心に灯がともるような温かい気持ちに包まれるシーズンですが、この時期のウィーンは氷点下にもなるほど極寒なので、旅支度はぬかりなく、完全防寒スタイルが絶対! まず厚手のコートは、腰をしっかりと覆ってくれる腰丈以上のダウンジャケットが理想です。ウィーンには、質が良くデザイン性の高い防寒着がたくさん売られているので、日本から着ていったコートで寒さをしのげない場合は、現地調達もアリ。マフラーやニット帽、手袋も必須です。雪道を歩くことになるかもしれないので、足元はミディアム丈以上で、滑らないようなゴム底のブーツを履くようにしましょう。これならウィーンのホワイトクリスマスを快適に楽しめるはず!
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ウィーンのクリスマス・マーケットは11月中旬から始まり、ほかの国よりも長い期間楽しめるのが特徴です。市内のあちこちで開かれ、大規模なものだけでもなんと20カ所以上! 1,000軒にもおよぶデコレーションされた屋台が街を彩り、賑やかな雰囲気に包まれます。マーケットは昼から開いていますが、本番はやっぱりイルミネーションが輝きを放ちはじめる夜! ウィーンの人々が一年で最も楽しみにしている季節なので、地元の人に交じって本場のクリスマスを楽しめるのが素敵です。
マーケットごとにカラーが違うので、はしごしてみるのがおすすめ。まずは、絶対に訪れるべき代表的なクリスマス・マーケットを3つご紹介します。
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ウィーンのクリスマス・マーケットといえば、数世紀にわたるハプスブルク帝国の華やぎが広がる「シェーンブルン宮殿」の工芸品市・クリスマス・マーケット。この宮殿はハプスブルク家歴代の君主が使用した夏の離宮で、ウィーンを代表する観光スポットです。ライトアップされた趣深い宮殿を背景に、巨大なクリスマスツリーを取り囲むように開かれるマーケットは、荘厳な美しさ。クリスマス・コンサートが盛大に開催され、古き良き時代のクリスマス市さながらの雰囲気が楽しめます。屋台には、伝統的な工芸品や手作りのオーナメントがずらり。ほかのマーケットよりグルメやドリンクも洗練された印象で、エレガントさはピカイチです。
2017年11月18日~12月26日に開催。
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ウィーン最大の規模を誇り、最も華やかでエンタメ性の高いクリスマス・マーケットがこちら。ライトアップされたウィーン市庁舎前の広場で行われ、入口ではロウソクで彩られた高いアーチがお出迎え。毎年各州持ち回りでプレゼントされる立派なクリスマスツリーも見どころで、広場には約150の屋台が立ち並び、バラエティに富んだ雑貨やグルメが楽しめます。マーケット周辺と、市庁舎前公園を舞台とする「クリスマス・ドリーム」には、約4,000 m²のアイススケートリンクが出現! メリーゴーランドやトナカイのおとぎ列車なども登場し、まるでおとぎの国に迷い込んだようなメルヘンチックさを堪能できます。
2017年11月18日~12月26日に開催。
© WienTourismus_Christian Stemper
オリジナルの美しい手工芸品が多く並ぶのが、ドーム型の教会があるカールス広場のクリスマス・マーケット。ガラス細工や木工品、その場で作ってくれるアクセサリーなど、ハンドメイドな工芸品が揃うので、一風変わったおみやげや自分へのご褒美探しにもピッタリ。動物ふれあいコーナーやポニー乗馬など、子どもが喜ぶアトラクションも多いので、家族連れも多くほっこり癒されます。アート・インスタレーションやライブ、大道演劇など楽しいイベントも目白押し。また屋台で売られているバラエティに富んだスナック類は、全てバイオ認定の食材を使用しているそう。
2017年11月17日~12月23日に開催。
クリスマス・マーケットには、日本では出会えないようなプレゼント用品やツリーに飾る色とりどりのオーナメント、蜜蝋のロウソクといった雑貨類がたくさん売られているので、眺めながらのぶらぶら歩きは時間を忘れてしまうほど。そんなマーケット散策で、寒さ対策に欠かせないのがホットワインです。冷えた身体を温め、ほどよい甘さで何杯も飲んでしまう味わいで、ソーセージなどの多彩な屋台グルメとの相性も抜群。お祭りムードに包まれたきらびやかな街角で、地元の人とホットワインを飲み交わすのも、この時期ならではの楽しみといえそう。
かつてヨーロッパ最大の帝国、パプスブルク家があったウィーンは、"美食の街"としても知られています。帝国時代に、さまざまな地方の食文化が集められ、洗練されたウィーン料理として発展。実は、都市の名が料理のジャンルになっているのは、世界でウィーン料理だけなんです。
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ウィーンの伝統料理の中でも、「ウィンナーシュニッツェル」は、オーストリアを代表する料理のひとつ。丁寧にミートハンマーで叩いて柔らかくした仔子肉に衣をつけて焼き揚げたウィーン風カツレツで、ウィーンのほとんどのレストランやカフェでいただける定番の人気メニューです。
ウィーンのレストランは格式が高く、レベルは高いのですが、ヨーロッパのほかの国よりも比較的手ごろな価格で味わえます。マナーとしては、布製のテーブルクロスやナプキンが用意される、格のあるレストランではチップを若干多めに払うのがよいでしょう。ドレスコードはそこまで厳しくありませんが、高級ホテルや星付きのレストランには、普段よりワンランク上の服装で出かけた方が安心です。また街のあちこちにソーセージスタンドが点在していて、スナック感覚で気軽に高級ソーセージが味わえるのも大きな魅力。
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19世紀に最盛期を迎え、100年以上も根付いているのがウィーンのカフェハウス文化。2011年にはオーストリア無形文化遺産にも登録されました。街のあちこちに女ゴコロをくすぐる雰囲気たっぷりのカフェが数多くあり、どこに入るか目移りしてしまうほど! コーヒーの種類も豊富で、濃さや、ミルクやリキュールなどのトッピングの違いで実に20種類以上のメニューがあるんです。ぜひ味比べして、自分好みの一杯を探してみて。
スイーツといえば、チョコレートケーキの代名詞とも言える「ザッハートルテ」や、オーストリア版のアップルパイ「シュトゥルーデル」が有名。日本でもおなじみのザッハートルテですが、このお菓子を巡って、かつて争いが起きたことをご存知ですか? それはウィーンの名門ホテル「ザッハー」と、王室御用達の菓子店「デメル」による商標争いで、判決が出るまでに7年もかかったんです。裁判の結果、どちらも生産販売は許可されたものの、ホテルのものを「オリジナルのザッハートルテ」と呼び、デメルのものを「デメルのザッハートルテ」 と呼ぶことになったのだそう。この論争は「甘い七年戦争」と言われ、いまだ伝説として語られ続けています。そんな伝統のスイーツ、ぜひ本場で味わってみたいですよね。
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ウィーンは帝国時代からの歴史的建造物や文化遺跡が数多く点在し、ヨーロッパの中でも古い街並みが非常に良い保存状態で残っています。どこを切り取ってもフォトジェニックなウィーンのなかでも、群を抜いて写真映えする"素敵スポット"がこちら!
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旧市街地の中央にあるシュテファン大聖堂から西に延びるグラーベン通り。通りの真ん中に立つペスト記念碑など、歴史を感じるモニュメントがたくさんあり、まるで中世にタイムスリップしたような趣のある雰囲気。また通り沿いにはテラス席のあるレストランやカフェ、ブティック、ギャラリーが立ち並びます。クリスマスシーズンは、大きなランプが吊り下げられているような圧巻のスケールのイルミネーションが施され、ため息が漏れるほどの美しさ!
© クロリサ
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どこを撮っても何を撮っても絵になるウィーン。そんなウィーンの街で撮った写真はインスタ映え必至です。写真を見ているだけでもウットリ夢心地になりますが、実際に訪れれば、想像以上の極上の体験が待っているはず!
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ヨーロッパの中央に位置するオーストリアの首都ウィーンは、17世紀以降、中欧文化の集積地として、ユニークな文化が育まれてきました。ハプスブルク帝国ゆかりの名所が数多く残り旧市街は、人気の観光スポット。世界屈指の「音楽の都」としても知られ、世界3大オペラ座に数えられるウィーン国立歌劇場があるなど、音楽好きにはたまらない街でもあります。一年中魅力が尽きないウィーンですが、1年で一番華やぐのがクリスマスシーズン。冬の風物詩「クリスマス・マーケット」をはじめ、イルミネーションで彩られたロマンチックな世界に様変わりし、訪れた人を魅了しています。今冬は日本を飛び出して、非日常体験ができるウィーンで極上のクリスマスを満喫しませんか?