育児
子供の命を守るのに｢読み聞かせ｣｢ボール遊び｣が役立つ!? 安全のプロが伝えたい“0歳からできること”
新学期を迎え、早1ヶ月。入園・入学・進級をした子どもたちも新しい環境に慣れ始めたころですが、一方で気になるのが子供の安全。実は意外なものが子供の安全に関わっているってご存知ですか？ 今回は子どもの安全教育の専門家である、ステップ総合研究所所長 清永奈穂さんに「身近な安全教育」についてお聞きしました。
子どもが「身を守る力」はいつから身につく？
小学校に入学すると、今まで大人が送迎をしていた環境からガラリと変わり、子どもだけで登下校することになります。多くのご家庭では、その時期から子どもの安全を強く意識するようになるかも知れませんが、実はその前から準備は始まっているのです。
0歳から始まっている「犯罪から身を守る術」の習得
子どもが犯罪から自分の身を守るための力は、赤ちゃんから就学前までにある程度つけることができます。というのも、実は普段生活の中でしていることが、成長した時の「安全基礎体力」に繋がるのです。
例えば、赤ちゃんのころから絵本の読み聞かせをしたり、転がったボールを追うような遊びをしたりしていますよね。これは、しっかり前を見て歩く力や、危ないものをサッとよけたり逃げたりするような力に結びついているのです。
身を守る力、だけではない「知っていてほしいこと」
保護者は「子供の身を守るためにできること」を、子供には「自分の身を守るために気をつけること」を知っておいてほしいのですが、同時にもう一つ、伝えたいことがあります。
それは、「子どもを大事に思っていてくれる地域の大人の存在」です。
護身術やあやしい人への適切な対応を学ぶことも大事ですが、それだけではなく、「あなたの住む地域には信頼できる大人がいて、話しかけられずとも見守ってくれている人がいる」ことを子ども自身が知る……それが安全教育の第一歩だと、私は考えます。（清永奈穂）
※詳しくは下記の番組内でも解説しています。
Eテレ まいにちスクスク「赤ちゃんからの防犯教室」放送予定
今回お話を伺った清永奈穂さんが講師を務める番組が放送されます。お子さんがいるご両親・おじいちゃんやおばあちゃんはもちろん、子どもがいる地域にお住いの方々、そしてお子さん自身にも見ていただきたい内容です。ぜひご覧ください。
Eテレ まいにちスクスク「赤ちゃんからの防犯教室」
1. あぶない場所・人
初回放送：4月28日(金) 8:50～8:55
（再放送：5月1日(月) 11:20～11:25）
2. 歩くときに気をつけること
初回放送：4月29日(土)19:50～19:55
（再放送：5月2日(火) 11:20～11:25）
3. いざというときの対処
初回放送：4月30日(日) 19:50～19:55
（再放送：5月3日(水) 11:20～11:25）
（解説：清永奈穂、構成：マイナビ子育て編集部）
株式会社ステップ総合研究所所長
こども家庭庁こども家庭審議会基本政策部会臨時委員
日本女子大学学術研究員
教育学博士
2000年にステップ総合研究所を設立。犯罪、いじめ、災害などから命を守るための研究に取り組み、大学などの研究員や政府、自治体等の委員会委員なども務める。各地の自治体、幼稚園、保育園、小学校などで独自の体験型安全教育を行っている。著書に『犯罪から園を守る・子どもを守る』（単著 メイト社）、『犯罪からの子どもの安全を科学する』（共著 ミネルヴァ書房）、『いやです だめです いきません 親が教える子どもを守る安全教育』（著、岩崎書店）、『あぶないときは いやです、だめです、いきません 子どもの身を守るための本』（著、岩崎書店）、『おおじしん さがして、はしって、まもるんだ 子どもの身を守るための本』（著、岩崎書店）、『危険から身を守る 学校・通学路・遊び場・家』（監修／一部 岩崎書店）など。
