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2023年12月01日 06:00 更新

子どもを望む気持ちには金銭的不安が影響大、2023年は子どもを望まない子育て世帯が増加

2019年には幼児教育・保育無償化が実施されたものの、昨今の物価高が家計に影響を及ぼすなか、人々の子どもを望む気持ちは高まっているのでしょうか? 残念ながら、子育て費用の増加をはじめとする金銭的不安によって、子どもを望む気持ちにブレーキがかかっている家庭が増えていることが明らかになりました。

子どもを「さらに欲しい」と思わない家庭が増加

政府から異次元の少子化対策が打ち出されていますが、みなさんは子育て世帯が「子どもを欲しい」と思えるような環境が整ってきていると感じるでしょうか。

明治安田生命保険相互会社が10月に発表した「子育てに関するアンケート調査」によると、子どもを「さらに欲しいとは思わない」と回答した人が、2018年の調査以来過去最多となっていることがわかりました。詳しくご紹介します。

明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女1,100人を対象に、子どもを望む気持ちを尋ねた結果、「さらに欲しいと思わない」が41.2%を占めました。前年からは5.8ポイント増え、2018年の調査以来では最多という値です。

一方、子どもを「さらに欲しい」と感じている家庭は21.5%で、前年の29.5%から8ポイントの減少を見せています。その結果、前年よりも「さらに欲しい」と「さらに欲しいと思わない」の開きも大きくなりました。

続いて、さらに欲しいと思わない理由について見てみましょう。

「さらに欲しい」と思えない理由

(複数回答)
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

「子どもをさらに欲しいと思わない」と回答した人に、そう答えた理由について尋ねたところ、次のような回答結果となっています。

「将来の収入面に不安があるから」(46.6%)、「年齢的に不安があるから」(43.9%)、「生活費がかかるから」(42.4%)が上位3つを占めました。このうち2つは金銭面にかかわるものです。また、「教育費がかかるから」が34.9%で4位にランクインしており、家計への影響に対する不安が、子どもをさらに欲しいと思えない理由の上位に多いことがわかります。

「さらに欲しい」と思うために求めること

明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より
(複数回答)
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

「子どもをさらに欲しいと思わない」と回答した人に、どうすれば子どもをさらに欲しいと思えるかについても尋ねています。

その結果、「自身の収入アップ」(53.6%)、「(将来の)教育費の負担が少なくなれば」(48.6%)、「配偶者の収入アップ」(43.7%)が上位3つを占めました。

先ほどの設問で、子どもを欲しいと思えない理由の上位を金銭的不安が占めていましたが、そのこととの関連が読み取れる結果と言えるでしょう。金銭的な不安の解消が子どもを望む気持ちを左右することがわかります。

金銭的不安の解消には政策の影響が大きい

明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より
(複数回答)
明治安田生命保険相互会社「子育てに関するアンケート調査」より

最後に、子どもを「さらに欲しい」と回答した人を対象に、そうした思いに影響を与えたものを尋ねた結果もご紹介します。

上位3つを占めたのは「出産一時金の増額」(37.3%)、「幼保無償化」(36.0%)、「自身の収入アップ」(30.5%)でした。金銭的不安を解消する政策などが子どもを望む気持ちに影響を与えているとわかります。

まとめ

明治安田生命保険相互会社が行った「子育てに関するアンケート調査」によると、子育て世帯の41.2%が子どもを「さらに欲しいとは思わない」と回答した一方、子どもを「さらに欲しい」と感じている割合は21.5%にとどまるという結果でした。さらに、子どもを望むかどうかに関しては「金銭的不安」がかかわっており、子育て費用の負担軽減や賃上げによる金銭的不安解消が、子どもを望む気持ちに強く働きかけると考えられます。

(マイナビ子育て編集部)

<調査概要>

子育てに関するアンケート調査 / 明治安田生命保険相互会社
■調査対象:0歳から6歳までの子どもがいる既婚男女
■調査エリア:全国
■調査期間:2023年9月5日(火)~9月8日(金)
■調査方法:インターネット調査
■有効回答者数:1,100人

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