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2024年01月04日 08:27 更新

アルコール依存症についてどれだけ正しく知っている?「誰でもなりうる病気」と認識している人は半数以上に

コロナ禍が明け、さまざまな場面でお酒を飲む機会も増えてきています。そんななか、飲酒で注意したいのがアルコール依存症です。アルコール依存症は誰もがかかる可能性のある病気だということをご存じでしょうか。従来のイメージにとらわれたりしていませんか? 今回は最新の世論調査で人々の意識がどうなっているのか、ご紹介します。

仕事や家事、育児に忙しいなか、晩酌が楽しみという人も少なくないでしょう。お酒は自分に合った適量を楽しむ分には問題ありませんが、あまり飲み過ぎてしまうと、健康上の心配も生じてきます。アルコール依存症もその一つですが、あまり身近に感じにくい人が多いかもしれません。そこで今回は、内閣府が行ったアルコール依存症に関する世論調査の結果をご紹介します。なお、調査は全国の18歳以上の男女3,000人を対象に実施されました。

半数以上の人が「誰でもなりうる病気」と認識

まず前提として、アルコール依存症は長期間多量に飲酒すれば、年齢や性別を問わず誰でもかかりうる病気です。また、個人の性格や意志の問題ではなく、精神疾患と考えられています[*1]。

そのうえで、アルコール依存症やアルコール依存症者に対するイメージを聞いた結果を見てみましょう。回答の多い順に「誰でもなりうる病気である」(54.2%)、「酒に酔って暴言を吐き、暴力を振るう」(51.7%)、「昼間から仕事にも行かず、酒を飲んでいる」(46.7%)、「本人の意志が弱いだけであり、性格的な問題である」(34.7%)となりました。「酒に酔って暴言を吐き、暴力を振るう」や「昼間から仕事にも行かず、酒を飲んでいる」は、アルコール依存症と聞いて抱くネガティブイメージの代表といえますが、それらを押さえて「誰でもなりうる病気である」がトップでした。

アルコール依存症またはアルコール依存症者について、あなたは、どのようなイメージを持っていますか。
内閣府「アルコール依存症に対する意識に関する世論調査」より

アルコール依存症は精神疾患だと知っている人は7割以上

次に、「飲酒とアルコール依存症との関係について知っていること」を尋ねた結果ですが、最も多くの人が知っていたのは「アルコール依存症は飲酒をコントロールすることができない精神疾患である」(76.5%)でした。個人の性格や意思の問題ではなく、精神疾患であると正しく認識している人が多いようです。

次に多いのは「一度アルコール依存症になると非常に治りにくい」(62.2%)でした。「飲酒をしていれば、誰もがアルコール依存症になる可能性がある 」も44.9%で、比較的知られていると言えるでしょう。

一方、「アルコール依存症はゆっくり進行していくため、飲酒をしていても、依存が作られている途中では自分では気付かない」(36.8%)や「お酒に強くなくてもアルコール依存症になることがある 」(33.5%)、「断酒を続けることにより、アルコール依存症から回復する」(29.8%)、「女性の方が短期間でアルコール依存症を発症する傾向がある」(17.0%)は、それぞれ一定の認知度はあるものの、まだ知らない人も多いことがわかりました。

飲酒とアルコール依存症との関係について、あなたが知っていることは何ですか。
内閣府「アルコール依存症に対する意識に関する世論調査」より

知っている相談場所、トップは「医療機関」

習慣的に多量のお酒を摂取すれば誰でもなりうるアルコール依存症。自分だけでなく身近な人がかかってしまう場合もあります。そのときに相談できる場所を知っておくことも大切です。

「自分や家族にアルコール依存症が疑われた場合に相談できる場所として知っている所はあるか」という設問で、最も多くの人が回答したのは「病院や診療所などの医療機関」(77.1%)でした。しかしながら、それと比べて「精神保健福祉センターや保健所などの公的機関」(29.3%)や「断酒会などの依存症の当事者やその家族の組織などの自助グループ」(20.7%)は知っている人がまだ少ないことも明らかに。また、「特にない」と回答した人が15.5%いるのも少し心配になる結果でした。

あなたやあなたの家族にアルコール依存症が疑われる場合に、相談できる場所として知っているのはどのような所ですか。
内閣府「アルコール依存症に対する意識に関する世論調査」より

まとめ

今回はアルコール依存症に関する意識調査の結果をご紹介しました。従来、アルコール依存症は個人の性格や意志の問題だと誤解されてきましたが、現在は「飲酒をする人なら誰もがなる可能性のある精神疾患である」という認識が広まっていることがわかる結果でした。つまり、アルコール依存症は身近に起こりうるということです。しかし、実際にアルコール依存症が疑われるときの相談場所は、医療機関以外に知らない人が多くなっています。アルコール依存症にならないよう、飲酒量に注意することが第一ですが、自分自身や家族、近しい人がアルコール依存症になった場合にサポートしてくれる場所を複数知っておくことも、いざという時のために大切なことですね。

(マイナビ子育て編集部)

調査概要

■アルコール依存症に対する意識に関する世論調査/内閣府
調査対象:全国の日本国籍を有する18歳以上の男女3,000人
調査時期:令和5年7月27日~9月3日
有効回答数:1,526人

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