずイライラしてしまいがち。眠れない状態がこの先一生続くわけではありません。眠れないのは今だけだからしょうがないと捉えて、焦らないようにしましょう。眠れなくても、横になって身体を休めるだけでもOKです。

13. 家族に協力してもらう

パパに寝かしつけやお風呂をお願いしたりして、その間に休むというのもいいですね。実家に頼れるという方は、産後しばらく来てもらうという手もあります。決して一人で育児を頑張り過ぎず、無理しないことが大切です。

どうしても眠れない場合はぜひ病院へ

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「赤ちゃんがいるから眠れないのはしょうがない」と不眠症の状態を続けるのもよくありません。ママが元気だからこそ、赤ちゃんも穏やかで、健康に育ってくれます。眠れず、本当にキツイと限界を感じた時は、一度医師に診てもらいましょう。場合によっては、授乳中でも服用できる漢方薬を処方してもらえることもあります。眠れないからといって、決して市販の睡眠薬を飲まないようにしましょう。

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