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2022年03月29日 12:41 更新

柿色(かきいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【柿色(かきいろ)】とは、柿の実のようにあざやかで濃い橙色(だいだいいろ)のことです。日本の伝統色である【柿色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【柿色】とは?

柿の実

柿色とは、柿の果実を思わせるような、あざやかな濃い橙色のことを言います。

色の名前 柿  色
読み方 かきいろ kaki-iro
英語  reddish-brown, yellowish-brown 
WEBカラーコード #de6a1c
CMYK C=0/M=68/Y=90/K=10
RGB R=222/G=106/B=28
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【柿色】の意味と由来は?

【柿色】は、果物の柿の実を思わせるような鮮やかな濃い橙色の色名です。柿は、カキノキ科の落葉樹で、弥生時代以降に桃などのほかの果物と一緒に大陸から伝わりました。現在は、沖縄県以外の日本各地に分布しています。

【柿色】は色名としても古い時代から存在していて、バリエーションもいくつかあるようです。たとえば、熟した柿の実を思わせるような赤みが濃い色を【照柿色(てりがきいろ)】と呼びます。また、【照柿色】のことを【柿色】と言う場合もあります。

さらに、柿渋で染められた色の系統として、渋い黄赤の【柿渋色(かきしぶいろ)】があります。これは中世からある色で、これも【柿色】と呼ばれることがあります。

そしてもうひとつ、柿渋と弁柄(べんがら)で染めた渋めの黄赤色。これは、歌舞伎役者の市川團十郎が代々用いた茶色を指し、【団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)】という別名で呼ばれています。

このように、いくつか種類のある【柿色】ですが、江戸時代以前には【柿色】は【渋柿色】を指していたようです。現在の柿の実を思わせるあざやかな濃い橙色が【柿色】と呼ばれるようになったのがいつかは、よくわかっていません。

【柿色】に合う色は?


 柿 色 
  かきいろ  


 瑠璃紺 
  るりこん  

【柿色】に合う色のひとつに【瑠璃紺(るりこん)】があります。瑠璃色がかった紺色、深い紫がかった青色の色名です。落ち着いた色同士なので、シックな配色になります。そのほか、「歌舞伎」の舞台の幕を思わせるような青みがかった濃い緑【萌葱色(もえぎいろ)】も相性がいいでしょう。

一方、明るい緑がかったあざやかな青色の【金春色(こんぱるいろ)】や、緑がかった淡い黄色の【蒸栗色】など、明るい色と組み合わせると、さわやかさやかわいらしさを演出することができます。

A traditional Japanese color "柿 kaki" is...

A traditional Japanese color "柿 kaki -means persimmon-" is the color name for a bright dark orange that reminds one of the fruit persimmon. The persimmon is a deciduous tree of the family Oysteraceae, which was introduced from the continent along with other fruits such as peaches after the Yayoi period (c. 300 BCE-300 CE). Today, persimmons are found in all regions of Japan except Okinawa Prefecture.

A "柿 kaki" color has existed as a color name since ancient times, and there are several variations. For example, a color with a deep reddish hue reminiscent of a ripe persimmon fruit is called "照柿 teri-gaki," which is also sometimes referred to as "柿 kaki" color.

There is another color system dyed with persimmon tannin called "柿渋 kakishibu," which is an austere yellowish-red color. This color has existed since medieval times and is also sometimes called "柿 kaki" color.

Another color is the austere yellowish red, dyed with persimmon tannin and bengara. This brown color was used by Kabuki actor Ichikawa Danjuro for generations, and is also known as "團十郎茶 Danjyuro-cha".

There are several types of "柿 kaki" color, but before the Edo period, "柿 kaki" color referred to "柿渋 kakishibu" color. It is not well known when the vivid dark orange color reminiscent of today's persimmon fruit came to be called "柿 kaki" color.

まとめ

【柿色】は、柿の実を思わせるようなあざやかな濃い橙色の色名ですが、柿色と呼ばれる派生色がほかにもあります。もっとももよく知られているのは、歌舞伎の舞台で使われる幕(定式幕=じょうしきまく)です。今も歌舞伎座で使われている定式幕は、黒・柿・萌葱の3色で構成されています。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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