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2023年02月10日 16:58 更新

灰色(はいいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【灰色(はいいろ)】とは、白と黒のちょうど間にある色。日本の伝統色である【灰色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【灰色】とは?

曇天の風景

灰色とは、白と黒の中間の色のことです。

色の名前       灰 色      
読み方 はいいろ hai-iro
英語 gray
WEBカラーコード #9f9d9a
CMYK C=0/M=3/Y=5/K=50
RGB R=159/G=157/B=154
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【灰色】の意味と由来は?

紙を燃やした後などに残る「灰」は、【白】でもなく【黒】でもないその中間の色をしていますね。【灰色】という名の由来は、その灰の色から来ています。

「火を起こして物を燃やす」ことは、人類がはるか昔から行ってきた行為ですが、その際に生まれる「灰」の色を日本で【灰色】と呼ぶようになったのは、明治時代になってからのことです。灰は火事など不幸な出来事を連想させるためでしょう、江戸時代には【鼠色(ねずみいろ)】という名前が使われていました。しかし、厳密に言うと【鼠色】と【灰色】は違う色で、【灰色】の方が【鼠色】よりわずかに明るめです。

【灰色】という名が使われたのは近代からですが、江戸時代には【白】と【黒】の中間色である【鼠色】とそのバリエーションが流行しました。幕府が庶民に贅沢を禁じ、着物に使える色を【茶色】と【鼠色】、【藍色】に制限したからです。【灰色】という名前ができる前から、庶民にとても親しまれていた色だったことは間違いありません。

【灰色】に合う色は?


灰 色
  はい いろ   


灰白色
 かいはくしょく 



灰 色
  はい いろ   


桃 色
  もも いろ  

無彩色である【灰色】は、同じ無彩色の仲間である【白】や【黒】や、類似の色である【鼠色】系との相性がぴったり。近い色同士でも、色の明度に差をつけるだけで、印象もかなり変わってきます。たとえば、【灰白色(かいはくしょく)】【白梅鼠(しらうめねず)】と組み合わせると、シックな中にもあたたかみを感じる色になります。

【灰色】はピンク系も相性がいい組み合わせ。鮮やかな【桃色】のほか、灰色がわずかに入った【灰桜(はいざくら)】【石竹色(せきちくいろ)】などを合わせると、女性らしくかわいい印象になります。

A traditional Japanese color "灰色 hai" is...

The ash that remains after burning paper is neither white nor black, but somewhere in between. A traditional Japanese color "灰 Hai -means ash-" comes from the color of the ashes.

Making fire to burn things is an act that humans have been doing for a long time, but it was not until the Meiji period (1868-1912) that the color of the ashes came to be called color "灰 Hai" in Japan. Perhaps because ashes are associated with fire and other unfortunate events, the color name "鼠 Nezumi -means rat-" was used in the Edo period. Strictly speaking, however, "鼠 Nezumi" and "灰 Hai" are different colors, and "灰 Hai" is slightly lighter than "鼠 Nezumi".

The color name "灰 Hai" has been used since modern times, but during the Edo period, the color "灰 Hai" and its variations, which is an intermediate color between "white" and "black," became popular. This is because the shogunate forbade the common people to be extravagant and limited the colors that could be used for kimonos to "茶 Cha (brown)," "鼠 Nezumi (gray)," and "藍 Ai (indigo). There is no doubt that this color was very popular among the common people even before the name "灰 Hai" was coined.

まとめ

【灰色】という名前は、明治時代から使われ始めたという比較的新しい色の名前です。子どもにはあまり人気のない色ですが、シックで都会的な色合いは、近代になってもたびたび流行する色。ママ・パパのクローゼットのなかにも、【灰色】のお洋服があるかもしれませんね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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