【医師監修】赤ちゃんの保湿ケアはなぜ大事?正しい手順とやり方、保湿剤選びの目安

【医師監修】赤ちゃんの保湿ケアはなぜ大事?正しい手順とやり方、保湿剤選びの目安

赤ちゃんの肌は大人よりも薄くデリケートです。肌の状態に合わせた保湿で、すべすべ肌を守ってあげたいですね。ここでは赤ちゃんに保湿ケアが必要な理由や正しい手順・つけ方、保湿剤選びなどについて説明します。


乳幼児の皮膚の特徴とは

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新生児は皮脂が多め

生まれてすぐから生後1ヶ月までの新生児のころは、一時的に性ホルモンの分泌量が増加します。そのため皮脂がたくさん分泌されて、脂っぽい肌になります。 そのため、石けんを使って丁寧に洗わないと、次のような肌トラブルが起こることがあります。

新生児ざ瘡

生後2週間ごろから顔にできる、ニキビに似た発疹です。

乳児脂漏性皮膚炎

生後1ヶ月ごろにできやすい、黄色っぽいフケのようなものがでる赤みのある湿疹です。かゆみはほとんどないか、あってもわずかです[*1, 2]。

どちらの場合も、通常は薬を使わなくても丁寧に石けんで洗うようにすれば治っていきますが、症状がひどい時は治療が必要です。小児科か皮膚科を受診しましょう。

その後、生後2~3ヶ月になると今度は肌が乾きがちに

生後2~3ヶ月になると、性ホルモンの分泌が落ち着き、皮脂の分泌も急激に減っていきます。こうして、乳児期には一生のうちでももっとも皮脂の量が少なくなります[*3]。

さらに、この時期は角質細胞にある天然保湿成分のアミノ酸、角質層細胞間物質のセラミドなども少ないので、肌の水分が保持しにくく、乾燥しやすいだけでなくバリア機能も弱くなります。こうして乳児期には肌が乾燥しやすくなるのです。

汗が多いのも乳幼児の特徴

また、乳幼児の肌には、ほぼ大人と同じ数の汗腺があります。乳幼児は大人に比べるとよく汗をかきますが、これは体が小さいわりにたくさんの汗腺があるからです。

たくさん汗をかくため、あせも(汗疹)やあせものより(多発性汗腺膿瘍。汗腺に細菌が感染してできるおでき)のほか、細菌やホコリ・汚れがついて肌トラブルが起こりやすいのも乳幼児の肌の特徴です。

大人以上に赤ちゃんのスキンケアでは、清潔と保湿が大切なことがわかりますね。

乾燥しやすいエリアとは

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皮脂分泌が少ないと乾燥の原因に

新生児期から乳児期の初めまでは、頭やおでこに皮脂が盛んに分泌されます。ただし、頬やあご、胸まわりは皮脂の分泌が少なめです。

皮脂の分泌が少ないということは、肌から水分が蒸発しやすく乾燥しやすいということになります。
最初に紹介したとおり、新生児期から乳児期の初めは比較的オイリー肌の時期ですが、この時期でも頬やあご、胸まわりは乾きやすいので気をつけましょう。

また、生後2~3ケ月以降になると、今度は皮脂の分泌が落ち着いて全身が乾きやすくなってくることに注意が必要です。

保湿がアトピー性皮膚炎の予防に!

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赤ちゃんの保湿は、アトピー性皮膚炎を発症するかどうかにも影響することがわかってきています。

これまでも、アトピー性皮膚炎の治療方法の1つとして保湿剤を使ったスキンケアは重視されてきましたが、2014年の国立成育医療研究センターによる研究報告によって、保湿がアトピー性皮膚炎の予防にも繫がることがわかりました。新生児のころから保湿剤を使うことで、アトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低くなると発表されたのです[*4]。
なお、同じ研究からは、乳児期のアトピー性皮膚炎は、卵アレルギー、つまり食物アレルギーの発症につながることも報告されています。

アトピー性皮膚炎や、それに続く食物アレルギーなどを予防するためにも、毎日のスキンケアで赤ちゃんの皮膚の健康を守ってあげたいですね。

保湿の前にまずは肌を清潔に

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赤ちゃんのお風呂のポイント

汚れた肌に保湿剤を塗っても、皮膚の健康を保つことはできません。
赤ちゃんの肌はよだれやうんち・おしっこの汚れ、ほこりなどで汚れやすいものです。保湿の前にまず、肌を清潔にしてあげましょう。

赤ちゃんのおふろの温度は、羊水の温度に近い37~38℃にします。皮膚は弱酸性なので、弱酸性の洗浄剤を使ってあげましょう。色々な洗浄剤がありますが、「ベビー用」「低刺激性」と書かれているものが目安になります。

体を洗う時には、化繊のスポンジは肌を傷付けやすいので、洗濯してある清潔なタオルと使います。汚れがたまりやすい「耳の後ろ」「うなじ」「脇の下」「おしり」「股」などは丁寧に洗いましょう。

また、生後2ケ月頃までは皮脂がたくさん分泌されるため、顔も皮膚用の洗浄剤を使って洗ってあげるのを忘れないようにしましょう。頭は赤ちゃん用のシャンプーを使いましょう。

洗い流しもしっかりと

皮脂が残っていると汚染物質が紛れ込みやすいので、洗剤により洗った後で、しっかり流し落とすことも大切です。洗浄剤で汚れを取ったら、泡だけでなく洗浄剤が肌にのこらないようにしっかりと洗い流しましょう。

入浴後は十分な保湿を

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保湿剤の種類

入浴が終わって肌が清潔になったら、すぐに保湿をしましょう。
保湿剤には色々なものがあります。肌の状態や大人の使い勝手に合わせて使い分けるのがおすすめです。

軟膏

油脂性のものと水溶性のものがあります。
油脂性の軟膏は保湿力が高く、刺激も少ないので、ほとんどの皮膚に使えます。ただしベタベタして洗い流しにくいのが欠点です。

クリーム

それほどベタベタせず、洗い流しやすいです。

ローション

薄く延ばしたり広げやすく、使い心地が良いです。

スプレー

広い範囲に使いやすいうえ、手の届きにくい場所にも使えます。ただし、使った量が把握しにくい欠点はあります。

塗る量とタイミング

保湿剤を塗る時は、入浴後5分くらいを目安にすると効果的です。
清潔な手に保湿剤を取って、赤ちゃんの肌数カ所に点々とつけたら、手のひら全体で優しく丁寧に塗り広げましょう。皮膚のしわがあるところは、しわに沿って塗るとむらができにくくなります。保湿剤はすり込むのではなく、たっぷりと皮膚に乗せるのがポイントです。

塗る量は、肌がテカッと光って、ティッシュペーパーがくっつくくらいを目安にします。顔だけでなく、腕や足、お腹、背中、おしりなど全身に塗ってあげましょう。

季節と保湿

保湿は秋や冬だけでなく、1年を通して続けていくことが大切です。

なお、冬は空気が乾燥するうえに暖房器具も使うため、ますます乾燥しやすくなります。乾燥しやすい時期には保湿剤の量やつける回数を工夫して、赤ちゃんの肌をしっかりと保湿してあげましょう。

まとめ

新生児のころは一時的に皮脂が増えますが、生後2~3ヶ月からは一生のうちでもっとも皮脂が少ないと言われる時期に入り、肌が乾燥しやすくなります。新生児からの保湿は、アトピー性皮膚炎の予防に役立つという説もあります。丁寧に体を洗って肌をきれいにしたら、保湿剤を使って全身を保湿しましょう。なお、赤ちゃんの肌に湿疹や炎症などのトラブルを見つけたら、小児科か皮膚科で適切な保湿剤やクリームを出してもらうといいですね。毎日のこまめな保湿で、赤ちゃんのお肌を守っていきましょう。

この記事の監修ドクター
梁 尚弘先生
りょうキッズクリニック(埼玉県所沢市)院長。平成10年順天堂大学卒業後、日本大学小児科研修医、沼津市立病院小児科、横須賀市立市民病院小児科、日本大学小児科助教、瀬戸病院小児科医長を経て現在に至る。小児科専門医。

(文:大崎典子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本皮膚科学会ガイドライン:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf
[*2]五十嵐隆・馬場直子:小児科臨床ピクシス17年代別子どもの皮膚疾患, 中山書店, 2010.
[*3]馬場直子:乳幼児の保湿, WOC Nursing, 医学出版, 2018/8 Vol.6 No.8.
[*4]国立成育医療研究センター プレスリリース「世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見」2014年
https://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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