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2023年02月24日 10:30 更新

【医師監修】沐浴はいつまで必要? 新生児でもお風呂OK? 一緒に入浴するときのやり方

入院中に指導を受けることも多い赤ちゃんの「沐浴」。退院したらいつまで続ければいいのでしょうか。大人と一緒に入浴するようになったら、どんなことに気を付ければいいのかも気になりますね。ここでは沐浴の意義や期間、赤ちゃんと一緒に入浴するコツと注意点についてまとめました。

そもそも沐浴は何のため?

赤ちゃんを沐浴させる理由
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まず、赤ちゃんの「沐浴」はどんな目的でするのか確認しておきましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんを気遣いながら清潔に

育児の際に言う「沐浴」とは、「ベビーバスやたらいなどで赤ちゃんの体を洗うこと」。おもな目的は、赤ちゃんの皮膚を清潔に保つことです。

赤ちゃんは新陳代謝が活発で、よく汗をかき、ミルクや涙やよだれ、尿や便で汚れやすくなっています。首や脇の下など、体のしわやくびれに汚れが溜まってしまうことも。こうした汚れはおむつかぶれなど皮膚トラブルの原因に。体調不良などで沐浴ができないときでも、体を拭いて清潔に維持することが大切です。また沐浴のために裸にするので、全身の状態を観察するいい機会でもあります。

沐浴はいつまでするの?

赤ちゃんの沐浴はいつまでか
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まずは、沐浴は「いつまで」するものなのか、一般的な目安を考えてみましょう。

へその緒がとれるまでが目安

実は、清潔で安全な環境であれば、退院後から大人と一緒に入浴してもとくに問題はないようです[*1]。ただ実際は、大人との入浴は、新生児期を終え生後1ヶ月になったら、を勧められることが多いでしょう。

その理由でよく言われるのが、「へその緒が取れるまでを目安にする」ということ。その子によって異なりますが、およそ生後1、2週間、遅くとも1ヶ月健診までにだいたい取れるので、一般的にそれまでは沐浴をと言われているようです。

なお、アメリカ小児科学会では、新生児は生後1~2週間ごろにへその緒がとれるまでは、お湯に浸した布などで体をぬぐう「スポンジバス」を、その後はベビーバスでの沐浴を勧めています[*2]。気候や文化の違いなどが影響するのか、赤ちゃんを衛生的に保つ方法は国や地域によっても多少異なるようです。

赤ちゃんのへその緒ケアについて、よりくわしくは下記の記事を参照してください。

沐浴のやり方

沐浴はできれば毎日、決まった時間に行いましょう。ベビーバスにお湯をはる前に、着替えやタオルなど必要なものを準備しておきます。

まず、赤ちゃんのお腹に沐浴布をかけ、利き手でお尻を、反対の手で頭を支えてお湯に入れます。頭はしっかり支えたまま、利き手を使って赤ちゃんを洗いましょう。

最初に顔と頭を洗い、首、おなか、わき、手足を洗います。次に赤ちゃんをうつ伏せにして背中を洗い、最後にお尻を丁寧に洗います。洗い終わったらタオルを押し当てるようにして水分を拭き取り、保湿をして服を着せましょう。

詳しいやり方や準備は下記を参考にしてください。

大人と一緒に入るときのコツと注意点

大人と一緒に入浴するときのコツと注意点
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ここでは、沐浴の時期が過ぎてから、大人と一緒に入浴するときのおおまかな流れと注意点を紹介します。

一緒に入るときのだいたいの流れ

赤ちゃんと一緒でもスムーズに入浴できるよう、おおまかな流れをまとめました。こうしなければいけないというものではなく、また浴室周囲の環境はそれぞれなので、だいたいの流れを頭に入れたら、自宅の状況に合わせて、赤ちゃんも大人も快適に入浴できるよう工夫してみてくださいね。

赤ちゃんと入浴するときのおおまかな流れ

・赤ちゃんとお風呂に入る前に、替えのオムツ、着替え、タオル、保湿剤などお風呂上りの準備をしておきましょう。

・脱衣所の浴室ドア近くにマットやバウンサーなどを用意して赤ちゃんを寝かせ、先に大人が浴室に入って体を洗います。異変があってもすぐ気づけるように、浴室のドアは開けておきます。

・大人が洗い終わったら、赤ちゃんの服を脱がせて頭と体を洗います。首がすわるまでは、赤ちゃんの頭を大人の膝の上にのせて洗うといいでしょう。

・洗いにくいとき、泡ですべるのが不安なときはバスチェアやバスマットを利用しても。リクライニングできるバスチェアならねんねの時期から使えます。ただし、バスチェアはたとえお湯が浅くても浴槽には入れないようにしましょう。浴槽に落ちる可能性がある場所にも置かないようにします。

・洗い終わったら一緒に湯舟につかります。湯舟に入るときは、赤ちゃんを縦に抱いてゆっくり入るようにしてください。入浴時間は洗う時間も含めて10~15分くらいが目安です。

・あがったら赤ちゃんの体を拭いて、全身を保湿し、服を着せます。

・そのあと母乳かミルクで赤ちゃんに水分補給をします。

一緒に入るときの注意点

お湯の温度は38~40℃

お湯の温度は38~40℃を目安に。大人はぬるいと思うかもしれませんが、このくらいの温度のお湯に時間をかけて浸かることで体が芯まで温まるので、大人にとっても理想的な温度です。

熱いお湯は皮膚の乾燥やかゆみを起こすことがあり、42℃以上のお湯は大人の体にも負担をかけると言われています[*3]。寒いときはお湯の温度を上げるのではなく、浴室や脱衣所を暖かくしましょう。

入浴時の事故に要注意

1歳前後の溺水は、家庭の浴槽で起こることが多くなっています[*4]。子供だけで入浴したとき、大人が髪を洗っていたときだけでなく、着替えを取りに行った、電話に出たというほんのわずかな時間でおぼれてしまうことも。入浴中は絶対に子供から目を離さないようにしてください。大人が髪を洗うときは子供を浴槽から出すこと、子供が小さいうちは浴槽に水をため置かないことを習慣にしましょう。

またカミソリや洗剤など、子供にとって危険なものは手の届かないところに置きましょう。石鹸やシャンプー、入浴剤も口にしてしまうことがあるので、これらも届かない場所に。

赤ちゃん用の浮き輪もありますが、使用中にひっくり返ったり、ぬけてしまうことがあります。実際、入浴中に使用して空気が抜けたりずれたことにより赤ちゃんが溺れてしまった事故も起きています。そもそも、こうした製品の多くは、入浴時に赤ちゃんを一人で待たせるといった使用方法を想定して製造されているものではありません。大人と一緒の入浴時はどうしても洗髪などで目を離すタイミングがあるので、使用を避けるようにしましょう。

なお、入浴中に親が居眠りをしてしまい、浴槽で乳児がおぼれたケースもあります。疲れているときは無理に一緒に入浴せず、赤ちゃんはシャワーや沐浴にしても。上の子がまだ小さい場合も、赤ちゃんに気を取られて事故につながらないように気をつけましょう。

浴槽は清潔に

お風呂のお湯はためおかず、浴槽をきれいに掃除してからお湯をはりましょう。出来れば一番風呂がよいですね。

保湿は続ける

新生児の間は皮脂の分泌がさかんですが、その後は減っていき、生後2~3ヶ月過ぎてから思春期前までは肌が乾燥しやすい時期です。保湿を習慣にして続けていきましょう。

まとめ

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いつまで沐浴でなくてはいけないというはっきりした決まりはないものの、日本では一般に、1ヶ月健診のころに通常の入浴への切り替えを勧められることが多いようです。ただ、この時期までは絶対に沐浴でなければならないというわけではありませんし、沐浴のほうが負担が少ないと感じる時は沐浴の時期を過ぎてからも沐浴で大丈夫。お風呂が楽しい時間になるように、各家庭のやりやすい方法で安全に気を付けながら、赤ちゃんの肌を健やかに保ってあげましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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