すみだブレインハートクリニック 玄哲樹先生｜地域での自分達の役割を考える

すみだブレインハートクリニックは地域に根ざした診療を行っており、お子様から高齢者まで幅広い患者さまがクリニックを訪れています。一方、心臓病や認知症などの専門的な診療を行っているのも特徴です。

当院では、内科や小児科など一般的なかかりつけ医としての役割だけでなく、心臓病や認知症の専門的な診療にも対応しています。日頃診療を行うかかりつけ医が、心臓や脳の病気といった専門的な病気の相談にも乗れるような形を理想としています。クリニックの診療を通して、地域の皆さんと身近に関わりながら、病気の予防や早期発見を目指していきたいです。

当院では、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の治療に力を入れています。これらの生活習慣病は、親御さん世代からみられることもあります。特に子育てをしていると、忙しくて自分の健康がおろそかになり、症状が進んでしまうケースもあります。生活習慣病が進行してしまうと、将来的な心臓病や認知症のリスクを高めます。生活習慣病への正しい情報発信を心がけています。

当院では、心電図やエコー検査、レントゲン検査、院内での血液/尿検査などの設備を揃えています。コロナウイルスのPCR検査についても院内で15分程度で結果を説明しています。検査結果は情報であり、鮮度が大切です。診察時に正確な診断を迅速に行えるように心がけています。

当院は発熱外来を行っており、全て個室で感染対策しています。コロナウイルス流行後に設計したからこそ実現できました。来院後にそのまま個室に案内し、個室で検査や診察、そのまま会計まで行います。他の患者さまとは全く接触する機会がありません。当院には小さい子どもも多く訪れます。赤ちゃんは免疫がまだ発達していないことも多く、クリニックで感染症をうつしてしまうことがないよう最大限留意しています。

とにかく情報を提供することを心がけています。血液検査やPCR検査はもちろんのこと、エコー検査や心電図など検査結果は全て患者さまにお渡ししています。一般診療の際は、カルテ内容も印刷してお渡ししています。患者さまの情報は患者さまのものだと考えており、情報を開示することを徹底しています。

当院は診療体制にLINEを活用しています。具体的にはLINEのメニューで予約やホームページの参照が可能であり、チャットで症状の相談を受け付けています。「咳が続いている」「薬を飲んだ後、このような状態になった」など、患者さんの症状に関するメッセージに対して、私や看護師が返信をおこなっています。患者さまが安心して加療できるだけでなく、受診の目安をお伝えできるきっかけにもなっています。

当院にかかっている親御さんが、お子さんや兄弟の受診で来られることもあります。子どもの受診は風邪などの感染症が多いので、毎月受診されるお子さんは少ないかもしれません。ですが、１人の患者さんが当院を信頼し、家族ぐるみの診療へ広がっていくと大きなやりがいを感じます。これからも、地域にお住まいのご家族のかかりつけ医を目指していきたいですね。

最後に子育て中の親御さんに向けてメッセージをいただきました。

当院では心臓の病気や認知症だけでなく、内科や小児科の診療もおこなっています。情報を正確に発信するよう検査結果やカルテをお渡ししています。LINEを活用し、子育て世代には利用しやすいシステムを整えています。感染予防に配慮して、十分なスペースを取って診療していますので、なにか症状がありましたら、ぜひご相談ください。

勤務医時代は当直もあり、自分の子どものことは妻に任せきりでした。仕事に慣れ、子育てに参加するようになると、色々な発見があるので面白さを感じています。
私は自分の子どもと話すときは、本人が話し終えるまでしっかり待つことを大切にしています。親御さんの中には忙しくて、子どもの会話を遮ってしまうこともあるでしょう。患者さんに対する診療も同じですが、しっかり話を聞いて、子どもも一人の人間として尊重するよう気をつけています。

（取材・文：株式会社メディコレ）