妊娠 妊娠
2021年04月19日 17:28 更新

妊婦の食事におすすめのパンとNGのパン【管理栄養士監修】

妊娠中に必要なエネルギーを補うため、炭水化物をしっかり摂ることが必要です。パンは食事の主食にも、おやつなどの間食にもできるので、取り入れやすいですね。ただ、様々な種類があるパンはあれこれ幅広く楽しめる反面、選び方が重要になってきます。今回は妊娠中のパンの選び方について紹介します。

妊娠中もパンが食べたい!

Photo by Jem Sahagun on Unsplash

パンはおいしく手軽なので、ついたくさん食べてしまいがち。妊娠中はどれくらい食べていいのか悩みますよね。

パンは妊娠中に重要な炭水化物

妊娠中に心がけたい食事内容については「妊産婦のための食事バランスガイド」に記載されています。そこでは“「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと”とあります[*1]。ご飯、パン、麺類などの主食を中心にして、エネルギーをしっかりと補いましょう。

妊婦さんによっては、体重が増えることを嫌がってご飯を控えめにしてしまう人もいるようですが、妊娠中に炭水化物を減らす必要は全くありません

主食は1日に5〜7SV(妊娠後期は6〜8SV)必要です。1SVは食パンだと1枚、ロールパンならば2個となります。なお、ごはんであれば小盛1杯分となります。

※SV(サービング):食事の提供量の単位

パンの糖質には注意が必要?

炭水化物は大きく分類すると糖質と食物繊維に分かれます。

エネルギーの源となる糖質は一定量必要で、パンの糖質を減らすなどのことは考えなくても構いません。しかし、必要以上に摂ることで体重が増えすぎてしまうこともあるので、適量にしましょう。1回の食事で食パンならば2枚程度にとどめておけるといいですね。

妊婦におすすめのパン

Lazy dummy

パンは種類問わず食べることができますが、もし自分でパンを選べるなら、ミネラルや食物繊維が豊富なパンがおすすめです。

ライ麦パン

ドイツを代表するパンのひとつで、しっとりと独特の酸味を持つパンです。薄くスライスするとおいしく食べられます。

水溶性食物繊維・不溶性食物繊維やビタミンB1・B6などのビタミン類、カリウム・マグネシウム・鉄などのミネラル成分が含まれます[*2]。食パンに比べて脂質が半分くらいなので、脂質が気になるときなどには選べるといいでしょう。

全粉粒パン

全粒粉パンは、小麦をまるごと製粉した全粒粉を使って作るため、小麦胚芽が含まれます。

胚芽には食物繊維やミネラルが多く含まれているので、全粒粉パンには水溶性食物繊維・不溶性食物繊維、ビタミンB1・B6・ナイアシン・葉酸などのビタミン類、カリウム・マグネシウム・鉄などのミネラル成分が含まれます[*2]。

妊娠中はミネラルもしっかり摂りたいので、食パンばかりではなく、できたらたまには全粒粉パンなどを選んだりしてみるといいでしょう。なお、玄米や全粒粉は人によってはお腹の調子が変わる場合もありますので、無理なく取り入れてくださいね。

妊婦は控えたいパン

クロワッサンとコーヒー
Photo by Roman Averin on Unsplash

妊婦さんがちょっと控えた方がいいパンをご紹介します。

菓子パン

菓子パンは、あん、ケーキ、ジャム、チョコレート、ナッツ、砂糖、油脂などで加工したものを挟んだり、練りこんだり、塗ったりしたものなどを指します。

そのため、脂肪分や糖分が多くなりますので、たまのご褒美として食べる程度にとどめ、毎日食べるようなことは控えましょう。

クロワッサン

クロワッサンは、バターやマーガリンをパイ生地のように織り込んで焼き上げて作られます。サクサクした食感でおいしいのですが、油脂が多く使われるので高カロリーとなります。

たくさん食べてしまうと、ビタミンやミネラルをほとんどとらずに脂肪と糖を多く摂ってしまうことにつながります。食べすぎには注意しましょう。

妊娠中にパンを食べるときのポイント・注意点

妊婦さんがパンを選んだり食べたりするときのちょっとしたポイント&注意点をご紹介します。ちょっと気を付けるだけで、ぐんと健康的な食生活に近づきます。

カロリーや糖質に注意してパンを選ぶ

Lazy dummy

先ほど例にあげたような、菓子パンのようにカロリーや糖分が気になるようなものや、クロワッサンのような油が多いものは注意が必要ですね。食パンなどなるべくシンプルなパンを選び、甘いパンが食べたければ、バターときな粉を塗ってみたり、カッテージチーズを塗ってフルーツを飾ってみたり、ピーナッツペーストを塗ってみたりすると、プラスした食材からの栄養も摂れたりするのでいいですよね。

カロリーや糖質が過多にならないだけではなく、もしできたらミネラルが摂れるかも注目したいポイント。胚芽などを含む茶色いパンを選べるとさらにいいでしょう。

パンばかりに偏り過ぎない

ご飯に比べ、パンは塩分が多くなります。それは、パンの材料に食塩が使われているため。主食はパンに偏らせず、一日の食事の中にご飯も組み合わせて、メリハリをつけるとよいでしょう。

まとめ

Photo by Dan Gold on Unsplash

パンはさまざまな種類がありますが、組み合わせ次第で不足する栄養素を気軽に補うことができます。ただ、菓子パン類は糖分や脂肪分が多いので、主食としては選ばないほうがよいでしょう。また、ライ麦パンや全粒粉パンなどにすると、摂りにくい栄養素を補えます。塩分を含むのでパンばかりに頼らずご飯などの主食も取り入れて、無理なく栄養素を補っていきたいですね。

(文:夏目千恵子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-