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2020年06月15日 14:02 更新

【医師監修】月齢別赤ちゃんの睡眠の特徴 まとまって寝るようになるのはいつ?

赤ちゃんは、夜中も構わず起きたり泣いたりするもの。そんな赤ちゃんのお世話をするママも睡眠不足になったり疲れてしまったり…。どうして寝てくれないの?いつになったらまとまって寝てくれるの?と、泣きたくなってしまうこともあるでしょう。今回は、赤ちゃんの睡眠の特徴や睡眠時間を整えるコツについてご紹介します。

赤ちゃんの睡眠の特徴~いつになったらまとめて寝てくれる?

ぐっすり睡眠中の赤ちゃん
Lazy dummy

※画像はイメージです

1日の多くを寝て過ごす新生児の赤ちゃん。その後、日を追うごとに成長し、1歳になるころには起きている時間がだいぶ長くなります。赤ちゃんの睡眠はどのように変化するのでしょうか。まずは、そんな赤ちゃんの睡眠の特徴をご説明します。

月齢が低い赤ちゃんは寝る時間がバラバラ

生後間もない赤ちゃんは、基本的に昼夜問わず寝るもの。1回の寝る時間もバラバラです。特に新生児期(生後4週未満)~生後2ヶ月頃までは、授乳やミルクが終わるたびに眠ってしまい、だいたい2時間~4時間ごとに再び目を覚まします。

徐々にまとまって眠れるようになる

赤ちゃんは、月齢を重ねていくうちに徐々にまとまって眠れるようになります。個人差はありますが、生後3ヶ月~4ヶ月あたりからは昼夜の区別がついて、昼間起きている時間が長くなってきます。これぐらいの時期にはまだ夜中の授乳やミルクが必要な赤ちゃんも多いですが、それでも日中よりも夜に寝る時間の方が長くなります。

生後9ヶ月~12ヶ月あたりになると、身体を動かして遊ぶこともできるようになり、日中の活動がさかんになってきます。また、規則正しいお昼寝をすることにより、大人に近い睡眠リズムを作っていく時期です。

赤ちゃんの平均睡眠時間

次は、新生児から1歳頃までの赤ちゃんの1日あたりの平均的な睡眠時間と睡眠の特徴を月齢別にご紹介します。赤ちゃんによって個人差があるので、あくまでも目安として参考にしてみてくださいね。

~生後1ヶ月頃の睡眠時間

生後1ヶ月頃までの赤ちゃんの睡眠時間は、15時間~20時間くらい。1日のほとんどを寝て過ごしていることになります。2時間~3時間おきに目を覚ますことが多く、生活リズムは定まっていない状態です。特に生まれたばかりの頃は、基本的に睡眠、授乳・ミルク、排尿、排便を繰り返す日々で、昼夜の区別はありません。

生後2ヶ月~3ヶ月の睡眠時間

生後2ヶ月~3ヶ月頃の赤ちゃんの睡眠時間は、14時間~15時間くらい。1ヶ月健診を終えてから3ヶ月頃にかけて、徐々に昼夜の区別がつくようになります。続けて起きている時間も、3時間前後と長くなっていきます。

1回の母乳・ミルクの量も増えていくので夜中の授乳もその分減っていき、少しずつ夜まとまって眠れるようになっていきます。ただし、この時期の赤ちゃんは、眠っていても目を覚ましやすいのが特徴です。

生後3ヶ月~6ヶ月頃の睡眠時間

生後3ヶ月~6ヶ月頃の赤ちゃんの睡眠時間は、13時間~14時間くらい。昼寝を朝・昼・夕と3回して夜にまとまって眠るようになります。夜に6時間近く寝ることができる赤ちゃんも出てきます。

生後4ヶ月以降には、体内時計が少しずつ発達し、昼夜の区別がつきはじめます。この時期から、起きる時間と寝る時間を意識し始めたいところです。

生後6ヶ月~1歳頃の睡眠時間

生後6ヶ月~1歳頃の赤ちゃんの睡眠時間は、11時間~13時間くらい。生後6ヶ月を過ぎたあたりから、「明るい時間に起きて暗くなる時間には寝る」といった生活リズムが身につき、夜に長い時間連続で寝られる事が多くなります。

しかし、生後7ヶ月に入る頃から、夜泣きや寝ぐずりが目立つようになることがあります。原因ははっきりと分かっていませんが、乳歯が生え始めることでの違和感や脳の発達による刺激など、ストレスを感じる環境が重なるので、それらが関係しているのではないかとも考えられています。また、ハイハイや伝い歩きなど、日中の活動が広がることで、昼間にあったことを夜夢に見て起きてしまうとも言われています。

睡眠時間は1人ずつ違う

赤ちゃんの睡眠時間は、あくまでも人によってさまざま。平均の睡眠時間よりも短い・長いからといって成長が妨げられてしまうわけではありません。睡眠において最も大切なのは、目安の時間に合わせることではなく、赤ちゃん自身のリズムに合わせてあげることです。

夜も起きるのは普通? 新生児の眠りの特徴

生まれたばかりの赤ちゃんは、昼間はずっと眠っていて夜になると起きてしまうという印象を持っている人も多いのではないでしょうか。実際、新生児の眠りとはどのようなものなのでしょうか?

眠りが浅い

生後1ヶ月までの新生児は、1日中ほとんど寝ているイメージがありますよね。しかし、眠りそのものは浅く、小さな物音やちょっとした刺激だけですぐに起きてしまうことも少なくありません。

新生児の眠りが浅い理由は、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが関係しています。レム睡眠とは浅い眠りのことで、ノンレム睡眠は深い眠りのこと。通常、睡眠はこのふたつの眠りから成り立っています。大人が眠る場合、浅い眠りであるレム睡眠は全体の15~20%ほどとなっていますが、新生児の場合はレム睡眠が50%[*1]を占めているのです。

昼夜の区別がない

新生児は、ママのお腹から出てきたばかり。明るい時間に日光を浴びたり、夜が近づくと日が沈んであたりが暗くなるという1日の流れをまだ知らない状態です。そのため、昼と夜の区別もついていません。このような昼夜の感覚は、実際に明るい時間・暗い時間を身体を通して実感する経験を重ねることで身についていくものです。

昼夜の区別がついていないうちは体内時計も機能していません。そのため、お腹が空いたり不快感があると時間帯を問わず起きてしまうのです。

生活リズムができていない

昼夜の区別がついていない段階では、もちろん生活リズムも確立されていません。そのため、眠る時間・起きる時間がその日ごとに違い、バラバラです。

睡眠不足とは無縁

夜になっても寝ない、眠りが小刻み、などと新生児の眠りは気まぐれなのが特徴的。夜になっても深夜になってもずっと起きていたりすると、ちゃんと眠りが足りているのかどうか心配になりますよね。

しかし、赤ちゃんは基本的に本能のまま生きているもの。寝たい時に寝る、お腹がすいたら泣く、眠くない時には寝ない、というのが新生児の生活スタイルなのです。そのため、睡眠不足の心配はないと考えて良いでしょう。トータルでの睡眠時間が通常よりも短い場合でも、赤ちゃん本人にとってはそれがちょうど良い睡眠時間であるという事なので特に心配は要りません。

快適に寝かせる工夫を

赤ちゃんの睡眠は、時間だけでなく質も重要になってきます。たとえば、音や明かりが気になる環境では、眠ることはできてもリラックスできない状態での睡眠になってしまいます。長時間寝ることだけでなく、快適に眠れる環境を作ってあげることも大切です。

良質な睡眠がとれるように、まず寝室の環境を整えてあげましょう。部屋の温度は、夏の場合は26度~28度くらい、冬の場合は23度~25度くらいが適切です。湿度は、60%程度を保ちましょう。そのほか、寝床を設置する際にはエアコンや扇風機の風、直射日光などが直接当たらない場所を選びましょう。

また、赤ちゃんの不快感を解消することも大切。お腹がすいていたり、オムツが濡れていたり、どこかかゆい場所があったりするとせっかく眠りについても眠気が覚めてしまうことがあります。

赤ちゃんの睡眠、整えるコツ

赤ちゃんが睡眠時間を整えるためには、生活リズムそのものを整えることが大切です。パパやママの生活リズムが乱れている場合には、赤ちゃんと一緒に改善していくと良いでしょう。赤ちゃんの睡眠時間を整えていくために、次のことに注意して赤ちゃんと過ごしてみましょう。

基本的な過ごし方

・日中は明るい場所で過ごし、20時頃には部屋を暗くしましょう。
・寝る前の沐浴、入浴はぬるめの温度でしましょう。
・寝る前の赤ちゃんを興奮させるような遊びは避けましょう。

~生後1ヶ月頃まで

・日中は、それほど静かにしなくて大丈夫です。
・日中は、抱っこしたりなでたりと、赤ちゃんの肌に触れる機会を多くもちましょう。

生後1ヶ月~2ヶ月頃

・少しずつ昼夜の区別がついてくる時期です。日中に窓を開けて外気浴をしましょう。
・日中は、抱っこしたり話しかけたりと、赤ちゃんと関わる機会を多くもちましょう。
・寝る前のベビーマッサージもおすすめです。

生後3ヶ月~4ヶ月頃

・昼夜の区別がはっきりしてくる時期です。日中の散歩を日課にしましょう。
・寝返りが始まるなど、赤ちゃんの活動が増える時期です。日中にたくさん遊ばせてあげましょう。
・まだ昼夜逆転してしまうこともあるでしょう。その場合は、日中の散歩や遊びの量を増やすなど、調整してみましょう。

生後5ヶ月~6ヶ月頃

・離乳食をスタートしたら、食事の時間を中心に、日中の生活リズムをつくっていきます。

生後7ヶ月以降

・遊ぶ・食べる・昼寝の時間を決めて、日中の生活リズムをつくっていきます。
・日中の赤ちゃんが自分で動きまわることのできるような環境を用意してあげましょう。
・午後のお昼寝は、なるべく15時までに終わらせるようにしましょう。
・寝る前にたっぷり授乳し、夜中に空腹で目覚めないようにしましょう。

入眠儀式を行う

なかなか眠ってくれない赤ちゃんを寝かせるためには、どうしたらいいのでしょうか。これまでお話ししてきたように、月齢が低いうちは、睡眠リズムが整わないのは当たり前で、思うように寝てもらうのはなかなか難しいかもしれません。ただ、入眠儀式を取り入れることで、赤ちゃんが徐々に睡眠リズムを整えていく手助けをすることはできます。入眠儀式とは寝る前に行う習慣のことで、眠りにつきやすくなる効果があるといわれてます。入眠儀式の例としては、次のようなものがあります。
・ゆったりした音楽を流す
・背中をトントンする
・マッサージをしてあげる
・子守唄をうたう
・絵本を読み聞かせる

まとめ

月齢が小さいうちは生活リズムができていないので寝る時間も起きる時間もバラバラです。しかし、成長していくにつれて昼夜を区別できるようになり、まとまって寝られるようになっていきます。ママやパパも、赤ちゃんがきちんと生活リズムが確立できるよう、快適に眠れる環境作りや規則正しい生活習慣を心がけていきたいところですね。

参考文献
[*1]Roffwarg HP, Muzio JN, Dement WC: Ontogetetic development of the human sleep-dream cycle. Science 152; 604-619, 1966.

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.18)

※記事の修正を行いました(2019.06.04)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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