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2020年08月29日 10:00 更新

第2子以降の保育料・給食費無料! 医療的ケア児用保育園など「港区」の子育て環境の魅力

新橋や虎ノ門をはじめとしたビジネス街と、お台場、東京タワーなどの観光地が共存する港区。82ヶ国もの大使館があり、区民の約8%が外国人という国際色豊かな土地です。そんな港区は第二子以降の保育料無料などのうれしい育児サポートがあり、住みたいエリアのひとつにあがっています。今回は港区の子育て支援について詳しく調べてみました。

港区ってこんなところ

東京都の東南部に位置する港区は、面積20.34平方キロメートル。虎ノ門や新橋などのオフィス街には数多くの企業があり、23区内で事業所数や従業員数が最も多い区です。勤務地が港区にあるという共働き世帯も多いのではないでしょうか。職住近接は通勤時間の短縮につながり、子育て世帯にとってはひとつのメリットです。

また、港区には古くから続く商店街など、下町の雰囲気が残るエリアも多く、緊急時に受診可能な小児科を併設した救急指定病院が5院もあることからも、子育てに向いているといえるでしょう。急病などの不測の事態に対応できる施設が多いという強みは、子育て世代にとって安心材料ですね。

国立新美術館

港区には多くの美術館や博物館があります。なかでも子育て中のパパやママにオススメなのが、乃木坂駅近くの国立新美術館です。広い展示スペースを生かしてさまざまな展示会を開催し、毎月第2木曜日、第3日曜日、第4月曜日は託児の日として、有料で事前予約の託児サービスを行っています。たまには子供を預けて夫婦でゆっくり芸術鑑賞を楽しんでみるのもよいですね。また、小学生から参加できるワークショップや夏休みの恒例イベント「こどもたんけんツアー」なども開催しており、家族みんなで芸術を楽しむことができる場所です。

フジテレビ本社

テレビ放送の電波を送信する電波塔の役割を果たしていた東京タワーがある関係で、主要テレビ局5局が港区に本社を置いています。銀色に光る球体展望台が目を引くフジテレビ本社は、番組のスタジオ見学や、ちびっこファンも多いチャギントンショップが人気。また、汐留にある日本テレビ本社の見どころはビルの壁面! アニメの巨匠である宮崎駿監督が手掛けた高さ約12m、幅約18mの「からくり大時計」が飾られています。一日数回3分間に渡り動き出す大時計は、32ヶ所もの仕掛けが連動する見応えのあるものです。ほかにも各社キャラクターショップやイベント、社内見学や展示などを行っているため、子供と一緒にテレビ局に遊びに行ってみるのも楽しいかもしれません。

埠頭公園

港区には4つの都立公園と、緑豊かな区立公園や児童遊園が多数あります。南極探検隊の出発地を記念して作られた「埠頭公園」は、船の大型木製遊具が人気です。ほかにも、都内では貴重なマリンスポーツ・磯遊び・釣りができる「都立お台場海浜公園」、大型遊具やターザンロープが人気の「明治神宮外苑にこにこパーク」、色とりどりのすべり台が特徴の「さくら坂公園」など、魅力的な遊び場がいっぱい。また、高輪森の公園と亀塚公園では、禁止事項を極力少なくした新しい遊びの場「プレーパーク(冒険遊び場)」が定期的に開催されています。自由に遊べる場所の存在は、子供の好奇心や探求心を大きく満たすことでしょう。

港区には子供と一緒に遊べる施設がたくさんあります。知的好奇心を満たす施設はもちろんですが、体を思い切り動かして遊べる場所が多いのは、子育て世代にとってうれしいポイントではないでしょうか。また、職住近接で短縮できた通勤時間を有効活用し、家庭でゆったりと過ごすのも良いですね。港区はワークライフバランスの実現にも最適で、子育てしやすい環境ではないかと思います。

港区で子育て中の働くママに聞いてみました

◎M.Nさん(39歳)小4、小2のママ
港区スポーツふれあい文化健康財団(kissポート)による、さまざまな芸術やスポーツのイベントが開催されています。子供が楽しめるように工夫されているので、喜んで参加しています。

◎K.Nさん(45歳)小6、小3のママ
子育てサポート制度がとても充実しています。出産前からはもちろん、出産後もずっと手厚い助成があります。子供は中学生まで医療費はかかりませんし、子育てがしやすいと思います。

◎S.Kさん(46歳)21歳、中3、小5のママ
港区スポーツセンターは、プール、ジム、体育館などの施設が充実していて手軽に利用できるので助かります。また、センターの前の敷地内が公園になっていて、散歩や子どもが遊べるのもうれしいです。

港区の魅力を徹底調査!

多子世帯への手厚い支援がうれしい港区の保育施設

港区には2020年4月1日現在、認可保育園、認定こども園、保育室、地域型保育事業、認証保育所、保育サポートなどの保育施設数が112ヶ所あります。保育園施設の整備、保育コンシェルジュサービスによる丁寧なマッチング、2歳児までの待機児童にベビーシッターを派遣する「待機児童向け居宅訪問型保育事業」、新設保育施設等の空きクラスを利用した「1歳児定員拡大事業」など、さまざまな待機児童解消に向けた取り組みを行っています。結果、平成31年4月には待機児童0(ゼロ)を達成しました。

また、令和2年4月より多子世帯への保育費負担軽減も拡充されています。従来は保育施設に2人以上の子供が通園している場合に限り、2人目以降の保育料が無料とされていました。しかし、今回の拡充により上の子が小学生以上でも、第2子以降の保育料と給食費が無料になったのです。年が離れた兄弟でも、同様に負担軽減の支援を受けることができるようになりました。

幼小中と12年間通して行われる教育

港区は幼児教育期の3年間と小中学校の義務教育9年間を連続したものと捉え、12年間を見通した指導方針のもとで子供たちを育てる幼保・小中一貫教育に取り組んでいます。中学校の通学区域ごとに10のグループ(アカデミー)に分け、地域の特色を踏まえた教育活動や、幼小中の子供の交流活動、港区独自のカリキュラム「MINATO カリキュラム」を活用した指導などを実施。小学校や中学校へ入学する際の環境の変化に対応できずに起こる小1問題や中1ギャップによる不登校や学校不適応などの問題解消にも役立っています。

一定の条件のもとに学校を選択できる「学校選択希望制」を採用しているため、小学校は通学区域の学校または隣接校から、中学校は港区内全ての学校から選択することが可能です。港区は古くから続く街なので、小中共に100年以上の歴史をもつ学校があります。学校の特徴や子供の個性に合わせた学校選びができるのはうれしいポイントですね。

保育サービスの手厚さがうれしい「港区」の子育て支援

(1)産前産後家事・育児支援サービス

妊娠中や出産直後に日常生活で困りごとを感じている家庭に対して「ホームヘルパー」または産前産後の母子専門の支援員「産後ドゥーラ」が訪問して家事や育児の支援を行います。精神的に不安定になりやすい時期だからこそ、信頼できるサポーターの存在は大きいですね。

(2)出産費用の助成

分娩および入院等にかかる出産費用を最大60万円まで助成してくれる仕組みです。区で定める出産費用助成算出上限額または、出産費用の実費額のいずれか低い額から、出産育児一時金等を差し引いた全額を助成します。一般的には算出上限額が42万円の自治体が多いため、港区の上限60万円は手厚いサポートといえるでしょう。
※多胎の場合は、算出上限額が異なります

(3)子ども医療助成費

出生後から中学校3年生(15歳に達する日以後の最初の3月31日まで)の子供が、医療機関や薬局の窓口で健康保険を使用して支払う自己負担分を全額助成します。通院・入院にかかる保険診療の自己負担分および、入院時の食事療養標準負担額(入院時の食事代)が対象です。
※保護者と子供が港区に住民登録があり、日本の公的な健康保険に加入していること

(4)バースデイ歯科健診、すこやかちゃんフッ素塗布

就学前のお子さんを対象とする無料の歯科健診です。お誕生月健診として、1歳、2歳、4歳、5歳、6歳になる月に年1回利用できます。また、4歳・5歳・6歳になる子供を対象に、港区内の指定歯科医療機関でフッ素塗布・歯科健診・歯科保健指導を行っています。(期間中1回のみ無料)
※現在、コロナの影響で中止

(5)育児休業明け入所予約

年度途中の復職を予定している場合、保育園に入園できるかという問題は切実です。なかには保育園の入所に併せて育休を短くして復職する人もいるのではないでしょうか。港区では1年間安心して育児休業を取ることができるよう、保育所等の入所予約を行っています。予約で入園できる時期は、満1歳の育児休業から復職する月の初日までとなります。

(6)みなと保育サポート

保護者の就労形態の多様化に伴う保育ニーズに応え、パートタイム勤務や短時間勤務等に対応する保育施設です。1日 8 時間以内で 1ヶ月 160 時間を上限に保育を行います。現在は区内5ヶ所の施設があり、曜日や利用時間を固定した「定期利用保育」と、不定期に利用できる「スポット利用保育」があります。

(7)病児・病後児保育

区内には病児保育施設が4ヶ所、病後児保育施設が1ヶ所あります。前もって利用施設に登録をしておけば、電話またはインターネットから利用予約が可能です。なお、普段は保育施設を定期的に利用しているお子さんが対象となります。

また、学童クラブを利用している小学生6年生までの子供なら、訪問型病児・病後児保育サービスを利用することも可能です。利用後に申請すると、保育にかかった費用の一部を助成してくれます。

(8)医療的ケア児・障害児クラス

元麻布保育園は、集団保育が可能だけれど日常的に医療的ケアが必要な子、または障がいがある子のための保育園です。既存の保育園では受け入れが困難だった医療的ケア児や障害児を受け入れる専門の園は、23区内で初めての設立となります。クラスには看護師が担任として常駐しており、公共交通機関や自家用車による登校が困難なお子さんには福祉車両で送迎支援も行っています。

元麻布保育園(医療的ケア児・障害児クラス)
https://www.city.minato.tokyo.jp/kodomo/kodomo/kodomo/hoikuen/motoazabu/index.html

(9)みなと子育て応援プラザ「Pokke(ぽっけ)」

Pokkeでは子育てひろば事業、就学前までの子供を預かる「一時預かり」のほか、中学生までを対象として夜間に預かる「トワイライトステイ」、宿泊を伴って預かる「ショートステイ」などを行っています。保護者が仕事などで育児ができない場合に夜間預かりや宿泊預かりが利用できるので、残業や泊まりの出張などが入ってしまったときでも困りません。安心して預けられる場所は働くママにとって心強い存在です。
※ショートステイは、区内の学校や保育施設等への送迎あり。交通費実費負担

みなと子育て応援プラザPokke(ぽっけ)
https://minato-pokke.com/

(10)放課GO→・放課GO→クラブ

港区の小学校では、子供たちが放課後等の時間に安心安全に活動できる居場所「放課GO→」を実施しています。専門の指導員が見守る中で、いつもとは異なる友達と遊んだり、スポーツや自習をしたりしながら自由に過ごすことができます。各小学校の在籍児童および各小学校区域内の在住児童の1年生から6年生までが対象。プログラムの内容で材料費などが必要な場合がありますが、基本的に利用料は無料です。
また、学童クラブを併設している「放課GO→クラブ」もあります。学童として利用する場合は定員があるため面接や審査などがありますが、保険やおやつ代以外の利用料金はかかりません。

まとめ

港区では近年、18歳未満の子供がいる世帯数が増加傾向にあります。なかでも芝浦港南地区は0~14歳までの年少人口が最も多いエリア。芝浦港南地区で超高層マンションが増えたことが影響しているのかもしれません。また、出産費用を最大60万円まで助成してくれる、保育園の待機児童0、第2子以降の保育料無料、学童クラブ費無料など、さまざまな子育て支援の充実度も働くパパママには嬉しいところ。中学校まで見据えた教育環境を考えると、港区で育児という選択肢もありなのかもしれませんね。


(文:安部美和)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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