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2023年07月24日 10:06 更新

共働き夫婦の1日スケジュール 読売広告社 笹川さんの場合(前編)

共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのスケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているパパに、お話を聞きました。

共働き夫婦の1日スケジュールとは?

家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどうのりきっているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。

第16回となる今回は、読売広告社でアカウントエグゼクティブとして働くパパのタイムスケジュールを前編・後編にわたりインタビュー。前編では朝・昼のタイムスケジュールについてうかがいました。

取材にご協力いただいた方

読売広告社 第5ビジネスプロデュース局第1部 アカウントエグゼクティブ 笹川睦生さん(29歳)

広告営業として、主にクライアント先の要望を受け、年間のコミュニケーションプランを社内スタッフにアサインしている。現在はゲームメーカーと食品メーカーの広告を担当し、全体の進行や資金面の管理なども行う。プライベートでは、2歳4ヶ月の男の子と8ヶ月の長女のパパ。

朝のタイムスケジュール

朝は長男とバナナジュースを作ることから始まる!

――朝の様子を教えてください。

笹川さん 朝は6時半ごろ長男に起こされて、一緒にバナナジュースを作ることから始まります。長男はイヤイヤ期の真っただ中で、あらゆることにいやだという時期です(笑)。とにかく選択肢を与えて、選んでもらうことを繰り返します。

――忙しい朝から子どものイヤイヤに寄り添えることが素晴らしいです。

笹川さん イヤイヤモードになってしまうと、すベての予定が狂ってしまうので。なるべくスムーズにことを運べるように注意していますね。着地点はだいたい一緒ですが、ミキサーのカップだけ持たせて、何を食べたいか、氷は何個入れるかなど、細かくディスカッションしながら進めていきます。

――ミキサーで一緒に朝食を作るのは、いつごろから始めたのでしょうか。

笹川さん ここ1ヶ月くらいですね。妻の実家で、義父が子どもにバナナジュースをあげたのが最初で、それから気に入っています。洗い物がちょっと面倒ですけど(笑)。ミキサーが回るのを見ているのが楽しいみたいですね。

――大人の朝食はどうしていますか。

笹川さん 僕は朝にしっかりと食べたいタイプなので、前日の残りや冷凍してあるご飯をベースに即席のみそ汁をつけることが多いです。あとはパンを焼くか、あるものを適宜食べています。

予定時刻より20分は余裕を持つのがベスト!

――毎朝の準備をスムーズにするコツはありますか。

笹川さん 20分くらいバッファを見て、お尻の時間の20分前に進行しておくことですね。そのくらい余裕を持っておくと、ちょうどよくなるということがだんだんわかってきました。30分だと若干持て余してしまうし10分だと足りないので。

――やはり子どもは時間ぴったりにとは行かないですからね。

笹川さん そこでイライラしてしまうと、よりうまくいかないです。基本、保育園の準備は夫婦でお互いにできるほうが進めて、ゴミ出しや朝食作りなど、朝の家事であれば僕もできるので、一緒にやっています。妻が先に家を出るので、僕が出社するまで子どもたちは自由時間です。保育園の送りも僕が担当しています。

――娘さんはいつから保育園に通っているのでしょうか。

笹川さん 今年の4月からです。妻も最近職場復帰したばかりですね。今はフルタイム勤務ですが、下の子が満1歳になるまでは始業を遅らせたり、就業を若干短くしたりできるので、そういう制度も活用しています。

――仕事復帰されたばかりだと奥様も大変ですね。

笹川さん そうですね。疲れて帰ってくる日もあるので、その辺りはサポートできるように妻の話を聞くことが多いです。まだ数ヶ月ですが、妻の職場の人の名前はだいたい覚えました(笑)。

勤務中のタイムスケジュール

業務のタスク管理は徹底して行う

――仕事を効率よく進めるために工夫していることはありますか。

笹川さん 前日の夜や移動中にタスクチェックをして、出社してから今日やるべきことを整理します。やるべきことは、案件ごとにスプレッドシートで分けて。毎朝15分くらい打ち合わせをするので、そこで自分のタスクや、進行がバタバタしている案件の確認をします。

――お子さんが生まれてから仕事の目標や取り組む意識など、変わったことはありますか。

笹川さん 一番大事なのは「子どもが死なないこと」だと思っていて。この言葉は、会社の先輩パパに教えてもらいました。まずは、最低限の生活を営めたらOKということですが、それさえできていれば、育児で多少思い通りにならないことがあっても、大丈夫だと思えます。気持ちもラクになりますよね。

――お子さんが元気にすごせていれば、まずは大丈夫という。

笹川さん 子どもが生まれる前は、より仕事重視でした。でも今は、どう早く帰るかとか、子どもや妻のためにどうしたらいいかとか、マインド的に一番大事なものが大きく変わりましたね。「早く帰らないと」って、ずっと思いながら一生懸命仕事をするようになって、徹夜や残業もしづらくなりました。

自身の育児経験から社内の新しいルールが生まれた

――先輩パパの社員さんから育児に関するアドバイスをいただくこともありますか。

笹川さん 「子育ても本当にちゃんとするなら、業務量を減らすよりは、どう効率化できるかをちゃんと考えた方がいい」と言われました。今までも、ダラダラしていたというわけではありませんが、仕事への取り組み方も見直しやすくなりました。

――具体的にはどのように働き方を変えましたか。

笹川さん 先輩からのアドバイスを受けて、今やるべきことと、後でも大丈夫なことを取捨選択するようになりました。実は第一子が生まれるときは、育休ではなく有給を使って数日間のみの休みを取ったんです。でもそこで、育児も仕事も中途半端になると、パフォーマンスが下がってしまって一番よくないなと感じました。そこはパキッと分けて、しっかり休んで、育児に専念できるといいなと思いましたね。

――なるほど。実体験から見えてくるものがあったのですね。

笹川さん その当時は僕も実際に育休を取得する過程で、何が心理的なハードルになっているのかを考えました。やはり、育児や家庭のためとはいえ、忙しい中で休みを取るのは申し訳ないという気持ちが強いのではないかと感じて。当社は飲み会が好きな方が多いので、誰かが育休を取得したら、その所属部署にインセンティブが入るような仕組みを取り入れたらどうかと思って、会社に提案したんです。

――笹川さんがご提案されたのですね。それは素晴らしいです!

笹川さん 「あの人のおかげで、みんなと飲みに行けるぞ!」というのが、一番心理的なハードルが下がるかと。それで、実際にインセンティブ制度を取り入れることになって、去年当社は男性育休取得率100%を達成したんです。僕も第二子のときはこの制度によって、2週間の育休を取得できました! 妻も安心できたようです。

――具体的にはどんな制度なんですか。

笹川さん 制度は一定期間以上の育休取得者がいる部署にはインセンティブが支給される仕組みです。部署のみんなで飲みに行ったり、美味しいものを食べに行ったりと活用されていて、部内のコミュニケーション活性化にもつながっています。こういう制度があると、取得する側もより気兼ねなく休めるようになるのではないかと思っています。

――後半では、夜のスケジュールと夫婦の家事分担についてうかがいます。お楽しみに!

(取材・文:宮本貴世、 撮影:佐藤登志雄、イラスト:ぺぷり/マイナビ子育て編集部)

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