赤ちゃんにミネラルウォーターはいつから? 選び方と飲ませ方【管理栄養士監修】
手軽に買えて、最近は種類も豊富なミネラルウォーター。ミネラルは赤ちゃんにも大切な栄養素ですが、大人と同じように飲むことはできるのでしょうか? 赤ちゃんにあげるときの注意点や飲ませ方のポイントなどをみてみましょう。
赤ちゃんにミネラルウォーターはいつから?
赤ちゃんにミネラルウォーターをあげる時期や、あげてもよい種類はどんなものでしょうか? また、水道水でもいいのでしょうか?
水は生後5、6ヶ月ごろから少しずつ
はじめのうちは母乳・ミルクの水分で足りる
人間には飲み物からの水分補給が必要ですし、赤ちゃんは大人よりも体内の水分量の割合が多いといわれますから、赤ちゃんにも水をあげたほうがいいでは? と思う人もいるかもしれません。
しかし、生まれてからしばらくは、赤ちゃんは母乳またはミルクで育ちます。これらには必要な栄養のほか、もちろん水分も含まれています。つまり、母乳やミルクをしっかりあげることで栄養も水分も確保できます。そのため、生まれてからしばらくは、水をあげる必要はなく、それよりも母乳やミルクが不足しないようにすることが大切です。
離乳食の始まる生後5、6ヶ月ごろから少しずつ、汗をかいたときやお風呂上がりの水分補給などを目的に水をあげることができます。ただし、このころはあくまでも母乳やミルクでの水分補給が基本となります。あげる場合には、母乳やミルクの量が減らない程度にとどめましょう。
ミネラルウォーターは軟水を選ぶ
水には軟水と硬水があります。これらはミネラルの量が異なり、ミネラルの量が多いものが硬水、少ないものが軟水です。
ミネラル分を多く含む硬水は、赤ちゃんの腎臓への負担や消化不良などを生じる可能性があるため避けましょう。
赤ちゃんにあげるミネラルウォーターは、ミネラルの少ない軟水、または「赤ちゃん用の水」として販売されているミネラルを含まない純水を選ぶようにしましょう。国産のミネラルウォーターはそのほとんどが軟水です。
なお、ミネラルウォーターとはミネラルを含むものを指しているので、「赤ちゃん用の水」「調乳用」などとして売られているものは「純水」「ボトルドウォーター」と書かれていたりします。
水道水を飲ませても大丈夫?
日本の水道水も、国産のミネラルウォーター同様、軟水です。また、水質においても日本の水道水は法律で基準が定められており、世界的に見ても安全性が高く、安心して飲用水として使用できます。塩素が気になるようであれば、一度沸かしたものにするとよいでしょう。
トリハロメタンは大丈夫なの?
水道水は消毒のために塩素が使われており、これがトリハロメタンという成分を生成します。トリハロメタンは発がん性が疑われる物質であるため、不安に思う方もいるでしょう。
しかし、水質基準は生涯にわたって連続的に摂取しても健康に影響のないレベルを基準に定められており、トリハロメタンも基準値以下ですので、過度の心配は不要です。どうしても心配であれば、煮沸してから冷まして使いましょう。10分以上沸とうさせるとトリハロメタンが気化し、水中から除去することができます[*1]。
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調乳はミネラルウォーターがいい?
ミルクは水道水で作っても大丈夫
日本製の粉ミルクは、日本の水道水に溶かすことを考えて、ミネラル分が調整されているので、水道水を使用して問題ありません。ただし、先ほどお伝えしたとおり、塩素やトリハロメタンが気になる場合は、煮沸を長めに行うか、軟水のミネラルウォーターにするとよいですね。
調乳にミネラルウォーターを使う時は、軟水や純水のもの(ボトルドウォーター)であれば問題はありません。最初に粉ミルクを溶かす時に70℃以上のお湯を使い、そのあとに湯冷ましか、軟水や純水のボトルドウォーターを使いましょう。
関連記事▶【医師監修】ミルクの作り方、総おさらい! 準備~調乳~洗浄・消毒のコツ
赤ちゃんのお水の飲ませ方
赤ちゃんのお水の選び方がわかったので、次は飲ませ方のポイントをみてみましょう。
人肌に近い温度に調整
お水の温度は人肌に近い温度がよいでしょう。熱すぎるとやけどの危険があり、冷たいお水はお腹を冷やしてしまします。夏など気温の高い時期でも、温度は変える必要はありません。人肌に近い温度に調整しましょう。
お水の飲ませ方
はじめのうちはなかなかコップなどでは飲みにくいので、スプーンを使って少しずつあげていきます。慣れてきたらストローマグやコップであげるといいでしょう。
なお、ストローマグはいつごろから使えるのか、気になるかもしれませんね。ストローマグのストローは赤ちゃんが飲みやすい素材でできているものなどがありますが、生後何ヶ月になったら使えるということは一概に言えません。一つの目安として、ハイハイができるころに試してみるといいかもしれませんね。
水分補給のタイミングはいつ?
水分補給のタイミングは、
・朝起きたとき
・昼寝から目覚めたとき
・外出の前後や汗をかいたとき
・お風呂上り
・寝る前
・食事中
などがあります。授乳や食事のタイミングをみながらあげましょう。
赤ちゃんのおしっこの回数が減ったり、おしっこの色が濃くなっている時は水分が不足しているサインなので、こまめに水分補給してあげるといいですね。
まとめ
基本的に赤ちゃんの水分補給は母乳やミルクが優先のため、ミネラルウォーターを与えるなら5~6ヶ月ごろから少量と考えてください。その際は軟水や純水を選びましょう。ミネラルウォーターでなくても、水道水でも問題はありません。煮沸をすることでより安心に飲むこともできます。
また、離乳食に使うお水に関しても同様に考えて大丈夫です。成長に応じてお水が必要になってきますから、選び方を知っておくとよいですね。
(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)
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