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知らないひとからお金が振り込まれたらどうすれば良い?「使うと横領罪になることも」

家賃から通信販売まで幅広く利用されている銀行振り込み。手軽で確実な方法だが、口座番号を間違えてほかのひとに送ってしまわないかと心配になるひとも多いだろう。

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ある日、まったく知らないひとから大金が振り込まれていたら、どうすれば良いのか? 自分の口座にあるお金だから私のものだ!と言いたくなるのが人情だが、振り込まれるはずのないお金だけに、そのままにしておくと「横領」や「詐欺(さぎ)」と扱われることもある。

払い戻して使ってしまおう!などとは決して考えず、銀行に連絡して「組み戻し」してもらわないと、自分が罪に問われる可能性もあるのだ。

振り込まれたお金は「落し物」扱い?

たとえ自分の銀行口座でも、知らないひとから振り込まれたお金、つまり振り込まれるはずのないお金は、自分のもの」ではない。ラッキー!と思って使ったり払い戻したりすると、3通りの罪に問われる可能性があるので注意が必要だ。

まずは遺失物横領(おうりょう)罪だ。これは刑法254条によって定められ、

・遺失物

・漂流物

・その他占有を離れた他人のもの

が対象となり、自分のものではない物を「遺失物」と表現している。

間違えて振り込まれたお金は、「遺失物」として扱われるのか? 明らかに自分のものではない物=遺失物と解釈することも可能で、本質的には街中で拾ったお金と変わりがない。つまり、振り込まれるはずのないお金は、誰かの「遺失物」とも表現できるのだ。

たとえ遺失物にならなくても、刑法252条によって「横領罪」に問われる可能性がある。原文には「自己の占有する他人の物を横領」と記され、つまりは「自分が管理できるところにある、他人の物」が対象となるので、

・自分が管理できるところ … 自分の銀行口座

・他人の物 … 間違えて振り込まれたお金

と置き換えることができる。払い戻しをすれば、「使おうとした」「自分のものにしようとした」と受け止められても反論の余地はないので、絶対しないことをお勧めする。

振り込みを取り消す「組み戻し」で解決

3つめの解釈は「詐欺(さぎ)」だ。刑法246条をざっくり表現すると「ひとをダマしてお金や物を得る」行為で、「他人のお金なのに、銀行をダマして自分のものにした」とも解釈できるからだ。払い戻しても、ほかの口座に移しても、バレないはずがない。

実際にサギとして扱われた例もあり、横領よりも重い罪に問われるので、チャレンジしないほうが身のためだ。

もし「間違え振り込み」されたら、どうすれば良いのか? 宝くじに当たったような気分になるかもしれないが、素直に銀行に連絡し「組み戻し」してもらうほか道はない。

組み戻しとは、振り込みの手続きが完了したあとに、依頼者の都合で撤回する手続きを指す。大別して、

・振り込み先が存在しない(書き間違えを含む)

・誤った振り込み先を指定した

の2種類があり、今回のテーマはまさしく後者だ。

本来は、振り込み依頼者がミスに気づく→銀行に連絡→銀行から受取人に連絡、の流れだが、「身に覚えのないひとから振り込まれた」と伝えるだけで十分だろう。返却に応じる旨を伝えれば、あとは銀行と依頼者の処理となるので面倒もない。

もし返却に応じない、つまり「これは私のお金だ!」なんてゴネても、3パターンのどれかの罪に問われる可能性が高いのでご注意を。

まとめ

・身に覚えのないお金が振り込まれたら、払い戻しは厳禁

・「落し物」または「誰かのもの」と判断されれば、横領罪になる

・「銀行をダマして払い戻した」と解釈されると、詐欺罪に問われる

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年12月23日に公開されたものです

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