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2023年07月04日 07:50 更新

共働き夫婦の1日スケジュール ミロク情報サービス 若杉さんの場合(後編)

共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのスケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているパパに、お話を聞きました。

共働き夫婦の1日スケジュールとは?

家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどうのりきっているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。

第15回となる今回は、ミロク情報サービスで人事として働くパパのタイムスケジュールを前編・後編にわたりインタビュー。後編では夜のタイムスケジュールと夫婦の家事分担についてうかがいました。

取材にご協力いただいた方

共働き夫婦の1日スケジュール

ミロク情報サービス 経営管理部人事グループ 課長 若杉淳平さん(43歳)

人事グループの中でも主に労務制度、給与支払いなどを担当する部署に所属し、チームリーダーを務めている。労務制度、人事システムの構築などを中心に行う。プライベートでは、3人の男の子(12歳、8歳、1歳)の子育てに奮闘するパパ。

夜のタイムスケジュール

共働き夫婦の1日スケジュール

男の子3人育児は寝かしつけの時間まで毎日が「戦い」!

――若杉さんは20時ごろの帰宅が多いのですね。

若杉さん 帰宅してから食事、入浴を済ませます。三男は離乳食なので別ですが、妻と長男、次男は19時ごろ一緒に夕飯を食べていますね。お風呂は僕が三男を入れることもありますし、妻が三男を入れて、僕が長男と次男を入れることもあります。

――チームリーダーを務めているそうですが、残業することはありませんか。

若杉さん 基本的には遅くても20時には業務を切りあげるようにしています。どうしても仕事が残るときは、妻に任せることもありますし、子どもを寝かしつけしながら私用スマホに仕事のメモをして頭の整理をすることもあります。

――寝かしつけまでが大変そうですね。

若杉さん 朝の準備と一緒で、20時半くらいからまた「戦い」が始まりますね(笑)。ほかの親御さんもみなさん同じでしょうけど、子どもが小学生以上になると、宿題を見るのが大変ですね。長男と次男の宿題に大人1人がどうしてもつきっきりになってしまいますから。徐々に手離れしていくのだと思いますが、平日の家事・育児の中でもなかなか手を焼きます。

――大人の手が足りないなかで、さらに家事や育児をこなすのは大変ですよね。

若杉さん 今はとくに長男が中学校に上がって学校が遠くなったことと、宿題の量が非常に多くてまだリズムができていないので大変ですね。長男の宿題は基本的には妻が見ていて、僕は次男の宿題のフォローに入っています。

できるだけ子どもに寄り添い1日を終える

――子どもたちの寝る時間を確保するために工夫していることはありますか。

若杉さん その日の機嫌やタイミングによってすべて変わってしまうので、今のところあまりコツらしいコツはないですね。唯一言えることは、朝と同じで兄弟喧嘩を始めたり、機嫌を損ねたりするとそれが致命傷になるので、ぶつからないようにマンツーマンでそれぞれに寄り添うことです。

――その日、その日を着実にこなすような。

若杉さん わが家はいわゆるペンシルハウスの3階建てですが、毎日「逃走中」「戦闘中」「SASUKE」の同時開催という感じです(笑)。長男次男がはしゃぎ出したら、もういろんなものが飛び交うし、走り回るし。そこで三男が泣き始めたら、けたたましい音になるので。あまり型もなければ、コツもなく……(笑)。

共働き夫婦の1日スケジュール

――にぎやかな毎日ということですね(笑)。寝かしつけはスムーズにいきますか?

若杉さん 最近は、1人ずつ順番に寝かせることが増えてきました。同時に3人を寝かしつけていたときよりは、早くなりましたね。次男だけでも先に寝かせようとか、長男も宿題が終わり次第寝かせようとか、ひとりずつ寝かしつけたほうが時間はかからないです。でも、子どもたちが寝るのは22時すぎになってしまいますね。僕が出社している日はもっと遅くなってしまうときも。

――ご三男が夜泣きすることは?

若杉さん ときどきあります。三男は次男と一緒に寝かせるようなサイクルになっているので、次男を先に寝かせている間に三男も寝てくれますが、朝方に起きてしまうこともあって。そういうときは妻が見てくれます。

作り置きなどできる家事は夜のうちにやっておく

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――大人が睡眠時間を確保するのも大変そうですね。

若杉さん 以前は夜の寝かしつけも妻と僕とで交代でできました。でも、僕が出社するようになってからだいぶ朝が早くなって、夜のサポートがあまりできなくなってしまって。そのぶん、時間に制約がない家事は担当するようにしています。子どもたちを寝かしつけてから、おかずを1品作り置きするとか。

――疲れて寝落ちしちゃったなんてことはないですか?

若杉さん ときにはありますが、次男を寝かしつけたまま寝てしまって、家事も何もできないまま朝早くに出て、仕事から帰ってきただけで1日が終わってしまうと、さすがに心苦しいので……。せめて1品作るとか、洗濯だけでもしておくといったことが、出社している間の一助になればと思っています。

――その「1つ」がとても大事ですよね。

若杉さん 今は物理的になかなか難しくて、それくらいしかできないのですが。おかず作りには自動調理器を使っているので、とくに大層なものを作るわけでも、時間がかかるわけでもないですよ。切った材料を入れて、ボタンを押すだけなので。

――何を作ることが多いのでしょうか。

若杉さん 副菜が多いですね。あとは、大根と鶏肉の煮物とか、カレーとか、メインを作ることもあります。自動調理器はほぼ毎日稼働していますね。僕は何か考えごとをしながらできる家事が好きなので、料理も洗い物も苦ではないです。逆に妻は料理よりも洗濯のほうが好きなようで、夫婦の得意なことと不得意なことでうまく分担できています。

生活を守るためには、優先順位を変えることもいとわない

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――ご夫婦で家事育児に関するルールや意識されていることはありますか。

若杉さん 本当に毎日ギリギリで回しているので……(笑)。生活を保つための最低限のところを崩してしまうくらいなら、優先順位を変えることでしょうか。僕の仕事が忙しいときには、妻が僕の睡眠を確保できるように組み立ててくれるし、妻がギリギリのときは、僕も対応します。最低限の担保というか、生活を回せる最低ラインを守ることですね。

――3人目が生まれてから家庭内のルールで変わったことは?
若杉さん 子どもが2人のときは、もっと夫婦の役割分担がはっきりと決まっていました。でも、子どもが2人から3人になって、今まで回せていたようなリズムでは立ち行かず、自分の担当だけをこなしていればいいというわけでもなくなりました。

――より臨機応変な対応が求められるようになったのですね。

若杉さん だから、夫婦でお互いの状況をよりよく見て、聞くようになりましたね。からだが限界だとすべてが崩れてしまいますから。その日によって対応も違うので、毎日試行錯誤しています。あとは頼れる家電があれば、すべて自動に頼ることが僕たち夫婦の結論です!

家事は家電を頼ってできるだけ省略化する

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――たしかに家電を駆使しないと、なかなか家事が回らなさそうです……。

若杉さん 歯磨き1つにしても、電動歯ブラシを取り入れてみる。そういうことも、教育上いいとか悪いとかはいったん割り切って、まずはやってみる。子どもだけでなく、大人も取り入れて時間と手間を省きます。「これは手でやってあげないと」「作りたての料理を食べさせないと」というようなこだわりがあったときのほうがつらかったです。割り切り始めてからはラクになりました。

――毎日を乗り切るためには、メリハリも大事ですよね。とくにおすすめの家電はありますか。

若杉さん やはり自動調理器を導入してからは、圧倒的に料理がラクになりました。それは、前職の福利厚生の一環で買ったんですよ。

――それはいつごろですか。

若杉さん まだ次男は生まれていなかったころですね。それがよかったので、この会社でも似たような福利厚生を取り入れたいと計画しています。働き方や勤務ルールも整えつつ、購入補助や生活補助を取り入れることも、社員にとってかなり大事な家事・育児・仕事の両立支援になると思うので。実際自分が救われたこともありますし、なにかの形にしたいです。

「仕事と家事育児の両立の難しさを知ったこと」が業務にも

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――今は1人の時間を確保するのは難しいと思うのですが、日ごろの息抜きはどうされているのでしょうか。

若杉さん 夫婦ともに1人の時間はあまりないので、子どもと遊ぶとか、短い時間で気分を変えていますね。とくに妻は息抜きらしい息抜きもあまりできないのですが、仕事中は気分が変わるとは言っていました。息抜きというよりは、気分転換に近いのかな。

――家庭から離れる時間を持つのも、ときには大事ですよね。

若杉さん 今の役割分担でいうと、僕は朝早くに出てしまう状況なので、もちろん冗談半分ですが、妻から「それで育児『やってる感』を出すなよ〜(笑)!」とは言われていて……(笑)。今まで、時間上の分担は割とシビアにやってきましたが、今は平日だけ切り取ると、難しいところもあるので。

――物理的に不在になるということですもんね。

若杉さん 朝ちょっと早起きするだけで、あとは不在にしてしまうので。それは自分のなかでも申し訳ない気持ちが強いです。世のなかの働くママさんたちのほうがよっぽど両立していて、仕事とのバランスも切りつめられていると思います。幸い人事として働いていることもあって、それが働くママのスタンダードだともわかるというか。それは仕事の面でも、家庭の面でも、僕にとっては幸いなことですね。

まとめ

保育園児、小学生、中学生と、子どもの成長にともなって、育児の大変さや悩みは常々変わっていくものです。
それをうまく乗り切るためには、若杉さん夫婦のようにお互いの変化や大変さにすぐ気づいたり、話し合う姿勢を持ったりすることがとても大切だと感じました。
時間の制約がない家事など、ちょっとしたことでも具体的に動けると、お互いに気持ちよくすごせるかもしれません。
ときにはこだわりを捨てて、家電に頼ることもコツですね。ぜひ参考にしてみてください!

(取材・文:宮本貴世、 撮影:佐藤登志雄、イラスト:ぺぷり/マイナビ子育て編集部)

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