【助産師解説】自分でできる会陰マッサージ!オイルが必要?目的と正しいやり方

【助産師解説】自分でできる会陰マッサージ!オイルが必要?目的と正しいやり方

今回は「会陰(えいん)マッサージ」の正しい方法について、助産師にうかがいました。先輩ママから出産前にやっていたことを聞くと、ときどき耳にするこの「会陰マッサージ」という言葉。そもそも「会陰」の場所ってどこなのでしょうか? 会陰マッサージの目的や方法についても、あわせてご覧ください。


この記事を解説してくれた先生
看護師、助産師、国際認定ラクテーションコンサルタント。 葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は東京で「すみれ出張助産院」を開業している。
HP:https://sumire-josanin.com/

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会陰マッサージってみんなしてるの?(ママアンケート)

ママたちに妊娠中の会陰マッサージについてきいたところ、5人に1人のママが「産前の会陰マッサージをした」と答えました。

会陰マッサージとは

妊娠後期に入ると、医師や助産師さんから会陰マッサージについての話を聞くこともあるかもしれませんね。でも、会陰マッサージとは具体的にどうするもので、なぜ必要なの? という疑問や「会陰をマッサージするなんて、なんだか怖い」と不安を持たれるママも少なくないはず。そこで、まずは会陰マッサージとは何か、その目的について説明します。

会陰とはどこ?

会陰とは、女性の場合は肛門と腟の間の薄い皮膚の部分を指します。出産時は赤ちゃんの頭が通るよう、大きく伸びるようになっています。とはいえ、狭いところを赤ちゃんの頭が通るので、会陰ががんばって伸びても頭の大きさに耐えられず裂けてしまうことがあります。これを「会陰裂傷」と言います。大きな会陰裂傷を予防するため、または、急いで出産しないとママや赤ちゃんに危険が及ぶと判断されたときには、会陰を切って出口を広げることがあります。これを「会陰切開」と言います。

どちらにせよ、分娩時に裂けたり切れた会陰は出産後に縫合され、自然に治癒されるのを待ちます。しばらくは痛みが続くでしょう。会陰マッサージは、初めてのお産の場合、会陰が裂けることを予防するのにつながる可能性があるとされています。

会陰マッサージをする目的は?

会陰マッサージは、分娩時にできる会陰の損傷をできるだけ少なくするために行うものです。具体的には、妊娠中に会陰マッサージをすると、以下の効果が期待できるといわれています。

・初産婦:会陰切開や縫合を必要とする会陰裂傷の発生率が低くなる。
・経産婦:会陰損傷の割合には特に差はないが、マッサージをしていた方が産後3ヶ月の時点での会陰の痛みは少ない傾向にある。
[*1]

マッサージを行ったからと言って必ずしも会陰の損傷を防げるというわけではありませんが、その傷を小さくする効果は期待できると考えられています。もちろん、会陰の伸び具合には個人差があるので、まったくマッサージをしなくても損傷が少ない人もいれば、一生懸命マッサージしても裂傷が起こってしまう人もいます。もしマッサージをしていても裂けてしまったからと言って、ママの努力が足りないというわけではありません。

会陰マッサージをすることで、自分の体に触れ、赤ちゃんが生まれてくるイメージをしやすくなるとも言われていますので、お産を前向きに捉えられる効果も期待できるかもしれませんね。

会陰マッサージの方法

それでは、会陰マッサージの具体的な方法について説明していきます。安全に行うためにも注意点を守り、正しい方法で行うよう心がけましょう。

マッサージを始める時期と頻度

会陰マッサージは、妊娠34週頃から始めるのが一般的です。頻度は、週に2~3回。5~10分を目安に行いましょう。

ただし、妊娠34~36週の出産は早産にあたる時期です。この頃にお腹が張っているなど、何かしらの不調がある場合は、心配がなくなるまでマッサージの時期を延期しましょう。普段はなんともなくてもマッサージするとお腹が張る、という場合も中止してください。

会陰マッサージの時期や頻度については、病院によって指導内容が異なる場合があります。個人の体調の問題もあるので、必ず医師に確認したうえで行ってください。

会陰マッサージの方法

会陰マッサージの一般的な手順・方法と、慣れないときの方法についてご説明します。

<準備>
会陰マッサージの際には、植物性のオイルを使用します。主な植物性オイルには、ホホバオイル、オリーブオイル、カレンドゥラオイル、スイートアーモンドオイルなどがあります。
マッサージを始める前には、必ず手を清潔に洗いましょう。

<マッサージの手順と方法>
① 清潔にした指にオイルをつけます。
② オイルをつけた指を腟に3~5㎝(親指の第2関節くらいまで)入れ、腟の中から肛門方向にゆっくりと圧をかけます。

③ 次に、時計でいう4時から8時の方向にゆっくりと圧をかけていきます。

これを、5~10分ほど行います。
終わった後、オイルが気になる方は軽くふき取ってください。

<会陰ケアに慣れないときの方法>
①コットン2枚にオイルを浸します。
②1枚のコットンを腟に少し入れ、もう1枚は会陰の部分に当てます。
③ナプキンなどをあて、30分~1時間浸透させます。

終わった後、オイルが気になる方は軽くふき取ってください。

会陰マッサージの注意点

安全に行うためにも、マッサージを行う際は以下の注意事項を守るようにしましょう。会陰マッサージを行うときの注意点についてお伝えします。

爪に注意

爪が長いと、マッサージの際に腟を傷つけてしまう可能性があります。傷ができると、そこに細菌が入り込んで繁殖しやすくなるので、爪は必ず短く切って行いましょう。また、手についたバイキンが腟に入り込まないよう、マッサージの直前はきちんと手を洗うことも心がけてください。

ちなみに、マッサージのタイミングはお風呂あがりがおすすめ。温まると皮膚がやわらかくなるので痛みが少ないだけでなく、体をきれいに洗った後なので衛生面の心配も少ないです。

転倒に注意

会陰マッサージをする時期はお腹がかなり大きくなっているので、転倒にも十分注意してケアを行いましょう。椅子など少し高いところに片足を乗せると、マッサージがしやすいだけでなく、体のバランスもとりやすいです。この他、洋式の便座やバスチェアなど、濡れてもいい椅子に座って行う方法もあります。

まとめ

会陰マッサージは、分娩時の会陰の損傷をできるだけ少なくする目的で行います。マッサージをすれば100%会陰裂傷しなくなるわけではありませんが、伸びを良くすることで傷を小さくする効果や長期的な会陰の痛みを少なくする効果は期待できると考えられます。行う際は、かかりつけの医師に確認したうえで、適切な時期と頻度を守り、正しい方法でマッサージしましょう。お腹が大きいので、転倒にも十分注意してください。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)

参考文献
[*1] Beckmann MM et al;Antenatal perineal massage for reducing perineal trauma.Cochrane Databace Systematic Reviews 2013 Apr 30;4;CD005123.doi;10.1002/14651858.CD005123pub3

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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