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2023年08月14日 08:21 更新

一度なってしまうと治療が大変! プールや海にも入れなくなる「とびひ」の予防策とは?

暑い季節、子供がなってしまうと大変なのが、皮膚に細菌が入り込んでかゆくなり、周囲にどんどん広がっていくこともある「とびひ」。小児科医の森戸先生に、その予防策と対処法を聞きました。

最初はただのあせもや虫刺されだったのに…

(※画像はイメージです/PhotoAC)

夏、子供に多い肌トラブルのひとつが「とびひ」です。とびひの正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」。あせも、虫刺され、擦り傷などに黄色ブドウ球菌や溶連菌(溶血性連鎖球菌)などが入り込むことでできます。

じくじくしたり、水ぶくれができたりするタイプを「水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)」、カサカサしてかさぶたになるタイプを「痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)」と呼びます。

このうち、夏に起こりやすいのは水疱性膿痂疹です。黄色ブドウ球菌が作る表皮剥脱毒素が細胞と細胞をつなぐタンパクを切断するので水疱ができます。この水疱はとても破れやすく、中から浸出液が出てきてジクジクし、何もしないとどんどん広がります。

ですから、水疱性膿痂疹ができたらすぐに皮膚科か小児科に行きましょう。症状が軽い場合は抗菌薬とかゆみ止めの軟膏、重い場合は抗菌薬の内服薬と軟膏が出されます。患部をシャワーなどで洗って清潔を保ち、軟膏を塗り、ガーゼなどで覆っておきます。

かゆいからといって掻かないようにしましょう。まるで火事のように、少し離れた部分にも「飛び火」したようにできてしまうため、とびひと呼ばれているのです。

一方、痂皮性膿痂疹は、溶血性連鎖球菌が原因で起こり、季節はあまり関係ありません。赤く腫れて厚いかさぶたができ、痛みを伴います。症状がある場合は、皮膚科を受診しましょう。軽い場合は抗菌薬の内服、重い場合は抗菌薬の点滴や軟膏を使います。

「やさしく洗って薬を塗ってガーゼで保護」が基本

いずれにしても、とびひになったら、お風呂では湯船につかるのではなく、シャワーだけにしてください。多少しみる場合もあるとは思いますが、石鹸を使うのは問題ありませんから、丁寧にやさしく洗って清潔を保ちましょう。

登校や登園は、とびひ部分をガーゼで覆っておけば問題ありません。ただし、とびひが悪化してしまう恐れがあるので、しっかり治るまではプールや海、温泉などに入らないようにしてください。また、他の人にうつる場合があるので、家庭内でもタオルの共有などはしないようにしましょう。

とびひは、何度でもなることがあります。そして、一度なってしまうと治療が大変です。ですから、特に夏は以下のような予防策を行うといいでしょう。

・毎日シャワーを浴びるなどして肌の清潔を保つ
・汗はこまめに濡れタオルなどで拭く、または洗い流す
・あせもやおむつかぶれなどができたら早めにケアする
・虫除けスプレーなどを使って虫刺されを予防する
・蚊に刺されたら早めにかゆみ止めを塗る
・手を洗って清潔に保ち、爪は短く切っておく
・鼻の穴に指を突っ込まないようにする

さらにお子さん自身にも、虫刺されやあせも、傷などを放置したり掻きむしったりすると、その傷口からばい菌が入って「とびひ」になり、プールや海に入れなくなったり、より痛くなってしまうかもしれないことを教えてあげてくださいね。

参照)森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK』(内外出版社)

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