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2021年07月23日 16:01 更新

【医師監修】夜泣きの対策方法|対策グッズまとめ! 乳児・新生児向けの対策は?

大人も睡眠不足が続いて辛い、「赤ちゃんの夜泣き」。実はよかれと思ってしている対策が、かえって夜泣きを助長している場合もあります。1日も早く親子ともに安眠できるよう、夜泣き対策の基本と赤ちゃんの夜泣き対策に役立つ便利グッズを紹介します。

<森田麻里子先生からのアドバイス>
赤ちゃんが夜泣きすると、ママ・パパも睡眠時間を削られて疲れが取れず、日中赤ちゃんと一緒に過ごすのもますます大変になってしまいますよね。夜泣きは適切な対策により、改善することができます。赤ちゃんもご家族も元気に過ごせるよう、生活の中で工夫できることを試してみましょう。

効果的な夜泣き対策は「原因を知る」ことから

泣く赤ちゃん

実際、対策をとる前に、まずは夜泣きの原因として考えられることをチェックしておきましょう。

夜泣きの原因(1)睡眠の未熟さ

赤ちゃんは、生まれたときから大人のように夜まとまって眠れるわけではありません。生後間もない赤ちゃんの睡眠はこま切れで、昼夜関係なく「1~2時間の覚醒」と「1~4時間の睡眠」を繰り返します[*1]。

ここから少しずつ起きていられる時間は長くなり、また、夜にまとめて眠るようになっていくのですが、この移行期に睡眠と覚醒をうまく切り替えられないことがあります。また、授乳や抱っこなど特定の寝かしつけ行動と睡眠が強く結びついてしまい、授乳や抱っこでないと眠れない状態になってしまうこともあります。すると夜間に眠いけれど眠れないという状態になって、泣いてしまうのです。

夜泣きの原因(2)不快感

ある程度まとまって眠るようになっても、赤ちゃんは一晩中ぐっすり寝ているわけではありません。ふと目を覚ますこともよくあり、このタイミングで不快なことがあると夜泣きにつながります。

「暑すぎる」「寒すぎる」ということがないように、寝室の温度や湿度は快適に過ごせる範囲に保ちましょう。また、照明は消して暗くしておきます。寝室は静かな環境にして、騒音や物音が聞こえないよう、窓やドアを閉めるなどできるだけ工夫してください。

また、赤ちゃんはお腹に空気が溜まって苦しくて泣くこともあります。授乳によってお腹が張っているようであればゲップをさせてあげましょう。便秘気味のときにお腹が張ることもありますが、その場合は日中に便秘対策が必要です。くわしくは下記の記事を参照してください。

夜泣きの原因(3)日中の刺激

遠くまでお出かけした日、いつもとちがうことがあった日など、「日中に刺激を受けすぎた」ときも夜泣きをすると言われています。

赤ちゃんは日中に興奮しすぎると夜中に睡眠が浅くなりやすく、夜泣きにつながってしまいます。また疲れすぎると寝つきも悪くなります。疲れれば疲れるほどよく眠ってくれる、というわけではないので日中遊ばせる際は適度な活動量になるよう気をつけてあげましょう。

夜泣きの原因(4)空腹

「生後2~3週目、6週目、3ヶ月ごろ」は赤ちゃんが急成長する時期と言われています[*2]。そのため、この時期には母乳やミルクが急に足りなくなり、夜間に空腹になって泣くことがあります。この場合は、夜の授乳で満足できるまで飲ませてあげましょう。

授乳をしたら「赤ちゃんが眠ってしまう前に」ベッドに寝かせることを意識すると、後々の睡眠トラブルを防ぎやすくなります。

原因が特定できないことも多いので追及しすぎない

夜泣きの原因ははっきりわからないことも多いものです。まずは、ここまでで紹介した原因のなかに当てはまるものがないかチェックしてみてください。それでも泣き止まないときは、あまり原因の特定にこだわらないようにしましょう。

不快感や空腹で泣いているのでなければ、時には見守ることも必要になります。赤ちゃんが泣き続けているといたたまれない気持ちになるかもしれませんが、「泣くのが仕事」とよくいわれるように赤ちゃんにとって泣くのは普通のことです。「親なのに泣き止ませられない」、「あやし方が下手なのでは」などと自身を責める必要はありません。

日中にできる夜泣き対策

外出中の乳児

夜泣き対策として、まず試してみてほしいのが「日中できること」。赤ちゃんが夜泣きし始めたら、次のことに注意してみてください。

早起きさせる

昼夜のメリハリをつけて、赤ちゃんに1日のリズムを教えてあげましょう。人間の体内時計のリズムは、放っておくと遅寝遅起きになりやすいと言われています。

このリズムを整えてくれるのが「日光」です。生後3ヶ月頃を過ぎたら、まずは朝起こす時間を決めて、いつもその時間に優しく起こし、起きたらカーテンをあけて日光を浴びるようにしましょう。

日中に軽い運動をさせる

日中は活発に、夜は静かに過ごすことで昼夜のメリハリをつけていきましょう。まだ自力で動けない赤ちゃんでも、生後2ヶ月を過ぎるころには首を動かしてママを目で追うようになります[*3]。

また、このころにはあやすと笑うようになり、「あー」「うー」などの喃語も出てきます。起きているときは話しかけてあやすほか、赤ちゃん体操などの軽い運動をさせましょう。

なお、指しゃぶりは赤ちゃんのころは発達の過程で起こる自然な行為なので、始めたらそのままやらせていて大丈夫です。このころの指しゃぶりは、夜自分で寝つくことにも役立ちます。

日中に太陽の光を浴びせる

朝起きたときだけでなく、午前中はなるべく日光を浴びるようにしましょう。生後1ヶ月を過ぎたら、気候のいい時期は軽い散歩に出かけるのもいいでしょう。

夜泣きしたときの対策・対処法

ベビーベッドで泣く赤ちゃん
Lazy dummy

夜泣きが始まったら、次のように対処していきましょう。

すぐに対処せず少し様子を見る

赤ちゃんは「寝言」で泣くことがあります。寝ていると思っていたのに、突然「ギャー」と大声で泣くことも。そこですぐに抱き上げてあやすと、赤ちゃんを起こしてしまい逆効果に。

何もしなくてもすぐに泣き止んで眠りにつくことも多いので、急いで対処しようとせず、少し様子を見てみましょう。新生児は30秒くらい、1ヶ月以降は1~2分を目安にしてください[*4]。

泣いている理由がないか確認する

少し待っても泣いていたら、泣いている理由がないか確認を。まずオムツを見て、おしっこやうんちが出ていないか確認します。オムツが汚れていなければ、室温や体調、お腹が空いていないかなどを確かめてください。

抱っこしてあやす

パパに抱っこされる赤ちゃん

寝ていた赤ちゃんをすぐに抱っこしてあやすと、抱っこしないと眠れない、という習慣がつきやすくなってしまいます。まずは抑揚のない淡々とした声で「大丈夫だよ」「ねんねだよ」などと声をかけて、「”抱き上げずに”胸のあたりをトントン」してみてください。それで泣き止まなければ、「座ったまま抱っこ」します。

なお、寝かしつけるときはできるだけ刺激を与えない方がいいので、日中のように目を合わせてあやしたり笑いかけたりする必要はありません。それでも泣き止まなければ、立ち上がって部屋の中を歩いたり、やさしく揺らしてみたりしてみてください。

生後3ヶ月を過ぎたら、できるだけ声かけやトントンで落ち着かせるように心がけ、抱っこは必要最小限にしましょう。抱っこをしてもなかなか泣き止まないなら、赤ちゃんが必要としているのは抱っこではないと考えられます。数分抱っこしても泣いていたらベッドに寝かせて、声かけやトントンをするか、見守ってください[*4]。

おっぱいやミルクを与える

授乳で泣き止む赤ちゃんもいますが、これはなるべく最後の手段にしましょう。生後3ヶ月を過ぎたら、空腹時以外に寝かしつけのために授乳をするのは少しずつ控えていきます。

授乳と睡眠が結びついて習慣になってしまうと、目が覚めたときにお腹はすいていないのに授乳によって眠りにつきたくて泣いてしまい、悪循環になってしまうこともあります。

ホワイトノイズを聞かせる

生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、「ホワイトノイズ」を聞くと安心することがあります[*4]。ホワイトノイズはテレビの砂嵐や換気扇、空気清浄機などのザー、ゴーという音。

抱っこや授乳で泣き止まず何か試してみたいときは、これを聞かせてみるのも一案です。インターネットで検索するとさまざまな音源がみつかります。ただし、ホワイトノイズ以外の音がでるおもちゃなどはかえって刺激になることもあるので、夜泣き対策ではおすすめできません。

新生児・乳児の夜泣き対策グッズ

夜泣きの対処として、最終的に見守ることも間違いではありません。でもご近所のことも気になり、早く泣き止んでほしいときもありますよね。最後に夜泣き対策に役立つグッズをいくつか紹介します。

ホワイトノイズの出るマシン

最近では、赤ちゃんが落ち着くホワイトノイズや胎内音が流れるマシンがあります。こうした機器をベビーベッドの外側に置いておき、ふいな物音で赤ちゃんが起きないように、眠っている間はホワイトノイズをかけっぱなしにしておく使い方がおすすめです。

なお、ホワイトノイズの出るマシンはぬいぐるみ型も多いのですが、窒息事故の予防のために、こうした機能付きのものであっても、ぬいぐるみは赤ちゃんのベッドの中や寝床の近くには置かないようにしましょう。

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<上記は製品の一例です>
※紹介している製品を推奨したり、効果を保証するものではありません。
※使用する際は、製品添付の説明書をよく読んでから使用してください。

赤ちゃんを落ち着かせる「おしゃぶり」

おしゃぶりにはメリット・デメリットがありますが、「お昼寝のときだけ」「夜の就寝時だけ」など場面を区切って、低月齢のうちに使うのは選択肢の1つです。眠りかけに外れて目が覚めることもありますが、寝返りしても外れにくい工夫がされた入眠のためのおしゃぶりもあります。

なお、おしゃぶりは寝かしつけに役立ちますが、あまり早いうちから使用すると、赤ちゃんが「ママの乳首とおしゃぶりで混乱し授乳がうまくいかなくなる」可能性もあります。そのため、母乳育児の赤ちゃんでは、ママのおっぱいに慣れて上手に母乳を飲み取れるようになる、およそ生後3〜4週すぎから使用することが勧められています。

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※使用する際は、製品添付の説明書をよく読んでから使用してください。

揺れが眠りを誘う「バウンサー」

夜泣きにつき合うのは大変で、赤ちゃんを抱っこして揺らしたくても、パパやママはもう限界というときがあります。そんなときは赤ちゃんを心地よく揺らしてくれる「バウンサー」に頼っても。

新生児から使えるタイプや、自動で揺らしてくれる電動タイプもあります。基本的に日中に使うものですが、どうしようもないときには一時的に使ってもいいでしょう。ただし、目を離す際は必ずいつものベッドやお布団に戻してあげてください。夜はいつもベッドや赤ちゃん専用の布団で寝つかせるようにした方が、睡眠の問題が解決しやすいことも忘れないでくださいね。

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抱っこをラクにする「抱っこグッズ」

「抱っこ紐」「抱っこ布団」「腕に通す補助ベルトつき枕」などの抱っこグッズも基本的に日中に使うものですが、夜泣きで抱っこが辛いときには使ってみても。

ただし、SIDS予防のために、これらを使っている間は目を離さないでください。

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まとめ

見つめあう赤ちゃんとママ
Photo by Ana Tablas on Unsplash

夜泣き対策の基本と便利なグッズを紹介しました。赤ちゃんがどうして夜泣きをしているのかは、わからないことも少なくありません。でも、成長とともに夜泣きはなくなっていくものです。睡眠不足での育児はとても辛いものですが、無理をせずできることから取り入れてみてくださいね。

(文:佐藤華奈子/監修:森田麻里子先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]未就学児の睡眠指針
[*2]水野克己「これでナットク母乳育児」(へるす出版)p.58 [*3]乳幼児版 目の健康「チェックシート」 - 日本視能訓練士協会
[*4]森田麻里子・星野恭子:医者が教える赤ちゃん快眠メソッド,ダイヤモンド社, 2020

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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