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2023年02月07日 12:29 更新

利休鼠(りきゅうねずみ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【利休鼠(りきゅうねずみ)】とは、緑みのある【鼠色(ねずみいろ)】のことです。日本の伝統色である【利休鼠】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【利休鼠】とは?

抹茶あんのお団子

利休鼠とは、緑みのある鼠色のことを言います。

色の名前 利 休 鼠
読み方  りきゅうねずみ rikyunezumi 
英語 greyish dark green
WEBカラーコード #9faa9a
CMYK C=15/M=0/Y=20/K=40
RGB R=159/G=170/B=154
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【利休鼠】の意味と由来は?

【利休鼠】は、茶道の千利休(せんのりきゅう)をイメージして作られた、緑みを感じる【鼠色】の色名です。

江戸時代に大流行をした【鼠色】の派生色のひとつで、「千利休が好む色」をテーマに考えられた色です。このテーマからは、ほかにも【利休柳(りきゅうやなぎ)】や【利休茶(りきゅうちゃ)】、【利休白茶(りきゅうはくちゃ)】など、多くの色が生れました。色名に「利休」が付いているのは、【抹茶色】のような緑を意味しています。緑と鼠色を合わせた【利休鼠】はおしゃれで渋く、粋なものを好んだ江戸っ子にはとても愛された色です。

なお、「利休が好む色」とされていますが、千利休は室町・桃山時代の茶人で、この色名が文献などで見られるようになるのが江戸中期ごろ。そのため、実際には利休とは直接の関係はなく、「その時代の染物屋または呉服屋が利休の名前を冠して流行色を作ったのでは?」と現在では考えられています。

【利休鼠】に関連する色

【利休鼠】の元となる色

【利休鼠】と同じ【鼠色】の派生色

【利休鼠】に合う色は?


利休鼠
 りきゅうねずみ 


千歳緑
 せんざいみどり 



利休鼠
 りきゅうねずみ 


朱 色
 し ゅ い ろ 

【利休鼠】に合う色のひとつに【千歳緑(せんざいみどり)】があります。【千歳緑】は、松の葉のような深い緑色です。緑みを含んだ利休鼠とは同じ系統の色なので、相性がよく、落ち着いた大人のイメージの配色になります。江戸っ子が好んだ「粋(いき)」も感じられるでしょう。

また、黄を帯びた鮮やかな赤色の【朱色(しゅいろ)】やカナリアの羽根の色を思わせるような少しくすみのある黄色の【金糸雀色(かなありあいろ)】などの彩度の高い色をポイントに使うと、引き締まって見えます。

【利休鼠】は安定感のあるので、多くの色と相性がいいと言えます。

A traditional Japanese color "利休鼠 rikyunezumi" is...

A traditional Japanese color "利休鼠 rikyu-nezumi" is the name of a greenish gray color inspired by Sen no Rikyu, the tea ceremony master. It is one of the "鼠 nezumi" colors (gray) that were very popular in the Edo period (1603-1867), and was created in the process of inventing a color based on the theme of "the color Sen no Rikyu preferred". There are many other derivatives of this color, such as "利休柳 Rikyu-yanagi," "利休茶 Rikyu-cha," and "利休白茶 Rikyu-haku-cha. The color name "利休 Rikyu" refers to the color "抹茶", which is green color of powdered green tea, and "利休鼠 rikyu-nezumi", a combination of green and gray, was a fashionable and austere color much loved by the Edo people, who loved stylish things.

Although it is said to be the color favored by Rikyu, Sen no Rikyu was a tea master of the Muromachi and Momoyama periods (latter half of the Azuchi-Momoyama period, approx. 1583-1600 CE), and this color name did not appear in literature until the middle of the Edo period. Therefore, it is not actually directly related to Rikyu, but rather "a dyer or draper of that era who named a fashionable color after Rikyu." It is now believed to be the case.

まとめ

【利休鼠】は、江戸時代に作られた千利休をイメージした緑みを感じる【鼠色】の色名でした。同じテーマで作られた色は多く、とくに江戸っ子には好まれた色でした。

また、北原白秋(きたはらはくしゅう)作詞、梁田貞(やなださだし)作曲の「城ヶ島の雨」という曲には「雨はふるふる城ヶ島の磯に 利休鼠の雨が降る」という一節があり、うら寂しい情景を表現する歌詞として【利休鼠」が使われています。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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