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2023年12月03日 08:00 更新

イクメンなんてもう古い?「男性の育児は当たり前」と認識している男性が4割超

子育てに積極的に関わる男性を「イクメン」と称するのを聞いたことはありますか? 実は、育児参加を当たり前と考える男性が増えており、イクメンというワードは良い意味で古くなりつつあります。その一方で、実際の行動となると受け身な男性もまだ少なくないようです。男性の育児に対する意識の「今」をご紹介します。

自分をイクメンだと思わない男性が57%

「イクメン」というワードが2010年の新語・流行語大賞になったことを覚えていますか? 今でも子育てに積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶことがあるかもしれませんが、この言葉は良い意味で時代錯誤になりつつあります。

その参考データとなるのが、明治安田生命相互会社が10月に発表した「子育てに関するアンケート調査」です。この調査は0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女1,100人を対象に実施されたものですが、男性に「自身がイクメンだと思うか」を聞いた結果、イクメンを自負する人は2018年の調査開始以来、過去最少となりました。

明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

「イクメンだと思う」(※)と回答した人は42.9%、「イクメンだと思わない」(※)と回答した人は57.1%となっており、「イクメンだと思わない」人が過半数を占める結果に。

これは何を意味するのでしょうか。そこで、自身を「イクメンだと思わない」(※)と回答した人にその理由を聞いた結果を見てみます。

理由のトップにあがったのは「男性の育児は当たり前で、イクメンという言葉に違和感がある」(40.6%)でした。男性の育児参加は珍しくないという考え方が浸透し、育児をする男性を特別視するようなイメージを与える「イクメン」に、違和感を覚える人が増えているようです。したがって、「イクメンだと思わない」と回答した人の中にも実際には育児に参加している人が少なくないことがうかがえます。

(※)
「イクメンだと思う」=「イクメンだと思う」と「どちらかというとイクメンだと思う」の合計
「イクメンだと思わない」=「イクメンだと思わない」と「どちらかというとイクメンだと思わない」の合計

「子育ては男女平等にすべき」と思う男性は60%

では、「イクメン」が時代錯誤と考えられつつあるなか、子育ての分担に関する意識に男女差はあるのでしょうか?

子育ては男女平等にすべきだと思うかどうかを尋ねた結果、「思う」と回答した男性は60.9%、女性は70.5%でした。また、「どちらでもない」と回答した男性は23.1%、女性は15.3%。したがって「思う」は女性の方がやや多く、「どちらでもない」は男性の方がやや多いといえます。

なお、「思わない」に関しては男女にほとんど差は見られませんでした。

明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

「配偶者に言われたこと以外もすべき」と思う男性は45%

今見たように、子育ては男女平等にすべきと考える男性が大半であることがわかりました。しかしながら、まだ男性側の主体性が弱いことをうかがえる結果も示されています。

子育てについて「配偶者に言われたこと以外もすべき」と思うか聞いたところ、「思う」と回答した男性が45.6%にとどまりました。女性が74.2%であるのと比べると、両者には約30ポイントという大きな差があります。

子育てを男女平等で分担することへの理解はあっても、実際に自発的に動けるかどうかという点では、女性と比べて男性の意識はまだ弱いと言えそうです。

明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

男性の子育て分担割合は3割以下

では、実際の分担割合の状況については、どうなっているのでしょうか? 男性の子育て分担割合の推移を示したグラフが以下です。

結果は2018年から2023年までほぼ横ばいでした。2023年のデータで共働き世帯は28.2%、専業主婦世帯は22.2%となっています。子育ては男女間で平等にすべきという意識を持っている男性が多数派であるものの、実際の分担割合は増えておらず、5割まではまだ遠いというのが現状です。

明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

まとめ

今回は男性の育児参加の意識を複数の角度からご紹介しました。子育ての男女平等について男女間で意見に大きな違いはありませんが、育児へ関わり方における主体性には男女で乖離が見られ、男性の受け身な態度が読み取れます。また、実際の男性の分担割合は5割にはまだ遠いのが現状です。男性の育児参加は特別なことではないという認識が広まっているなか、今度は男性が育児をどれだけ主体的に捉えて行動できるか、という意識変化の段階にきているのかもしれません。

(マイナビ子育て編集部)

<調査概要>

子育てに関するアンケート調査 / 明治安田生命保険相互会社
■調査対象:0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女
■調査エリア:全国
■調査期間:2023年9月5日(火)~9月8日(金)
■調査方法:インターネット調査
■有効回答者数:1,100人

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