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2022年12月12日 16:51 更新

【助産師解説】断乳の圧抜きマニュアル〜方法やスケジュール、注意点

「断乳ってコツはあるの?」「断乳したいけど乳腺炎が心配」など、断乳についてより詳しく知りたい母乳育児中のママもいると思います。今回は、断乳と圧抜きの方法、断乳スケジュール、実施時の注意点などを解説します。

断乳には欠かせない圧抜き

断乳でおっぱいが痛いママ

職場復帰など社会的理由や病気治療など、断乳する理由は人それぞれですが、断乳を始めるとしばらくの間は胸が張ることがあるため、圧抜きを行いながら落ち着くのを待つことになります。

では、断乳期間中に圧抜きが必要な理由について見ていきましょう。

そもそも「圧抜き」とは

圧抜きは断乳期間中に行う、過度な乳房の張りを解消するための処置です。

断乳では「母乳は必要ないのでもう作らないで」と体に知らせるため、乳房内に乳汁が充満するまでためこみます。ママにとっては乳房が張って痛い状態で、乳腺炎を起こしてしまうこともあります。そのため、断乳中は乳房の張り具合を見ながら乳汁を軽く搾ることで、断乳を中断することなく過度な乳房の張りを軽減し、乳腺炎などのトラブルを防ぎます。

圧抜きの方法のコツは「おにぎり搾り」

おにぎり搾り

乳輪部分が刺激されると、乳汁を作るようホルモン(プロラクチン)が分泌されてしまいます。そのため断乳時の圧抜きでは、おにぎりを握るように両手で乳房全体を包み込み圧迫する「おにぎり搾り」で、乳輪部分を触らないようにしながら乳汁を搾ります。

乳房にしこりがあれば、乳腺炎を防止するためにもその部分を中心に圧迫します。なお入浴時に圧抜きを実施すると、搾り出した乳汁を簡単に処理できます。

多少搾りすぎても断乳期間が延びるだけです。リセットになるわけではありませんので、心配しすぎないでくださいね。

断乳のスケジュールと圧抜きのタイミング

断乳スケジュール

断乳を開始すると、乳汁産生抑制因子のはたらきで母乳の産生と分泌が抑えられます。また、母乳が出ていかず乳腺内にとどまることで、母乳を作る細胞(乳汁分泌細胞)は3日(72時間)ほど経過すると退縮し、その後、乳腺は妊娠前の状態を取り戻します。つまり、断乳は開始3日目までが最も辛く、その後徐々に落ち着いてくることが多いのです。

断乳をどうしても成功させたいあまり圧抜きを我慢してしまうと、しこりができたり乳腺炎を起こしたりすることもあります。ですから、搾りすぎに注意しながら、ママが痛みや不快感を感じない程度に圧抜きをして過ごすようにしましょう。よく分からない場合は、助産師に相談してくださいね。

断乳開始~72時間後(初日〜3日後)

断乳開始早々、最も辛い期間です。乳房は母乳でパンパンに張った状態になりますので、搾りすぎないよう加減をしながら母乳を排出させましょう。乳房の状態・分泌の状態にもよりますが、3日目に1度母乳を搾りきることが多いです。

4日〜1週間後

乳腺細胞と乳汁分泌細胞の変化が進んで、乳房の張りや痛みのピークは超えたと感じることが多い時期です。張りを感じた時のみ、圧抜きを行いましょう。

1週間以降

乳房が張る感触や痛みが消えてそのまま過ごせるような状態になれば、断乳は順調に進んでいます。断乳開始後1カ月ほどで、搾乳してもじわっとにじみ出てくる程度になります。ママがつらさを感じなくなったら断乳完了と考えていいでしょう。

圧抜きの注意点

断乳中に圧抜きを行う際の注意点をまとめました。

圧抜きの回数やタイミングをきちんと変えること

圧抜き

乳汁の貯蓄可能量は個人差があります。乳汁は飲ませる頻度と量が多いほど産生量も多くなります。

1日の授乳回数が2回程度で、母乳分泌が少なくなっていれば、2日目の夜に軽く搾る程度で問題ないことが多いです。一方、授乳回数が7〜8回程度だとそれだけ乳量も多いことが多く、乳房が熱を持ちやすいため断乳期間も長くなり、こまめな圧抜きが必要になります。

乳房の張りは解消していないけれど、少し楽になった」と感じる程度になるよう、様子を見ながら軽く搾りましょう。

あせらず自分のペースで進めること

急に授乳をやめると、ママだけでなく赤ちゃんにも負担をかけることになります。赤ちゃんからすれば、今まで何も問題なくもらえていたママのおっぱいが急にもらえない状態です。断乳は急ピッチで進めれば1週間程度で終えることもできますが、可能であれば、赤ちゃんのことを考えて1週間ごとに1回ずつといったように授乳頻度を少しずつ減らして無理なく進めてもいいかもしれません。

断乳が思うように進まないと、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。そうしたときは、かかりつけの産婦人科や助産院を遠慮なく頼ってください。ママたちのお悩みや苦しい思いをとことんお聞きますし、断乳や圧抜きのコツなどをアドバイスすることもできます。

違和感を感じたら産婦人科に相談を

産婦人科で相談

乳房にしこりがある、腫れてきた、発熱などの症状が出たら、すぐに母乳外来のある産婦人科を受診してください。

また、断乳完了数ヶ月以上も母乳が出ているようなら、病気(高プロラクチン血症など)が原因である可能性もありますので必ず医療機関を受診してください。また、乳房にしこりがある場合も、乳腺外科を受診しましょう。

まとめ

ママと赤ちゃん

圧抜きは、断乳期間中の乳房の張りや痛みを軽減するのに欠かせません。圧抜きをするときは、乳房をおにぎり握りで圧迫し、しこりがあればその部分を中心に押し、乳汁を軽く搾り出します。
断乳による乳房の張りや痛みは、開始後72時間が最も辛くその後徐々に落ち着いてきます。断乳期間と圧抜き回数はママによって異なります。断乳がうまくいかないときは一人で抱え込まず、かかりつけの医療機関を頼ってください。

(文:本河美佳/監修:坂田陽子 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1] NPO法人 日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC) <断乳>母乳育児支援スタンダード第2版(2015年 医学書院)


※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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