【医師監修】産後の抜け毛の原因と対策!3つの実践的なケア方法

【医師監修】産後の抜け毛の原因と対策!3つの実践的なケア方法

出産後の身体の変化にはいろいろありますが、「抜け毛」にびっくりするママも多いのではないでしょうか? シャンプーのあと、排水口にびっしりと付く抜け毛に「この状態はいつまで続くの?」と不安になることもあるでしょう。今回は産後の抜け毛の原因と、抜け毛のケア方法について解説します。


出産後の女性の抜け毛とは

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産後の抜け毛は、多くの出産した女性が経験します。「出産後脱毛症」や「分娩後脱毛症」とも呼ばれることもあるこの抜け毛の原因とはどのようなものなのでしょうか?

産後に抜け毛が増える3つの理由

産後の抜け毛には、「ホルモンバランス」と「毛髪サイクル」、「激変する生活」の3つが関係しています。でも、実際にどうしてホルモンや生活の変化が抜け毛につながるのかわからないという人も多いことでしょう。次にホルモンと毛髪サイクル、生活の激変が髪にもたらす影響についてまとめました。

・ホルモンバランスの変化

産後の抜け毛に関係しているのは、「女性ホルモンの変化」です。女性ホルモンには「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の2種類があり、妊娠をしていないときは月経周期に沿って約2週間ごとに交互に優位になる働きを繰り返しています。

妊娠中は女性ホルモンの分泌が徐々に増え、妊娠後期には大きくなった胎盤からも女性ホルモンが分泌されます。プロゲステロン、エストロゲンともに妊娠前と比べると分泌量は非常に多くなっています。
出産すると女性ホルモンの量は急激に減少します。この大きな変化に身体や精神が追いつかず、産後すぐのママの心身にはさまざまな不調が生じることがあります。

・毛髪サイクルの影響

髪の毛は一定のサイクルで生え変わっていますが、妊娠中は髪の毛を維持するのに役立つ女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が盛んになっているため、“抜けるはずの髪の毛が抜けない”状態になっています。そのため、出産を終えてエストロゲンの量が急激に減少すると、妊娠中に抜けるはずだった髪が一気に抜けてしまうのです。

毛髪は成長が止まってから次に毛根が成長を始めるまで、通常は3~4ヶ月の休止期があります。一斉に抜けた毛髪は一斉に休止期に入るため、新しく生えてくるまでしばらく薄毛状態が続いてしまいます。

・生活の変化

出産後、妊娠中とは全く異なる生活になることも影響していると言われています。母体が完全に回復しないうちに育児に追われ、ストレス、疲労、睡眠不足が、抜け毛を加速させてしまうと考えられます。

いつまで抜け毛が続くのか心配になるママも多いと思いますが、多くは産後8ヶ月までにはほぼなくなり、自然に回復します。抜け毛は産後4ヶ月以内に始まることが多いのですが、少しだけ育児に慣れ、多くのママがホッと一息つくのが産後3ヶ月・4ヶ月目くらいではないでしょうか。そのため、余計に抜け毛が気になるのかもしれません。

産後抜け毛対策、3つのアドバイス

産後しばらくしたら抜け毛は収まるとはわかっていても、毎日大量の抜け毛を見るたび不安になりますよね。身体の内側と外側からケアしていきましょう。

産後に向いている髪型に挑戦してみる

髪が長い、髪を束ねている、パーマをかけているなど、髪への負担や刺激が、産後の脱毛に影響しているという報告があります。一度髪を短くするのは、対策としておすすめです。

髪の毛が薄い状態になると、出産前と同じ髪型にできないかもしれませんね。そんな時は、思い切って、違うヘアスタイルに挑戦してみてはいかかでしょうか。例えば、おでこの広さが気になる場合は「厚めの前髪を作る」のがおすすめです。頭頂部から髪を前に流していき、厚めの前髪を作ります。こうすることで、薄くなった部分をカバーできます。

逆に、前髪を薄くして、あえて少し額が見えるようにするのもいいでしょう。これは、「シースルーバング」といわれる前髪のスタイルです。「シースルーバング」は、やさしい印象を与えることができるヘアスタイル。出産後はなかなか美容室に行く余裕がありませんが、シースルーバングならセルフカットで作るのもそれほど難しくありません。

抜け毛が落ち着いたあと、今度は生えかけの短い毛が気になるかもしれません。そんな時は、顔まわりに毛束を多めに残してカバーするようにします。生え際の短い髪の毛を上から隠すように、前髪の頂点の横から毛束をとっていきます。

ヘアスタイルを変えるまで手が回らない……という人は、外出時に帽子をかぶってみましょう。特に頭頂部の髪が薄いのが気になる人にはおすすめです。素材や形、カラーによって雰囲気がガラッと変わるだけでなく、頭皮や髪を紫外線から守る効果もあります。洋服に合わせて帽子を選ぶと、ファッションの幅も広がりそうですね。

バランスの良い食事を

頭皮の状態を整え、発毛を促すには食生活も大切なポイント。出産後は子供優先で、ママ自身の食事がおろそかになってしまうかもしれませんが、規則正しく栄養バランスのとれた食事を心がけたいものです。

特に気を付けて摂取したいのが、髪の原料になるたんぱく質です。大豆、肉、卵、魚など、たんぱく質を多く含む食事を取り入れましょう。

睡眠時間を確保し、疲労回復に努めよう

「5.5時間未満の短い睡眠時間」や「重度の疲労」は、産後の脱毛に影響があるといわれています。産後すぐはそんな余裕もないかもしれませんが、4ヶ月に入るころから、赤ちゃんの首もすわり、ママも育児に慣れてきて、「少しだけ余裕が出てきたかも?」と思うママは多いようです。いいタイミングですので、生活を見直したり、パパとの分担を話し合ったりして、睡眠時間の確保と疲労回復に努めましょう。

産後抜け毛の3つの疑問

産後の薄毛をカバーするために、「パーマをかけてボリュームアップさせたい」と考えるママもいることでしょう。パーマは髪にとっては刺激になり、脱毛が増えてしまうこともあるので注意したいところですが、授乳中だからといってパーマをかけられないということはありません。その他、産後の抜け毛やヘアメンテナンスについて、気になることをまとめました。

出産後どれくらいでパーマやヘアカラーができるの?

産後のパーマやヘアカラーは「いつからできる」という明確な基準はないのですが、まずは産後1ヶ月健診を終えて、医師に「異常なし」と判断してもらってからのほうがいいでしょう。美容室では長時間椅子に座る必要があるため、腰痛や会陰切開後の痛みがあるようだったら、もう少し様子を見てからのほうがいいかもしれません。

また、授乳のタイミングにも気をつけたいところです。パーマの施術には約2~3時間かかりますから、授乳間隔が3時間以上あけられるようになってからか、赤ちゃんが粉ミルクを飲んでくれるようになってからなら、安心してお出かけできますね。ヘアサロンによっては産後ママ向けのメニューを用意しているところもあるので、出産をきっかけに新しいヘアサロンを開拓するのもいいでしょう。

産後は、ホルモンバランスの変化によって、頭皮の状態が敏感になっています。そのため、パーマやカラーの薬剤・美容剤でかぶれるなどのトラブルが起きることもあるので、注意したいですね。また、母乳で赤ちゃんを育てている場合、「薬剤が頭皮から浸透し、母乳に影響を及ぼすのでは?」と心配するママもいるかもしれません。そのような影響があると示す調査報告はありません。それでも心配に感じる場合は、パーマやカラーは授乳が終わってからにしましょう。

産後に抜け毛が増えないこともあるの?

産後の抜け毛に特に気がつかない人もいます。抜け毛を経験しなかったことで心配することはまったくありません。抜け毛の程度が軽い人もいますし、育児に夢中で抜け毛に気づかない人もいます。

洗髪(シャンプー)は産後いつまでNGなの?

昔は産褥期を安静に過ごすため、出産後1ヶ月くらいはシャンプーを控えたほうがいいといわれていたそうです。しかし、産後に洗髪を避けたほうがいいという根拠はなく、シャワーが可能であればいつからでも洗髪して問題はありません。ただ、身体に負担がかからないように、手短に済ませるほうがいいでしょう。

まとめ

産後の抜け毛は多くのママが経験することで、その量に驚き不安になることもあるでしょう。しかし、やがては元に戻るもの。ヘアスタイルを変えたり、帽子のおしゃれを取り入れたりと、なるべく楽しく過ごせるよう工夫をしてみてはいかがでしょうか? 新たに自分に似合うヘアスタイルを発見できるかもしれませんよ。

ヘアサロンによっては、キッズスペースや託児サービスがあるなど、赤ちゃんがいても通いやすいお店もあります。ママにとって便利なサービスをうまくつかってリフレッシュしたいですね。

この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 高橋しづこ先生
東京大学医学部大学院卒業、山王メディカルセンターなどで非常勤医師を経て、現在はYale大学、東京大学医学部 医療倫理学教室にて非常勤講師。女医+(じょいぷらす)所属。A型・いて座。自身は39歳で第1子、41歳で第2子と、43歳で第3子高齢で出産。高齢不妊・妊娠・出産のつらさや痛みが分かるぶん、患者さんのお話にはできるだけ真摯に耳を傾けたいというのが信条。趣味はサイクリングで、通勤にもロードバイクを愛用するアクティブな一面も。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.27)


※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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