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2021年06月12日 17:30 更新

【医師監修】生理中は眠い・だるい……その原因と対処法、普段からできる対策とは

生理中は毎回眠くて仕方がないし、体もだるくて辛いと感じる人は多いのではないでしょうか。ここではそんな症状が起こる原因と少しでも改善するための対処法、生理ではないときからできる対策について解説します。

生理中は異様に眠い・だるい……その原因は

ソファにだるそうにする女性

生理中、何をしても眠いし、だるいといった症状は、何が原因で引き起こされるのでしょうか。

生理中眠い原因はホルモンの変化

女性は生理(月経)周期とともに、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの分泌が変動します。

生理周期と女性ホルモンの変動イメージ(1サイクル28日の人の場合)
生理周期と女性ホルモンの変動イメージ(1サイクル28日の人の場合)

くわしいメカニズムはまだよくわかっていないものの、女性ホルモンの変動は睡眠に影響を与えると言われており、とくに「生理前」と「生理中」は睡眠の問題が起こりやすい時期です。

メラトニンの分泌に影響して睡眠のリズムを乱す

女性ホルモンの変動は、概日リズムを調整する「メラトニン」というホルモンの分泌に影響すると言われています[*1]。

人間は地球の自転による昼夜の変化に合わせて、身体の基本的な機能を約24時間のリズムで調整しています。これは「概日リズム」と呼ばれ、脳の視床下部にある「体内時計」によってコントロールされています。

メラトニンは脳の松果体という箇所から分泌されますが、その分泌量は「夜間に多く、昼間に少なく」なっています。昼間に眼から光が入ると、同じく脳の視床下部にある体内時計を経てその情報が松果体に届き、メラトニンの分泌は抑制されます。一方、光の少ない夜にはメラトニンの分泌量は「昼間の十数倍に増加」します。

このように昼夜ではっきりした分泌量の変動があるメラトニンは、脳から血流に乗って移動することで体内の他の器官に概日リズムを伝えています。また、メラトニンは眼から入る光の刺激とともに体内時計自体を調整する役割も担っています[*2]。

つまり、「女性ホルモンによってメラトニンの分泌が変化」すると、体内時計そのものや概日リズムが狂い、睡眠のサイクルも影響を受ける、つまり「時差ボケ」のようになり、昼間も眠い状態になる可能性があるのです。

生理中夜眠れないのもホルモンの影響

ベッド 女性 眠れない

女性ホルモンの変動はメラトニン分泌に影響して睡眠のサイクルを乱すほか、生理前にとくに分泌量が増減する「プロゲステロン」が睡眠問題を引き起こす可能性もあると言われています。このホルモンには体温を上昇させる作用がありますが、これにより生理前になると夜間深く眠れなくなることがあるのです[*1]。

通常、体内時計に従って、「夜間は体から熱を逃がし脳を冷やす」働きが体内で起こりますが、このときに眠気は強くなります。プロゲステロンによる体温の上昇は、この「体温調節のリズム」を乱し、うまく寝入れなくなったり何度も目覚める原因になると考えられています。

仕事中・勉強中なのに眠い……生理中の眠気の対処法

女性ホルモンの影響を受けて起こる生理中の眠気やだるさですが、何か対処法はあるのでしょうか。

昼間に20分以内の仮眠をとる

睡眠の問題を改善するために、適切な長さの仮眠をとるのは効果的です。心身を回復させる睡眠として短すぎず、また昼寝の後でかえって眠気を起こすほど長すぎない、理想的な仮眠の時間は「10~20分」と言われています[*3]。

入浴する

バスグッズ

入浴によって寝る前に一時的に体温を上げるのも効果的です。さきほども解説したとおり、「脳の温度が低下するとき」に、眠気は出現しやすくなるからです。ただ、就寝直前に入浴すると体が温まったばかりですぐには脳が冷えないので、なかなか眠気が訪れず逆効果になることも。

「就寝2、3時間前に入浴」すると、寝つきは悪くならず、かつ深い睡眠が得られると言われています[*4]。

漢方や低用量ピルで対処する

生理前から眠気があり、生理が始まると少し軽くなるようなら、「月経前症候群(PMS)」による眠気や睡眠障害の可能性もあります。

PMSと診断されたら、「低用量ピルなどのホルモン剤」で排卵を止め女性ホルモンの変動を少なくしたり、「体質に合った種類の漢方薬」などによる治療で症状の改善を目指します。PMSによる眠気が疑われたら、婦人科を受診して相談してみましょう。

生理中の眠気に備えて普段から対策しておこう

生理中の眠気の改善には、生理ではない時から健康的な睡眠習慣を続けることも役立ちます。

夕方から夜にかけて運動する

「適度に運動する習慣」があると、寝つきが良くなり深い睡眠が得られるようになります。とくに「夕方~夜(就寝の3時間くらい前)」にかけての運動が効果的と言われています[*4]。

運動は入浴と同様、一時的に体温を上げ、運動しない場合と比べて就寝時の脳の温度低下を大きくします。これが眠気を引き起こすのに役立つのです。ただし、運動も就寝直前は禁物。体を興奮させ、かえって寝付きにくくなってしまいます。

寝る前のスマホをやめる

ベッドの上でスマホを見る女性

スマートフォンやタブレット、テレビ、PCなどの画面は睡眠サイクルを乱す「ブルーライト」を発しています。

このブルーライトは、光の中でももっとも概日リズムに影響を与えると言われています。太陽が発するブルーライトを日中浴びると、概日リズムを調整し、睡眠のサイクルを整えてくれます。

ところが、スマホなどのデバイスの発するブルーライトが夜間に眼から入ると、昼間の太陽光同様、「眠気をもたらすメラトニンの分泌を抑制」してしまうのです。

これを防ぐためには、就寝前にはこうしたデバイスをできるだけ使用しないようにします。「就寝の2~3時間前」に電子機器の電源をオフにするよう、アラームを設定してみると良いかもしれません[*5]。スマホの「おやすみモード」や「休止時間の設定」を活用しても良いですね。

カフェインは「過剰摂取」と「夕方以降の飲用」を控える

カフェインは、脳に働きかけて睡眠を引き起こす物質の作用を邪魔するので、睡眠時間が足りないときや疲れているときでも、カフェインを摂ると眠れなくなります。就寝時間近くにカフェインを摂ると、入眠の時間が遅れることにより、概日リズムに影響することもあります。

カフェインは体に入ると代謝されて体外に排出されます。それにかかる時間には個人差がありますが、摂取したカフェインが「半分になる時間は通常4~6時間」と言われています[*6]。これは想像していたより長いのではないでしょうか。

ニコチンの作用で喫煙者ではカフェインの代謝時間はこれより短くなりますが、妊婦さんでは通常より長くかかります。そのため、赤ちゃんに影響する心配があるので、妊娠中のカフェイン摂取量は通常時より少ない量にとどめたほうが良いと言われています。

妊娠中でない場合のカフェイン摂取量は、「コーヒーなら多くても1日マグカップおよそ3杯(カフェイン400mg)まで」が健康的に過ごせる量とされています。また、飲むなら「就寝時刻の最低6時間前までに飲む」ようにすると、睡眠への影響を抑えられます[*6]。

まとめ

ソファの上で深呼吸する女性

生理中に眠気やだるさを感じる原因と対処法、生理以外のときにもできる対策について紹介しました。仕事や家事などで忙しい日中、低空飛行の状態になると困ってしまいますよね。生理中だから仕方がないとあきらめず、ここで紹介した対処法を一度試してみてください。女性はホルモン変動があるのでどうしても睡眠サイクルが狂いがちですが、上手な対処法を身に着けて、普段から十分な睡眠がとれるよう意識していきましょう。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:窪麻由美先生)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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