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2021年08月10日 18:31 更新

【医師監修】妊娠検査薬の疑問! 期限切れのタイミングや使った場合のデメリットを解説 

妊娠しているかも?と思い、買っておいた妊娠検査薬を出したら「使用期限切れ」だった! そんなとき、使っていいのか、使った場合に正しい判定が出るのかなど気になりますね。そこで今回は、使用期限が切れた妊娠検査薬の使用についてまとめました。

妊娠検査薬の期限切れはいつ?

妊娠検査薬とエコー写真

妊娠の初期には、妊娠を維持するために「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが受精卵から分泌されるようになり、一部は尿中から検出されるようになります。

このhCGに反応して、妊娠しているかどうかを検査できるのが「妊娠検査薬」です。市販の妊娠検査薬には、必ず使用期限が書かれています。

ほとんどの製品で3年

妊娠検査薬の使用期限は、たいてい製品の外箱に記載されています。または、添付の説明書や注意書き、製薬会社の公式サイトの製品情報ページなどでも見ることができます。個包装の場合は、袋に記載されていることもあるでしょう。

市販の妊娠検査薬の使用期限は、「製造してから未使用の状態で36ヶ月または3年」と書かれているものが多いようです。ただし、なかには「25ヶ月」「30ヶ月」とされているものもあり、メーカーや製品ごとに多少の違いがあります。

妊娠検査薬を購入する際や使用する前には、必ず使用期限を確認し、「期限内のものを使う」ことが基本です。手元にある妊娠検査薬に外箱がない場合は、保管状態が良くないことが考えられ、判定の精度が疑わしくなります。その場合は、新しい妊娠検査薬を使用しましょう。

妊娠検査薬は期限切れでも使えるの?

期限切れの妊娠検査薬が使用可能かどうかと言えば、尿をかけて使ってみることはもちろんできます。ただし、次で解説するように、「きちんと判定されない」などのリスクが考えられます。

市販の妊娠検査薬のほとんどは、製品の説明書や情報ページなどで期限切れのものは使わないよう注意を促していますから、使用前にはよく読んでおきましょう。

「期限切れ」の妊娠検査薬を使うデメリット

妊娠検査薬に関する疑問のイメージ
Lazy dummy

使用期限が切れた妊娠検査薬は、使わないよう各メーカーが注意を促していると言いましたね。これは何より、正しい結果が得られにくいからです。

判定ラインの色が出にくい

使用期限切れの妊娠検査薬を使うことで一番心配なのは、「判定に使われる薬剤が劣化してしまっている可能性がある」ことです。

そのため、実際は妊娠しているのに、判定ラインの色が出にくくなっていることで、薄かったりかすれていたりして、結果がわかりにくいことが起こりうるのです。

妊娠の正確な判断ができない

妊娠検査薬はhCGにのみ反応する性質があるので、妊娠していなければ陽性を示すことは基本的にありません 。hCGとは、「妊娠中の女性に特有のホルモン」で、通常、男性や妊娠していない女性ではつくられないからです(閉経期、絨毛がん、hCGを含む排卵誘発剤で治療中の場合などでは、妊娠していないのに陽性になることもあります)。

ただ、妊娠検査薬に限らず、健康状態などを調べる検査では、その結果が「100%正しい」というものは現在ほとんどありません。「陽性と示されたが“実は陰性”(偽陽性)」「陰性と示されたが“実は陽性”(偽陰性)」という誤った結果が、検査の種類に応じて一定の割合で出るものなのです。

「陰性でも妊娠中」「陽性なのに妊娠していない」が起こるリスク

いま市販されている妊娠検査薬については、多くの製品が「99%以上の正確さ」で尿中hCGの有無を調べられるようになっています。

とはいえ、それは検査薬が劣化しないよう「きちんと保管された」製品を「使用期限内に」使った場合のこと。 ほとんどの妊娠検査薬の説明書や注意書きには、検査の精度が保てないことがあるとして「使用期限の過ぎたものは使用しないでくださいと」などと記載されています。

たとえ未開封でも、期限が切れていれば検査薬の薬剤が劣化している可能性があるので、検査結果が正確かどうかちょっと怪しいのです。特に期限切れの検査薬で「陰性」だった場合、実際は妊娠している可能性もあるので、判定をうのみにしないほうがいいでしょう。

妊娠検査薬の正しい保管方法

妊娠検査薬を使う女性
Lazy dummy

妊娠検査薬は、説明書などに書かれている適切な場所に保管し、袋から出すのは使用する直前にします。また保管場所は、子供の手が届かない場所を選びましょう。

直射日光が当たる/温度が高すぎる/低すぎる場所での保管はNG

妊娠検査薬に使われている薬剤は、特殊な抗体や酵素を用いてhCGだけに反応するようにできているのですが、「温度の影響を受けやすい」という特徴があります。

そのため、「直射日光が当たる」などで極端に温度が高くなる場所や、逆に「冷蔵庫の中」のように低温になりすぎる場所などで保管されていると、検査薬が正しく作用しなくなる恐れがあります。

保管の際は、室内でも直射日光が当たらない涼しい場所で保管するようにしましょう。

袋や箱から出さない

妊娠検査薬は、必ず使用の直前に外箱や個包装の袋から出すことが原則です。前もって袋や箱から出しておいたり、別の容器に入れ替えたりすると、前述したように気温の影響などを受けやすくなり、正しい判定ができなくなることがあります。

子供がいたずらしない場所に保管する

小さな子供が誤って口に入れてしまわないよう、子供の手が届かない場所で保管しましょう。また、保管中に製品本体が折れたりつぶれたりしないようにも注意しましょう。

まとめ

妊娠検査薬を使う女性のイメージ

妊娠を確認したいと思ったとき、手元に未使用の妊娠検査薬があったら、それが使用期限切れでも、もったいないので使いたくなってしまうかもしれませんね。ただ、妊娠検査薬の各メーカーも、使用期限の切れたものは使わないようにと注意を促しています。

期限切れの妊娠検査薬は、薬剤が劣化している可能性があり、判定の精度が保持されていない恐れがあります。特に陰性の場合は、実は妊娠していることもあるので、正しい結果を得るためには必ず期限内のものを使うようにしてください。そして、生理が遅れているなどで妊娠の可能性があるのに陰性だった場合は、使用期限内のもので再検査するか、 早めに受診して確認してもらいましょう。

(文:村田弥生/監修:窪麻由美 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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