【医師監修】大人よりなりやすい乳幼児の熱中症! 知っておきたい症状と対策

【医師監修】大人よりなりやすい乳幼児の熱中症! 知っておきたい症状と対策

大人も気をつけたい熱中症ですが、水分量が成人より少なく体温調節機能が未発達な乳幼児は、特に熱中症になりやすい傾向があります。熱中症とはどのような症状なのか、予防法、もしなってしまった場合の対処法までご紹介していきます。


熱中症とは

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※画像はイメージです

熱中症とは特定の症状を表す言葉ではなく、高温多湿の環境で、体内の水分や塩分のバランスが崩れるなどして引き起こされるさまざまな症状の総称です。

熱中症の症状

「めまい」「気分が悪い」などの軽めの症状から、場合によっては死にいたることもあります。ここでは、3段階の重症度に応じて、熱中症の症状を紹介します[*1]。

・重症度“小”(応急処置と見守り):めまい、立ちくらみ、生あくび、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗
・重症度“中”(医療機関へ):頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感
・重症度“大”(入院・治療が必要):39℃を超える発熱、意識障害・痙攣(けいれん)など

熱中症が起こりやすい時期

熱中症が起こりやすい時期は、炎天下の真夏というイメージがあるかもしれませんが、決してそれに限ったことではなく、起こりやすい時期にはいくつかのタイプがあります。

まずは、7、8月の日中。これは最高気温が高くなるため、当然といえるかもしれません。ただし、炎天下の屋外だけでなく、実は室内でも起こることがあります。

夜間でも熱中症になりえます。熱帯夜が続く時期は、夜間に体温を下げることができずに、寝ている間に熱中症を引き起こすケースが増えます。エアコンの調整が大切です。

最後に、梅雨の晴れ間や梅雨明けなど、暑さに身体が慣れていない時期。この時期に急激な温度の上昇が起こると、体温調整がうまくできずに熱中症を引き起こしやすくなります。

乳幼児と熱中症

乳幼児は熱中症になりやすいので、パパ・ママは注意が必要です。乳幼児が熱中症になりやすい理由や熱中症のサインなどを紹介します。

乳幼児は熱中症になりやすい

乳幼児は汗腺が密であり汗をかきやすいです。これに加えて体温調節がうまくできないため、熱中症になりやすいです。

また、大人に比べて背が低いため地面からの熱の影響を受けやすいことも理由に挙げられます。ベビーカーも地面に近いため熱されがちです。

特に乳児は、飲み物を飲んだり、衣服を着脱したりして自分自身で調節することができません。こまめに赤ちゃんの様子を確認しましょう。大人の感覚で大丈夫だと判断しても、子供の限界を超えている場合がありますので、注意が必要です。

乳幼児の熱中症のサイン

乳幼児の熱中症には見た目で分かるサインがあります。

<主なサイン>
・元気がなくなる
・フラフラとしている
・顔色が赤くなる
・吐き気・嘔吐
・身体が熱い
・おしっこが出ない

これらの症状が見られたら、熱中症かもしれません。サインを見逃さないように、よく観察しましょう。

熱中症を起こしたときの応急処置

万が一、熱中症を起こしてしまったときはどのように対処したらよいのでしょう。場合によっては救急車を呼ぶ必要もありますが、まずは落ち着いて症状を観察しましょう。

涼しい場所へ移す

まずは日陰となっている風通しのよい涼しい場所へと移動しましょう。その後、衣類を脱がせて、頭を少し低くして寝かせます。さらに濡れたタオルなどで頭、顔、体を拭いて、風を当てて熱を発散させます。扇風機やエアコンの風が強い場合には直接、体には当てないでください。氷や保冷剤が手元にあれば、首、脇の下、足首などに当てて冷やしましょう。

水分・塩分補給

体の熱をとると同時に、水分もとらせましょう。汗の量が多いときは体の塩分やミネラルが失われているため、可能であれば生後6ヶ月程度からをめどに経口補水液やスポーツドリンクなどで塩分も補給してあげてください。乳児の場合、生後6ヶ月頃までは、水分補給として母乳やミルクをあげてください。

救急車を呼ぶかの見極め方

救急車を呼ぶかどうかを見極めるには、いくつかのポイントがあります。以下の症状があれば、すぐに救急車を呼びましょう。

・呼びかけに対して一時的にしか反応しない場合や、意識がはっきりしないなど、意識障害を起こしている場合
・体温が40度近くまで上がっている場合
・汗が出なくなっている場合

乳幼児の熱中症予防のポイント

赤ちゃんや小さな子供は自分で熱中症対策や暑さ対策ができないため、大人が正しい知識を身につけ、気を配ってあげる必要があります。子供の熱中症予防のポイントを知っておきましょう。

こまめに水分を与える

水分を多く含む食事を与えたり、水分をこまめにとらせるなどして身体が水分不足にならないようにしましょう。とくに運動時は、最低でも15~30分ごとには水分補給をさせてください。子供自身が喉が渇いたと思ったときには、すでに多く水分が失われた状態です。喉が渇く前にこまめに水分補給を行うようにしましょう。

衣類を調整する

熱のこもりにくい通気性のよい衣服や、太陽の光をはね返すように薄い色の衣服を選びましょう。また、暑さに合わせて脱着できる服装にしてあげると温度調整もしやすくなります。帽子など日光を遮る工夫もしましょう。

暑い場所にい続けさせない

午後の炎天下の外遊びは控えた方がよいでしょう。また暑い部屋や車内への放置は言語道断です。長時間暑い場所にい続けさせることのないよう注意しましょう。また、空気の流れを作り清涼感を保つことも熱中症予防には重要です。

子供の変化に気づく

赤ちゃんや小さな子供は自分の言葉で不調を訴えることができません。周囲の大人が常に気にかけ、いち早くサインに気がつくことが、子供の安全を守ります。十分に観察しましょう。

まとめ

外での活動が多くなる時期こそ、熱中症が起こりやすくなります。特に7~8月は夏休みということもあり、つい遊びに夢中になってしまうこともあるでしょう。気づいたらぐったりしていた、などということにならないよう、子供の熱中症予防に十分気を配りましょう。

参考文献

[*1]日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.20)

この記事の監修ドクター
なごみクリニック院長 武井智昭先生
慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経てなごみクリニック院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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