出産・産後 出産・産後
2020年08月26日 10:00 更新

大学と連携した教育環境が魅力!「文京区」の質の高い子供 #子育て支援制度

古くから日本の学術研究と高等教育推進の中心的役割を果たしてきた文京区は、「文教の地」として有名です。現在も国立を含む19の大学、複数の私立高校が区内に存在しています。行政が教育に力を入れていることもあり、教育熱心な子育て世代から住みたい街として人気。今回は、そんな文京区の子育て支援について詳しく調べてみました。

文京区ってこんなところ

東大赤門

文京区は23区の中心に近く、面積は11.29平方キロメートルです。区内にJRの駅はありませんが、東京メトロ丸ノ内線・千代田線・有楽町線・南北線、都営三田線・大江戸線など複数の路線が利用できるので移動には困りません。

文京区は東大をはじめ、伝統のある大学が多いことから「文教の地」として有名です。また、森鴎外などの文豪が暮らした地としても知られています。地の利を活かして文京区と大学が連携し、子供向けの講座や小中学校で学習支援を行うなどの魅力的な教育環境を整えています。また、医療環境の充実も子育て世代にとって着目すべきポイント。大学病院が4ヶ所ある上に、24時間体制で緊急患者を受け入れている東京都指定の二次救急病院が5ヶ所もあります。医療体制が整っていることは、住む場所を決める上での重要な判断材料のひとつではないでしょうか。

フレーベル館

文京区には「アンパンマン」や「キンダーブック」などの児童書で有名な出版社「フレーベル館」の本社があります。本社ビルの1階にある「フレーベルこどもプラザ」は、都心で子供たちの遊び場が減っていることや地域社会の希薄化を懸念し、気軽に未就学児を連れて遊びに来られる場所として作られたそうです。施設内には絵本が自由に読める「えほんのひろば」、ボールプールなど体を動かして遊ぶ「あそびのひろば」があります。イベントやワークショップなども定期的に開催されているので、お子さんと一緒に遊びに行ってみてください。(入場無料、初回登録料300円)
※現在、新型コロナの影響で臨時休園中

日本サッカーミュージアム

日本サッカーミュージアムは、2002年FIFAワールドカップ開催を記念して作られた展示施設です。150インチの大型スクリーンによる試合観戦、FIFAワールドカップのロッカールームをリアルに再現したエリアなど、当時の感動を再び味わうことができます。また、Jリーグコーナーには歴代MVPの足型(ゴールキーパーの場合は手型)など、サッカー好きな子供はもちろん大人にもたまらない展示がいっぱいです。

また、文京区はスポーツ事業にも力を入れています。小中学生を対象としたチャレンジスポーツ教室や学校の施設を使ったスポーツ交流広場など、学校の授業では体験することが難しいスポーツにも挑戦できます。

教育の森公園

文京区には、小石川後楽園、そして六義園と歴史的な背景を持つ2つの都立公園があります。また、旧東京教育大学(現在の筑波大学)の跡地に作られた「教育の森公園」は自然が豊かで大型遊具が人気の公園。他にも都電の車両が展示されている「神明都電車庫跡公園」、年間を通して、いろとりどりのバラが咲く「本郷給水所公苑」、テニスコートやフットサルコート、ドッグランなどがある「文京区立目白台運動公園」など、さまざまなタイプの公園が存在しています。週末に子供と一緒に体を動かして遊んだり、四季折々の美しい景色を眺めながら散歩をするのも楽しそうですね。

文教の街である文京区は、東大をはじめとする優れた教育資源があります。相互協力協定や連携活動を行っていることは、子供たちにとってより高い夢や希望の実現につながる可能性があります。学問だけでなく、心や体もしっかりと育てていける文京区の取り組みが子育て世帯から支持される理由かもしれませんね。

文京区で子育て中の働くママに聞いてみました

◎N.Aさん(38歳)1歳、3歳のママ
文京区では『保育所案内アプリ』というものがあり、保育所MAPや空き情報など、保活に役立つ情報を専用スマホアプリで調べることができて便利です。近年、新規保育園の大幅な増園が行われましたが、まだまだ待機児童問題が残っていると感じます。

◎M.Nさん(47歳)高2のママ
子育て広場は、未就学の子供を連れて一日ゆっくり遊ぶのにピッタリです。食べ物の持ち込みが可能なので、お昼までに帰らなければ!という心配もいりません。また、経験豊富な先生がいて、子育ての相談に乗ってくれます。

文京区の魅力を徹底調査!

文京区版ネウボラ事業で、産前から続く切れ目のない子育て支援

Neuvola (ネウボラ)とは、フィンランド語で「アドバイスの場」を意味する言葉です。文京区では平成27年4月よりネウボラ事業を行っています。近年では高齢出産や核家族の増加により「身近に子育て経験がある知り合いがいなく、気軽に育児の相談ができない」といった不安を抱えている人が少なくありません。そんな親子を支えるため、母子保健コーディネーターと呼ばれる地区担当の保健師が妊産婦や家族のニーズに合わせた情報提供やサポートを行っています。ネウボラ面接、母親学級、両親学級、赤ちゃん訪問、ネウボラ相談など、妊娠前はもちろん産前産後から育児中に渡り切れ目のない支援をすることで、子育て世代をしっかりと支える仕組みづくりが整っています。

大学と連携した充実の教育

東大をはじめとする国立・私立大学や私立高校などが数多く存在しています。また、都内でも少ない国立大学付属小学校のうち、3つが文京区内に存在しています。まさに「文教の地」といわれる理由は、ここなのではないでしょうか。

この特長を活かして、文京区は区内の大学と相互協力協定を結んでいます。人材育成や教育の推進に関する知見提供協力はもちろん、大学の講師から専門的な知識を学ぶことができる科学教室「子ども科学カレッジ」の開催、教員志望の大学生や大学院生を学校に派遣して生徒の個に応じた学習を支援する「学習指導補助員」など、さまざまな形で教育現場に携わっています。

働くママをしっかりサポート!「文京区」の便利な子育て支援

(1)ネウボラ面接と育児パッケージの配布

文京区では妊娠届を提出する際に、ネウボラ面接(妊婦面接)を行っています。出産や子育てについてはもちろん、家族やパートナーとの関係などさまざまな事柄について相談が可能です。母子保健コーディネーター(保健師)が不安や疑問を受け止めてくれるだけでなく、必要に応じて関係機関や支援サービスを紹介してくれます。また、ネウボラ面接を受けた方には、素材や縫製にこだわった肌着などの育児用品が入った「育児パッケージ」が後日届きます。

(2)妊婦健康診査

文京区では、妊娠時の妊婦健康診査のうち「妊娠健康診査14回、超音波検査3回、子宮頸がん検診1回」が公費負担となっています。超音波検査は1回のみ公費負担という都内自治体が多い中、3回まで助成してくれるのは珍しいです。妊娠中はなにかと出費が多いもの。ありがたい支援ですね。

(3)子ども医療費助成

文京区在住の子供が医療機関で受診した際、保険診療自己負担分を全額助成してくれます。医療費助成の対象となるのは、文京区に住所があり日本の健康保険に加入している0歳から満15歳到達後最初の3月31日までのすべての子供です。保護者の所得制限はありません。

(4)子育て訪問支援券

2歳未満の乳幼児がいる家庭を対象に、毎年子供1人につき48枚の「子育て訪問支援券」を交付しています。保護者の休養やリフレッシュ、通院、就労などで支援が必要なときに、区が指定した事業者のベビーシッターサービスを一定負担で利用することが可能です。児童の保育や食事の世話、医療機関への付き添い、保育施設への送迎、買い物や居室の掃除など、必要に応じてさまざまなサービスが受けられます。
※支援券1枚で4時間以内、1日に複数枚の利用可

(5)小児初期救急平日夜間診療事業

地域における小児医療体制の充実を図るため、豊島区と共同で「豊島文京(平日準夜間)こども救急」を開設しています。平日の準夜間帯である午後8時~午後11時に、都立大塚病院にて15歳(中学生)以下のお子さんで入院を必要としない救急診療を受けることができます。なぜか夕方になると子供の具合が悪くなる…ということも少なくありません。仕事から帰宅した頃には病院が空いていないことも多いのですが、いざというときに診察してもらえる場所があるのは安心ですね。

小児初期救急平日夜間診療事業
https://www.city.bunkyo.lg.jp/hoken/iryo/shounishokikyuukyuu.html

(6)病児・病後児保育

病中または病後の回復期で集団保育は無理、でも仕事は休めないということもあるでしょう。区内には、病中または回復期の子供たちを保育する病児・病児後保育施設があります。事前に登録を済ませておけば前日または当日予約ができ、生後4ヶ月から小学校3年生までの児童が利用可能です。なお、近くに病児・病児後保育施設がない場合は、ベビーシッターの派遣による病児・病児後保育サービスの利用料助成を受けることができます。

(7)子育て応援ワクチンナビ

子供の予防接種は、基本的に保護者が管理をする必要があります。小さな頃は立て続けに接種するので忘れにくいのですが、少し大きくなってくると間隔が空いて予防接種のタイミングを忘れてしまいがち。「子育て応援ワクチンナビ」は、それぞれの子供に合わせた予防接種スケジュールを自動的に作成し、接種日が近づくとメールで知らせてくれるサービスです。仕事が忙しくて、予防接種の日程をうっかり忘れてしまうこともあります。お知らせが来るなら接種忘れを防げるかもしれませんね。

子育て応援ワクチンナビ(予防接種スケジュール管理システム)
https://www.city.bunkyo.lg.jp/hoken/kenko/yobousessyu/mobile.html

(8)文京区育成室(学童保育)

育成室は、保護者が就労や疾病等の理由で日中に適切な保護ができない小学1~3年生が利用できる学童保育です。月曜日から金曜日までは下校時から午後6時30分まで、もちろん長期休業日や振替休業日、土曜日なども必要に応じて利用ができます。なお、区内には6年生まで利用できる民間学童クラブも存在しています。利用料金は少し高くなりますが、文京区在住で条件に当てはまる方は補助を受けることが可能です。小学校からのお迎え、別料金で最大21時まで預かり、夕食の提供など、帰宅が遅くなりがちな保護者にとってはうれしいサービスがあるため、状況に併せて使い分けるのも良いですね。

(9)放課後全児童向け事業

放課後や学校休業日に小学校の施設の一部を利用して、地域の大人たちによる見守りの元で自由に遊んだり学習したりすることができる活動の場所が提供されています。曜日や時間ごとにさまざまな遊びや体験のプログラムが用意されていますが、基本的に参加は自由。育成室とは異なり、保護者の就労等に関係なく在籍校の1~6年生まですべての児童が利用できます。

(10 )b-lab(文京区青少年プラザ)

文京区教育センター内にある「b-lab(ビーラボ)」は、主に区内の中高生が自主的な活動を通じて可能性を広げ、社会性を身につけながら自立した大人への成長を目指すための施設です。自宅にいるようにくつろいだり、みんなでわいわい過ごしたり、バンド活動やダンス、バスケ、卓球など好きなことができます。学校とも塾とも異なる自由な活動ができます。

b-lab(ビーラボ)
http://b-lab.tokyo/

まとめ

文京区は、子供に良い教育環境を与えたいと思う共働き夫婦に人気のエリア。行政が行う、妊娠から出産・子育て期にわたる切れ間のない支援をするネウボラ事業を行っている区は多くありません。妊娠中の不安な時期に、行政がしっかりバックアップしてくれるのは嬉しいところ。
予防接種や保活をアプリがサポートしてくれるなどの取り組みや医療環境の良さ、中高生の自立活動などに力を入れているところも、働くママにはたまらない魅力ですね。

(文:安部美和)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-