算数力アップに必要なのは「問題を多く解く」じゃなかった！『SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』Vol.5

算数を好きになるためには3つの力が必要です。

1つ目は計算力、2つ目は筋道を立てる力、3つ目は図形を紐解く力です。

ここではまず、計算力をつける方法をご説明します。

計算ができるというのは、端的にいうと、手順を守ることができるということです。スラスラと計算ができるようになるためには練習を繰り返す必要があるのは確かです。しかし、手順を間違えている状態でやみくもに計算問題を何度も解いも、間違いを重ねていくだけです。

たとえば、足し算と掛け算が含まれる計算を出題されて、掛け算から取り組むことがわからなければ、いくら計算問題を繰り返しても正解にたどり着くことはできません。一生懸命何問も解いたのに成果につながらなければ、子どもは「どうせ正解できないし」「もうやりたくない」と思ってしまいます。

大事なことは、正しい計算のルールを確認して理解することです。

しかし、ルールを確認したからといってすぐにスラスラと問題を解けるわけではありません。何回か計算問題を練習している姿を見守ってください。もしルールが曖昧になったり、途中から忘れていたりしたら、またきちんとルールを踏まえるところに戻りましょう。

計算力は計算問題だけに有効なわけではありません。文章題でも図形の問題でも、最終的には計算をする必要があります。つまり、算数のすべての問題に必要となる力ですから、きちんと確認していきましょう。

Check!
▶足し算と掛け算、どちらを先に計算するのかなど、手順を復習してから練習問題に取り組む

佐藤智『10万人以上を指導した 中学受験塾 SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）より一部抜粋／マイナビ子育て編集部）

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両親ともに教員という家庭に育ち、教育の道を志す。横浜国立大学大学院教育学研究科修了。中学校・高校の教員免許を取得。出版社勤務を経て、ベネッセコーポレーション教育研究開発センターにて、学校情報を収集しながら教育情報誌の制作を行う。その後、独立し、ライティングや編集業務を担う株式会社レゾンクリエイトを設立。全国約1000人の教員へのヒアリング経験をもとに、現在は教育現場の情報をわかりやすく伝える教育ライターとして活動中。著書に『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）、『先生のための小学校プログラミング教育がよくわかる本』（共著／翔泳社）がある。