「紬」の意味と読み方例、男女赤ちゃんの人気&珍しい名前一覧、紬の名づけに込める願いや注意点
近年、名づけに使われる漢字で人気を着実に伸ばしてきた「紬」。ある調査では、女の子の名づけ人気ランキング1位になったこともあるほどです。男女どちらにも使いやすい「紬」の漢字の由来や名づけに対する思い、そしてほかの漢字との組み合わせや注意点などをまとめました。
「紬」の意味や読み方・画数・由来・願い
紬という漢字は「つむぎ」という音の響きのかわいらしさと少し古風なイメージとともに、糸へんの持つ結びつきや、長く続いていく印象を与えます。古風なイメージもあり、派手ではありませんが存在感を感じさせる名前です。
2022年秋の大ヒットドラマ『silent』で、主人公の名前が「紬(つむぎ)」だったこともあり、近年ますます名づけの人気が高まっています。
読み方(訓読み・音読み)
チュウ/つむぎ
画数
11画
部首
いとへん
漢字の成り立ち
由(チュウ)が音を表わし、引き出すという意からきている。繭から繊維を太く引き出してつむぐこと。
熟語例、使い方
紬績(ちゅうせき)・・・糸をつむぐ
紬の意味と由来
「由」が果実から溶けた中身を引き出すことを意味するので、「糸」篇と組み合わせることで、糸を引き出すことを指します。
また「紬」は絹織物の一種で、日本の伝統工芸品でもあります。
紬に悪い意味はある?
紬はもともと「くず繭」を使った普段着や作業着の着物でしたので、現在でも結婚式や入学式などのお式や、茶会格式のある場には着ていくことはできません。しかし紬を織るには高い技術と時間が必要で、経済産業省の「伝統工芸品」に指定されているものもあります。
また、紬の表面にある独特の凸凹や光沢を好む人も多く、江戸時代では紬は「ツウ」や「粋」の分かる人のオシャレ着として人気になりました。
紬は丈夫で何代にも渡って着ることができるので、長く大切に受け継がれる着物です。派手さはないものの、丈夫で気品のある着物ですので、名づけに使うことに問題はないと思われます。
紬がつく名前が人気の理由
音の響きがかわいらしく呼びやすい名前で、いつでも人気の「紬」ですが、キラキラネームのブームが過ぎ、少し古風な名前の人気が後押しをしています。その流れの中で、女の子の名付けには濁音が入る名前の「つむぎ」「ゆづき」「あんず」「しずく」など増えています。人気アニメの影響もあり「古風」な名前にまた注目が集まっているようです。
紬がつく名前の有名人
畠山紬(はたけやまつむぎ)/元子役・女優
三谷紬(みたにつむぎ)/アナウンサー
谷地重紬子(たにいけえつこ)/ピアニスト
琴吹紬(ことぶきつむぎ)/アニメ『けいおん!』キャラクター
「紬」を使った名前のトレンド
毎年、ベネッセ・たまひよが発表する、赤ちゃんの名前ランキング。2021年と2020年の結果には「紬」の漢字を使った名前、「つむぎ」と読む名前のいずれも高順位にランクインしました。以下に、詳細をまとめます。
2021年名づけ人気ランキングでの順位
「紬」(つむぎ)女の子3位
「つむぎ」女の子18位
「紬希」(つむぎ)女の子64位
「紬葵」(つむぎ)女の子81位
「つむぎ」読みランキング・女の子3位
「つむぎ」読みランキング・ジェンダーレス4位
2020年名づけ人気ランキングでの順位
「紬」(つむぎ)女の子9位
「紬希」(つむぎ)女の子38位
「つむぎ」女の子54位
「つむぎ」読みランキング・女の子10位
「紬」に込める願いや思い
紬を織り上げるには時間と根気が必要なので、何事もやり遂げる力を持つ人であって欲しいとの思いをこめることができます。また紬は丈夫な織物ですから、心身ともに丈夫で健康であるようにと願うこともあるでしょう。
紬という漢字は説明しやすく、読み間違いされにくい
「つむぎ」というだけで「紬」の漢字を思い起こすほど、ほかに代わりがなくわかりやすい漢字です。また、糸へんも、由も比較的簡単な漢字ですので、説明しやすい字だと言えるでしょう。
読み間違いについては、同じつむぐと読む字に「紡」があり、どちらも糸へんの漢字です。しかし音読みは「紡」(ぼう)なので、あまり間違えることはないでしょう。
「紬」を使った名前一覧(読み・字画数付き)
紬がつく女の子の名前
紬希子(つきこ)11+7+3=20画
七紬(なつ)2+11=13画
紬叶(ゆの)11+5=16画
紬稀(つむぎ)11+12=23画
紬月(ゆづき)11+4=15画
紬希(つき)11+7=18画
紬(ゆう)11画
七紬(なつ)2+11=13画
紬楓(ゆずか)11+13=24画
莉紬(りつ)10+11=21画
紬久実(つぐみ)11+3+8=22画
紬結(つゆ)11+12=23画
凜紬(りつ)15+11=26画
紬葉(つむは)11+12=23画
三紬紀(みつき)3+11+9=23画
紬がつく男の子の名前
莉紬(りつ)10+11=21画
紬生(ゆい、つむぎ)11+5=16画
衣紬(いつむ)6+11=17画
紬嵩(つかさ)11+13=24画
十紬(とむ)2+11=13画
一紬(いつ)1+11=12画
玲紬(れつ)9+11=20画
凪紬(なつむ)6+11=17画
紬生(つき)11+5=16画
吏紬(りつ)6+11=17画
紬生(つむき)11+5=16画
利紬樹(りつき)7+11+16=34画
紬太(ちゅうた)11+4=15画
紬公(つきみ)11+4=15画
永紬(なつむ)5+11=16画
莉紬人(りつと)10+11+2=23画
紬がつく名前の名づけのポイント・注意点
「紬」の名前を検討するときは以下のポイント、注意点を意識してください。
ポイント
紬の着物は、手間と時間とかけて織りあげたもの。見た目は派手ではないものの、耐久性に優れた織物であることから、大切な思いを名づけにこめることができます。また「紬」(つむぎ)と「紡」(つむぐ)はどちらも紡績に関する言葉ですが、意味が違うので気をつけましょう。
注意点
絹織物である紬には「大島紬」や「結城紬」などの伝統工芸品があります。名字によっては伝統工芸品と同じ名前になってしまうので、調べてから命名したほうが良いでしょう。
紬を意味する英語は?
紬は「pongee」と訳されることがありますが、元は中国の安価な絹織物を指す言葉でした。布の名前である「ポンジ」は、現在ではポリエステルの平織りの織物のことです。そのため今は「Tsumugi」と表記されることが多いそうです。漢字は違いますが、糸などを「紡ぐ」のは「spin」です。
まとめ
着物の「紬」が持つ地味だけれども丈夫で、高貴で品のあるイメージを込めた名前は素敵ですね。「つむぎ」の音の響きもいいので、ひらがなで付けるのもいいでしょう。ジェンダーレスな名前としても使えるので、今後ますます人気を集めそうです。