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2023年01月12日 16:33 更新

【医師監修】1歳4ヶ月の成長(身長体重)と子育てのポイント!言葉、癇癪、卒乳は?

1歳4ヶ月になると、言葉の発達や歩きっぷりなどが楽しみになる一方で、この時期ならではのお悩みも増えてきます。1歳4ヶ月の子どもの特徴とともに、この時期によく見られる悩みと解決方法についてもお話します。

1歳4ヶ月ってこんな時期

パパと散歩をする子供
Lazy dummy

1歳4ヶ月の身長・体重

どんどん成長して身長・体重が増えていく時期。男の子と女の子の体重と身長の目安を見てみましょう。

体重

・男の子 8.36~11.98kg
・女の子 7.75~11.33kg

身長

・男の子 73.9~83.8cm
・女の子 72.1~82.1cm

※3~97パーセンタイル値[*1]

発達|ひとり歩きができ、階段を上がれるようになる子も

1歳4ヶ月になると、95%以上の子がひとり歩きができるようになります[*1]。中にはひとり歩きだけでなく、後ずさりして歩く子も見られることでしょう。子供が後ろ向きに歩いていたら、成長発達の一環だと思ってくださいね。

また、子供によっては階段を上手に登る子もいます。
でも、上手に歩けるようになったようでまだぐらつくこともあるので、転んだり落ちたりしないように気を配ってあげてくださいね。

遊び|積み木などのおもちゃの扱いが上手に

1歳4ヶ月になると、今まではすぐに崩れてしまった積み木も、2つまでなら積み重ねられる子が増えてきます。中にはもっと多く、4つくらいの積み木を積み上げられる子もいることでしょう。
目で見て手を使うのが上手になっていくので、中には干しブドウなどの小さなものをビンからつまみ出せる子もいます。

手先を使うのが上手になるとともに、自分でやりたい気持ちも育っていきます。
ママとおもちゃで遊んでいる時に、おもちゃをママの手元から取って自分で遊んでみたり、うまくできない遊びにもチャレンジすることがあるかもしれません。やりたい気持ちを受け入れて、気長につき合ってあげたいですね。

離乳食|パクパク食べられる完了期に

1歳4カ月になると、栄養のほとんどを食事から摂れるようになります。もうすぐ幼児食にステップアップとなりますので、離乳食から幼児食への橋渡しの時期ともいえるでしょう。

1日3回食事をとり、できるだけ幅広い食材を体験できるといいですね。ただし、まだまだ薄味で油も少なめにしなければいけません。好き嫌いも出てきてママ・パパは困ってしまうことあるかもしれませんが、大人が美味しそうに食べている様子を見ると、食に興味を持ってくれるケースが多いものです。ぜひ家族みんなで楽しく食卓を囲んでくださいね。

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離乳食の完了期について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎離乳食完了期のポイントを解説|よくある悩み・疑問

言葉やコミュニケーションの様子

外ではしゃぐ子供
Lazy dummy

言葉|3つぐらいの言葉が言え、伝えた言葉も理解できる

1歳4ヶ月ごろから、パパ、ママ以外にも3語ぐらいは言える子が増えます。また、体の部位などの名前を言われるとその場所を指させる子もでてきます。
言葉を使ったコミュニケーションが育ってきたのです。

この時期はまだスムーズにしゃべることは難しいからこそ、ママやパパは子供の言葉に耳を傾けてあげましょう。何を言っているかわからなくても、ゆったりと最後まで言葉を聞いてあげたいですね。

サ行やラ行は難しいので、言い間違えやすいものです。間違っていたら正しい発音で言い直してあげましょう。でも怒ったり、きつく言い聞かせるのではなく、優しく発音し直すのがポイントです。

好きな絵本を読み聞かせたり、道で会った犬を見て「ワンワン、どこにいくのかな?」と想像力をふくらませてあげるのもおすすめです。
言葉を少しずつ覚えられるように、根気よくゆっくりと対応してあげましょう。

指差し|要求を伝えるための指差しもできる

0歳代の赤ちゃんは、興味があるものを指差します。この場合、横に人がいる時だけでなく、1人きりでいる時も指差しており、自分が興味をもっているものを指し示す行為ということがわかります。

1歳4ヶ月ごろになると、自分の欲しいものを取ってもらうなどの意思を伝えるために指差しをするようになります。この指さしは「要求の指差し」といって、成長のあかしです。

中には、自分が気になるものを指差して、ママやパパにも見てもらおうとする子もいます。これは興味や要求だけでなく、共感も求めた指差しだと言えます。

子供が何かを指差したら、どんな意味があるのか考えてみましょう。きっとそこから、その子の成長ぶりが見えてくるはずです。

1歳4ヶ月ならではの悩み

ベビーベットで泣きわめく子供
Lazy dummy

子供の成長とともに子育ての悩みも変わっていくものです。1歳4ヶ月ごろによくある悩みと解決策を見てみましょう。

癇癪(かんしゃく)を起こし、言うことを聞かない

1歳から2歳にかけては、「親の言うことを聞かない」という悩みが急増していく時期です。このお悩みは、1歳のうちは14.6%のママ、パパの15.8%が感じていますが、子が2歳になるとママの31.9%、パパの25.4%が訴えるようになります[*2]。

1歳4ヶ月になって「最近言うことを聞かないな」と感じたら、それもまた成長の一部と思っていいでしょう。

1歳ごろからは、何でも自分でやりたがるようになる時期に入ります。1歳半くらいからはさらに自己主張が強くなる上に、自分の要求を言葉で表すようになるのです。1歳4ヶ月で、親の言うことを聞くよりも自己主張したくなるのは当然の流れです。

アメリカでの研究ですが、親が子供に「こうしなさい」「こうしちゃダメ」といった行動の要請や禁止をするのは、1歳6ヶ月前後に一番多かったという報告があります。子供が反抗する回数も1歳6ヶ月から2歳までの間に、それまでの半年間に比べて倍増したとする報告もあります。

また、ママやパパに「こうしなさい「こうしちゃダメ」と言われて子供がイライラしたり癇癪を起こすのは、1歳3ヶ月から2歳ごろによく見られると報告している研究もあるのです。日本の0~3歳児の発達相談に関する調査でも、1歳代では癇癪などの悩みがよく寄せられることが報告されています[*3]。

この時期は自分の思い通りにならなかったり、自分が遊びたいおもちゃをほかの子が使っていると、怒ってかみついたり引っかくトラブルもよく起こります。やってはいけないことをやったり攻撃的になった時に、とがめたり言い聞かせても反抗する時もあることでしょう。そんな時にはどうすればいいのでしょうか?

言うことを聞かなかったりかんしゃくを起こすのはよくある悩みで、子供が順調に発達している証拠です。ママやパパは大変な思いをすることと思いますが、子供が気持ちを言葉で伝えられるようになって成長していけばこうした行動はいずれ落ち着いていきます。つらい時にはひとりで抱え込まないで、育児サークルや育児支援センターなどで話を聞いてもらいながら、子供の成長を見守っていきたいですね。

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子供の癇癪について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎1歳の癇癪はどう対応するのが正解? 良い対応とやってはダメな対応

まだ授乳しているけどOK? 卒乳・断乳はいつすべき?

授乳を続けているママの中には、1歳4ヶ月でまだ続けていいのか、いつごろ卒乳すればいいかと悩んでいる人もいるでしょう。

卒乳や断乳を迎える時期は、子供の様子やママと家庭の状況に合わせて決めてかまいません。ただし、授乳を続けているために歯が不衛生になって、虫歯になるのは困りますね。授乳の後にそのまま寝るのはやめて、歯磨きを欠かさないようにしましょう。

なお、この時期でも母乳から栄養がなくなることはありませんが、もともと母乳育児では鉄分やビタミンDが不足しやすいものです。生後9ヶ月~2歳ごろは、体が急激に発達して鉄分がたくさん必要になるため、貧血になる子がたくさんいます。体が必要としている鉄分やビタミンは、食事で補うように注意してあげましょう。

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卒乳について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎卒乳のタイミングはいつ?正しい方法と大事な注意点

まとめ

活動的になって言葉が増え、指差しと言葉でコミュニケーションが取れるようになってくる1歳4ヶ月。歩くのも上手になっていき、自分でできること・やりたいことも増えていきます。
その一方で、まだまだうまくできなかったり、気持ちを伝えられないいらだち、自我の芽生えなどから、ママやパパにはかんしゃくや言うことを聞かないなどの悩みも増えていきます。授乳のやめ時に頭を悩ませているママもいることでしょう。

今は大変なことも多いですが、子供もできないことに困ったりチャレンジしながら一歩一歩成長している時期です。ママとパパで協力し合って、時々気分転換も図りながら、成長を温かく見守っていきたいですね。

(文:大崎典子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省 平成22年乳幼児身体発育調査
[*2]「乳幼児の育児と生活に関する実態調査」全国私立保育園連盟
[*3]矢野のり子: 1歳6ヵ月健診における親と子への発達援助と子育て支援, 神戸山手大学紀要 (17), 41-48, 2015

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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