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2021年04月12日 16:20 更新

妊婦がグレープフルーツを摂りすぎるリスクと1日の目安摂取量【管理栄養士監修】

さわやかな香りと酸味があり、ビタミンCやクエン酸などの栄養成分の補給もできるグレープフルーツ。妊婦さんがたくさん食べてもいいのでしょうか? グレープフルーツの良い点や、食べる際の注意点についてまとめました。

妊婦にうれしいグレープフルーツの栄養と効果

グレープフルーツには、ビタミンC・カリウム・クエン酸・葉酸などの、妊婦さんが摂りたい栄養素が豊富に含まれています。

健康に欠かせない 「ビタミンC」

ビタミンCは酸化防止作用があります。タバコや紫外線などからいろいろなダメージから、細胞を守る作用です。ほかにも、皮膚の治癒に欠かせないコラーゲンを生成するためにもビタミンCを必要とします。また、ビタミンCは植物性食品からの鉄の吸収率もあげます[*1] 。

グレープフルーツ1個で1日分のビタミンCの2/3を摂ることができます。加熱しないで食べることができるので、無駄なくビタミンCが摂取できるのがいいですね[*2]。

貧血対策に役立つ「クエン酸」

クエン酸は「すっぱい」と感じる酸味の成分です。この酸味が胃の粘膜を刺激して、胃液の分泌が良くなり、鉄の吸収率もアップします。サラダにグレープフルーツを混ぜたり、肉料理にグレープフルーツソースをかけたりすると、 貧血の予防にも役立ちますね[*3]。

赤ちゃんの成長を助ける「葉酸」

葉酸は、胎児の神経管形成に関与していると考えられており、妊娠中は葉酸をより多く摂取するように推奨されています[*4]。グレープフルーツ1個で、約31μgの葉酸が摂取できますが[*2]、妊婦さんの1日当たりの葉酸の推奨量には及びません。

とくに妊娠初期は葉酸を多く摂りたいので、葉酸サプリを使うこともおすすめします。

妊娠中の葉酸についてはこちらの記事もご覧ください
▶︎妊娠すると葉酸が必要? 十分に摂りたい時期とその方法
▶︎妊娠中期以降も葉酸は必要? 葉酸サプリの摂り方と選び方

妊婦がグレープフルーツで注意するポイントは?

つわりで食欲がなくても、グレープフルーツは食べられたという体験談をよく聞きます。さっぱりとして、食べやすいグレープフルーツは、たくさん食べても大丈夫なのでしょうか?

防腐剤(防カビ剤)対策のため食べる前によく洗う

防カビ剤が使用されていない国産グレープフルーツなどもありますが、船便で輸入される外国産の柑橘類は防カビ剤が使用されています。日本に到着するまでに時間がかかり、長時間の運搬・貯蔵中にはカビが発生するので、それを防ぐためです

防カビ剤は主に皮に残りますが、よく水で洗うことで約30%~70%除去することができるというデータがあります。食べる前に表面をよく洗うといいですね[*5]。

グレープフルーツジュースは果汁100%ものがおすすめ

グレープフルーツジュース には、果汁100%のものや、糖類が加えられたものなどがあります。濃縮還元のジュースには砂糖を加えることが許されているので、表示をよく見て、糖分添加のないストレートタイプを選べるといいでしょう。

服薬している薬によっては医師に確認が必要

一部の医薬品は、グレープフルーツジュースを飲むと効果が強く出たり、副作用が現れやすくなることが分かっています。グレープフルーツジュースと同様にグレープフルーツそのままでも注意が必要なので、服薬している薬がある場合は医師に相談しましょう。

妊娠中のグレープフルーツに関するよくある疑問

グレープフルーツは輸入品が多いですが、年中市場に安定的に供給されています。果肉が白黄色の「ホワイトマーシュ」、赤みがかった「ルビー」「スタールビー」などがあります。好みにあわせて選んでいいいでしょう。ここではよくある疑問についてお答えします。

妊婦が食べていいグレープフルーツの量は?

さっぱりとしていて、たくさん食べすぎてしまうこともありますが、他の食品もバランスよく食べるためにも、1日1個(可食部200g)くらいがいいですね。

妊娠するとグレープフルーツが食べたくなるのはなぜ?

妊娠によってホルモンのバランスが変化し、環境や精神的なものの変化によって、味覚が変わり、「すっぱいものが欲しくなる」妊婦さんもいます。妊娠してから嗜好が変わったという妊婦さんも少なくないようです。

食欲がなかったり、つわりで気分がすぐれないときでも、グレープフルーツを食べることで口の中がすっきりしたり、さわやかな香りでリラックスできるから、食べたくなるのかもしれませんね。

まとめ

妊娠による味覚の変化で、すっぱいものが食べたくなり、グレープフルーツを食べることも増えると思います。妊婦さんに必要なビタミンC・カリウム・クエン酸・葉酸などの補給もできますね。手軽に飲めるジュースもありますが、だらだらと食べ続けると、口の中が酸性に傾き、酸蝕歯(さんしょくし:酸で歯が溶けてしまうこと)も気になりますので、1日に1個を目安に取り入れてみてくださいね。

(文:三浦真由美 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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