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2023年04月27日 06:30 更新

「子供に声をかけたら不審者扱いされるかも?」知っておきたい『瞬間ボランティア』になる方法

道端で泣いている子を見つけた時、街で迷子に遭遇した時、夜道を一人で歩く子を見かけた時、「大丈夫かな」「手助けしたい」と思いながらも「もし不審者だと思われたら…」と尻込みしてしまうこともあるでしょう。特に男性は難しさを感じがちですが、そんな時、できることはあるのでしょうか?

声かけ事案などを見るにつけ物騒だと思う反面、では本当に困っている子どもを見かけた時どうすべきなのか考え込んでしまいます。泣いている子がいたならば怪我をしていないか心配になり、迷子がいれば保護者を探してあげねばと思い、夜道を一人歩いている子がいたら無事家に帰れるのか不安になる……。

今回は子どもの安全教育の専門家である、ステップ総合研究所所長 清永奈穂さんに「見知らぬ子どものためにできる手助け」についてお聞きしました。

見知らぬ私、困る子ども……何も助けてあげられない?

「声をかけると不審者と思われるから何もできない」と思われるのかもしれませんが、声をかけなくてもできることがあります。

声掛けだけが助ける方法ではない

例えば、夕暮れや夜間に人気の少ない道を歩く子どもがいれば、「あの角を曲がるまで、あの子が無事に帰れるかちょっとだけ周囲を気にしてあげよう」と見守る。また、泣いている子どもがいても声をかけにくいのであれば、安全を確保しつつお巡りさんを呼んでくるなど、直接声をかけなくても何かしら子どもを助ける方法があるのです。

誰でもなれる「瞬間ボランティア」

警察はもちろん、学校の保護者のボランティア活動などで地域をパトロールし、子どもたちの安全を守っています。しかし、警察や親以外の人も安全を守る上で重要な役割を担うことができます。

先にも挙げたような「声をかけずに見守る行動」も重要ですが、不審者らしき人物が子どものそばにいたら、勇気を出して「この人は知り合い?」「警察を呼ぼうか?」などと声をかけることも大切なことです。

子どもの危険な場面に出くわしたら、即座に・自発的に手助けできる、そんな「瞬間ボランティア」の存在がどんどん増えていけばいいなと思っています。それを実現することが、子どもたちが犯罪の被害に遭わない温かい社会を創るための“ほんの小さな初めの一歩”なのです。

覚えておきたい「“見知らぬ人”助け」のコツ

瞬間ボランティアの役割を担う上で、いくつか覚えておきたいポイントがあります。
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・過ぎたお節介はしない
 (あくまでも“瞬間的”役割で、公的援助の繋ぎの立ち位置)
・お説教じみたお節介はしない
 (あくまでも“保護”。危険な状況で「止めなさい!」というのはOK)
・お金が関わるお節介はしない
 (お金を出してあげる、などは避ける)
・プライバシーに関わることには立ち入らない
 (個人情報を聞き出す、などはしない)
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幼児や小学校低学年の子ども、そして子ども以外にも障がい者や高齢者などを手助けする場面もあるでしょう。そういった人々に対しては特に、相手の不安を払拭するためにも、目線を同じにして柔らかい対応(微笑みながら注意する・話しかける)を心がけ、物理的な距離をもって接する(片腕を広げた程度の間を取る)といいでしょう。
(清永奈穂)

Eテレ まいにちスクスク「赤ちゃんからの防犯教室」放送予定

今回お話を伺った清永奈穂さんが講師を務める番組が放送されます。お子さんがいるご両親・おじいちゃんやおばあちゃんはもちろん、子どもがいる地域にお住いの方々、そしてお子さん自身にも見ていただきたい内容です。ぜひご覧ください。

Eテレ まいにちスクスク「赤ちゃんからの防犯教室」

1. あぶない場所・人 
初回放送:4月28日(金) 8:50~8:55
(再放送:5月1日(月) 11:20~11:25)

2. 歩くときに気をつけること
初回放送:4月29日(土)19:50~19:55
(再放送:5月2日(火) 11:20~11:25)

3. いざというときの対処
初回放送:4月30日(日) 19:50~19:55
(再放送:5月3日(水) 11:20~11:25)

(解説:清永奈穂、構成:マイナビ子育て編集部)

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