妊娠 妊娠
2022年12月01日 06:06 更新

パートナー以外との性交渉はハイリスク! 特に妊娠中には絶対に気をつけたい性感染症のこと

近年、性感染症の一つである梅毒が増えています。じつは梅毒、ヘルペス、クラミジア、コンジローマなどの性感染症のなかには感染すると完治しないものもあり、妊娠中に感染すると赤ちゃんに影響するものも。そこで、宋美玄先生に性感染症の予防や治療について聞きました。

完治しない恐ろしい性感染症もある

「梅毒が急増している」というニュースを目にした人も多いと思います。国立感染症研究所の調査によると2021年には、1999年に調査が始まって以来もっとも多い7,875人になりました[*1]。さらに今年は昨年にも増して梅毒感染者が多くなっています。過去のものだと思われた梅毒がこれほど流行するなんて、多くの方が驚かれたのではないでしょうか。

ただ、性感染症は梅毒だけではありません。クラミジア、ヘルペス、尖圭(せんけい)コンジローマ、HIVなどもあります。これらの性感染症も再び流行するリスクがあるため、梅毒と同様に注意が必要です。

もしかしたらなかには「性感染症になっても治療したら問題ないんじゃないか」と軽く考えている人もいるのかもしれません。でも、じつは治療で症状を抑えることはできても、一生完治はしない厄介な性感染症もあります。それに他人にうつしてしまうのですから恐れるべきでしょう。

また妊娠している女性がかかると、赤ちゃんに影響する性感染症もあります。例えば「先天性梅毒」になり、生まれつき目や脳、骨などに障害を負うことも。妊娠中に発見されれば治療を行うことができますが、かからないほうがいいですね。

そして性感染症は、誰もが他人事ではありません。オーラルセックスでうつるもの、コンドームでは防ぎきれないものもあります。だからこそ、できる限り予防すること、次に万が一にも感染したら早めに治療することが大切です。

さまざまな性感染症の種類と特徴

まずは、主にどんな性感染症があるのか、それぞれにどんな特徴があるのかを知っておきましょう。

梅毒

性行為などにより、梅毒トレポネーマという細菌に感染して起こります。健康に見える時期を挟み、段階的に症状が出るのが特徴です。第1期には感染部位にしこりやただれができ、第2期には広範囲に発疹が出て、第3期には心血管や神経に異常が現れることも。潜伏期には治ったように見えますが、医師の指示通りにペニシリン系の抗菌薬でしっかり治療し続けることが大切です。
母子感染しますが、妊娠中でも早期に適切な治療を始めれば、赤ちゃんへの感染を防げます。

性器クラミジア感染症

クラミジア・トラコマチスという病原体が、性行為などによって感染して起こります。男女ともに無症状なこともありますが、尿道や陰部にかゆみや痛みを感じる場合も多く、女性の場合はおりものの異常などの症状が出ることも。抗菌薬によって治癒可能です。
未治療のまま経腟分娩をすると、産道で母子感染し、新生児クラミジア結膜炎や肺炎などを引き起こします。陽性となった場合はパートナーも検査・治療を受けることが勧められます。

性器ヘルペスウイルス感染症

単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる性感染症。完治は難しく、コンドームで完全に防ぐことはできません。自覚症状がなくても患部に触れることで感染し、発熱や倦怠感、痛みとともに小さな水泡が繰り返し発生します。口、食道、目、脳などに感染することもあるため、抗ウイルス薬で増殖を抑える治療を行うことが大切です。
産道で母子感染するため、出産時には帝王切開になる場合もあります。

尖圭コンジローマ

主に性行為によってヒトパピローマウイルスに感染して起こる病気です。先が尖ったイボ状のしこりが性器の周囲や内部にできてしまいます。軟膏を塗る薬物療法もありますが、電気メスで焼くか切除する、または液体窒素で凍結させて除去するなどの外科療法がメイン。完治することはないので、出てくるたびに処置が必要です。
妊娠中に感染していると、場合によっては帝王切開になることも。男女ともにHPVワクチン(4価、9価)で予防することができます。

HIV

HIVウイルスに感染することで引き起こされる病気です。主に性行為によって感染し、初期こそ発熱や咽頭痛、咳や倦怠感などのインフルエンザに似た症状がありますが、その後は無症状になり、徐々に免疫が低下して5〜10年ほどで発症するのが特徴です。昔は死に至る病でしたが、現在は抗HIV薬を飲み続けて発症を抑えることで、健常時と変わらない生活と寿命が期待できます。
陣痛時の経胎盤感染や産道感染のリスクがありますが、治療や帝王切開によって赤ちゃんを守ることも可能です。

パートナーとの閉じた関係が大事

このような感染症は、基本的に「性行為によってうつる感染症」なので「性感染症」と呼ばれますが、これにはオーラルセックスも含まれます。最初にも述べたようにコンドームでは防ぎきれないものもあるので注意が必要です。

では、どうしたら性感染症にかからないで済むでしょうか? それはパートナー同士できちんと性感染症の検査をして、お互い以外と性交渉をしないことです。何度検査をしても、パートナーのどちらか、または両方が不特定多数と性交渉を持てば、ハイリスクということになります。

ちなみに「若い女性に梅毒が増えています」なんていわれることもありますが、若い女性が妊婦健診で、梅毒・クラミジア・HIVの検査をすることが多いため、見つかりやすいのだと思います。男性は20代以降の全世代にまんべんなく発生しています。

妊娠中の性感染症予防は、親だけでなく、おなかのなかの赤ちゃんを守るためにとても大切なこと。ところが、男性側が妊娠中の妻と同時に別の人と性交渉を持つと、妻子に多大なリスクを与えてしまうことになります。女性だけが気をつけるのでは、限界があるのです。

男女とも性感染症を防ぐためには、
①性交渉時にはコンドームをつける
②コンドームをつけるだけでは防げない性感染症があることを知っておく
③同じパートナーと閉じた関係を持つ(不特定多数と性交渉を持たない)

ようにしましょう。

また自覚症状があったら、他の人にうつさないよう性行為はやめ、女性は婦人科、男性は泌尿器科を受診してください。検査は偽陰性になることもあるため(感染しているのに、感染していないという結果が出ること)、パートナーが感染していた場合はペアで治療を受けることが大切です。それが何よりも性感染症を広げないコツと言えます。

(解説:宋美玄 先生、聞き手・構成:大西まお)

※写真はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

<講座開催!>いま知っておきたい「性感染症」

今回お話を伺った宋美玄先生が代表理事を務めるウィメンズヘルスリテラシー協会主催で、性感染症について学べる講座が開かれます。

テーマは、『いま知っておきたい「性感染症」』
崎山ゆかり先生(新宿レディースクリニック院長)と、“TENGAドクター”こと福元和彦先生(福元メンズクリニック院長)のお2人が講師となり、産婦人科医の視点、男性特有の病気を専門とするメンズヘルスの視点からみた性感染症についてお話されます。

キスやセックスなど性的な接触で感染する性感染症。2010年頃から増加傾向にあった梅毒の感染者は、コロナ禍で下火になったものの、今年の10月には過去最多を更新。公衆衛生上の大きな課題になっています。
梅毒もそうですが、性感染症の中には自覚症状がない、あるいは症状が軽いために感染していることに気づかず、大切なパートナーにうつしてしまうことも。
大切な自分のからだ、パートナーのからだを守るために、性感染症の基礎的な知識と、私たちに何ができるかを具体的な症例を含めて学べる機会です。

ハイブリッド開催なので、遠方にお住いの方や夜の外出が難しいママパパでも貴重なお話が聞けるのは嬉しいですね。ぜひチェックしてみてください!

日時:2022/12/16(金) 19:30〜
場所:銀座ユニーク 7丁目(中央区銀座7-13-15)
  ※オンラインとのハイブリッド開催
参加費用:会場参加 2,500円(先着20名)、オンライン視聴 2,000円
講師:崎山ゆかり先生(新宿レディースクリニック院長)、福元和彦先生(福元メンズクリニック院長)

▶︎イベント詳細・申し込みはこちら

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-