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2022年02月02日 12:09 更新

妊娠前の生理不順が妊娠うつと関連がある可能性を示唆、ルナルナと東京大学の妊産婦のうつ予防に関する研究で

エムティーアイが運営するアプリ『ルナルナ ベビー』は、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の西大輔准教授、佐々木那津院生らのグループが実施する研究に協力しています。今回、妊娠前の生理不順が妊娠うつと関連がある可能性が明らかになりました。

3,473名の妊娠中の女性を対象に研究を実施

『ルナルナ ベビー』では、2019年11月より東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の西大輔准教授、佐々木那津院生らのグループが実施する「全自動化インターネット認知行動療法による妊娠うつ病・産後うつ病の予防」に協力しています。

同研究では、初回調査に回答した5,128人の妊娠16週~20週の人のうち、妊娠前から『ルナルナ』を利用し、適切に入力されたと考えられる月経周期(14日~50日)の記録が3周期以上残っていた3,473名の人を対象に解析を行いました。

その結果、妊娠前に月経の周期長の変動が6日より長く、不規則な周期になっていた人では、うつ症状の得点が高い傾向にあることがわかりました。

一方、月経1周期の長さが短い(25日未満)もしくは長い(34日以上)という傾向は、妊娠うつとの関連は見られませんでした。妊娠前から生活習慣や健康に向き合う「プレコンセプションケア(※1)」のひとつとして、月経周期を適切に整えるための支援を行うことが、周産期メンタルヘルスの対策につながる可能性があります。

愛媛大学大学院 産科婦人科学教授の杉山隆先生は、「今回の研究は、妊娠前の月経周期が周産期メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性を初めて示したものであり、とても興味深い成果。妊娠うつは妊娠3ヶ月以上の妊婦さんの有病率が14.0~16.3%(※2)との報告もあり、妊婦さんの誰がなってもおかしくありません。特に不眠や食欲不振に加え、ご自身のメンタル状態の変化や不安を感じた場合はかかりつけの産婦人科にてお気軽にご相談ください。また今回の結果は月経不順の方全員に当てはまるものではありません。ただし月経不順の方は一度婦人科を受診されることをお勧めします」とコメントしています。

東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野のお西大輔准教授は、「今回の研究から、自身の月経周期をセルフチェックして、必要に応じてセルフケアを行ったり、医療機関を受診したりするということは、プレコンセプションケアのひとつとしても重要といえるのではないかと考えられます。その際、月経周期の乱れは産婦人科的な要因だけでなく精神状態とも関連している場合がありますので、心身の両面からのアプローチを考えていただけたら幸いです」と語っています。

この研究成果の一部は、「Journal of Psychosomatic Obstetrics & Gynecology」に掲載されています(日本時間 2021年12月9日公開)。

※1 プレコンセプションケア:将来の妊娠・出産を考えながら、妊娠前から生活習慣や健康に向き合う取り組み

※2 参考文献:Tokumitsu K, et al. Prevalence of perinatal depression among Japanese women: a meta-analysis. Ann Gen Psychiatry. 2020;19:41.

※今回の研究結果は月経周期が不規則な人全員に当てはまるものではありません。妊娠中・出産後の精神的不調を感じられた場合は、保健所、保健センター、精神保健福祉センター、精神科やかかりつけの産婦人科にご相談ください。

エムティーアイ
http://www.mti.co.jp/

(マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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