【医師監修】4歳児の理想的な睡眠時間は? なかなか寝ない原因と睡眠不足の影響

【医師監修】4歳児の理想的な睡眠時間は? なかなか寝ない原因と睡眠不足の影響

保育園や幼稚園で年少さんになる4歳は、本格的に集団生活が始まる年齢。そうした生活環境の変化が睡眠リズムにも影響を与え、十分な睡眠時間がとれなくなることも考えられます。そこで今回は4歳児の理想的な睡眠時間や睡眠不足に陥りがちな原因などを調べてみました。


4歳児の理想的な睡眠時間とは

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まずは4歳児の睡眠の特徴と、理想的な睡眠時間について知っておきましょう。

4歳児の睡眠の特徴

4歳ごろには、夜間にしっかりと眠り、まとめて睡眠をとることができるようになっています。ノンレム睡眠(大脳を休める睡眠)とレム睡眠(覚醒に近く、夢を見る睡眠)を繰り返すサイクルも、大人と基本的に変わりません[*1]。

また、幼稚園などでの集団生活を始めると昼寝をしなくなることもあり、それによって睡眠のリズムにも影響がみられます。

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4歳児の理想的な睡眠時間

4歳児の推奨睡眠時間(理想的な睡眠時間)も、3歳児と基本的には同じで10~13時間となります。短くても8~9時間は睡眠時間を確保できるように心がけましょう[*2]。

また、幼児の睡眠時間は短くてもよくないですが、長ければいいというわけではありません。1日のうちで睡眠時間の占める割合があまりに多くなりすぎると、その分活動量が減ってしまうので、睡眠時間は長くても14時間以内にとどめるようにしておきましょう[*2]。

4歳児の平均睡眠時間は

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では、4歳児の実際の睡眠時間と理想の睡眠時間にはどれくらいの差があるのでしょうか。

4歳児の平均睡眠時間については、社団法人日本小児保健協会が平成22年度に行った調査に書かれています[*3]。それによると4歳児の半数以上が夜9時に就寝し、翌朝の7時に起きていることがわかります。そこから割り出すと、4歳児の夜間の睡眠時間は約10時間だと考えられます。また4歳では、半数以上が1~2時間の昼寝をしているようです。これらから判断するに、日本の4歳児の平均睡眠時間は10~12時間となり、理想的な睡眠時間とほぼ同じだと言っていいでしょう。

子供が寝ない…考えられる原因は

4歳ころになると徐々に、夜ふかしが習慣になっていたり、なかなか寝つかないことが多いといったケースが見られるようになります。そんな場合に考えられる原因には、一体どんなことがあるのでしょう。

メラトニンの分泌が抑制される

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メラトニンとは、体内時計の調整に重要な役割を担っているホルモンの一種で、通常は就寝時間の1.5~3時間くらい前から分泌され始め、眠気を誘発します[*2]。

しかし、メラトニンは明るい光で分泌が抑えられてしまうので、夜遅くまで明るい部屋で過ごすなどしていると、眠気が起きなくなってしまいます。そうなると、眠ろうとしても眠れずに就寝時刻が遅くなったり、寝つきが悪くなったりすることがあります。夜、本来ならば寝る時間になっても目がさえて眠れないという子供の体内では、こうした作用が働いている可能性があります。

寝る直前までスマートフォンやタブレット端末をいじるなどに心当たりはありませんか? 就寝の数時間前から徐々に部屋の照明を抑え気味にしたり、ブルーライトを発する電子機器を遠ざけるなど、子供が眠りにつきやすくなるような工夫をしてみましょう。

日中の身体活動が少ない

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日中の身体活動量(運動量)も、睡眠のリズムを左右する一因として重要です。ただダラダラ過ごすだけでは疲れず、眠くなりにくいもの。本来起きている時間にきちんと起きて活動しておかないと、睡眠の妨げになってしまいます。

乳幼児の睡眠と発達を調べた研究報告によると、「早起きの子供は遅起きの子供よりも日中の身体活動レベルが高い」「就寝時刻が21時よりも早い幼児は、21 時以降に就寝する幼児に比べて身体活動量が多い」といった報告がされています[*2]。日中、活動すべき時間帯にしっかりと体を動かすことで、よりよい睡眠がとれるようになるかもしれません。

睡眠不足になるとどうなる?

夜ふかしなどで睡眠が不足すると、子供の体にはどんな影響があるのでしょう。直近に起こりやすい短期的な影響と、先々影響が出る将来的な問題、それぞれについて見てみましょう。

短期的には多動や知能の低下のリスク

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睡眠不足の短期的な影響としては、落ち着きがなく、じっとしていられない「多動」の増加や考える力の低下などが挙げられます。

具体的には6歳になるまで睡眠時間が10時間以下だった場合、しっかり睡眠をとっているグループと比較して多動の傾向が強くなったり、知能検査などにおいて成績がかんばしくなかったりという結果となりました[*2]。とくに3歳半以前の睡眠時間の短さと大いに関係するようです。このことから、睡眠不足は子供の発達に少なからぬ影響を与えると言えるでしょう。

将来的に影響を与えることも

また乳幼児期の睡眠不足は、将来的な問題を引き起こすこともあります。

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・イライラや気持ちの落ち込み
・長期にわたる成績の低下
・慢性的な眠気や倦怠感(だるさ)
・肥満

こうしたさまざまな問題を長期にわたって抱える可能性があるといわれています[*2]。乳幼児期に適切な睡眠時間を確保することは、決して一時的な問題ではなく、その後の人生の長きにわたって問題となるかもしれないことを、覚えておきましょう。

スムーズに眠るためのポイント

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睡眠不足を防ぐには、子供がスムーズに眠れる睡眠環境を作ることも大切です。そのために重要なポイントをいくつか紹介します。

子供が安心して眠れるよう大人も協力を

子供は大人が思う以上に繊細です。ちょっとしたことがきっかけで眠れなくなってしまうこともあります。そのため、入眠に快適な室温にし、照明の明るさを落とすなど、子供が安心してぐっすり眠れるように寝室の環境を整えておきましょう。

また保護者が夜ふかししがちな場合、それが子供にも影響を与えることがあります。子供の就寝時間になったら、起きている大人は音や光に気をつけるようにしましょう。また、時間が許すのであれば、子供のベッドタイムに合わせて大人も一緒に寝てしまうのもありです。

寝る前のスマホやタブレットの使用は避ける

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寝る前にテレビやスマートフォン、タブレット端末などから発せられるブルーライトなどの明るい光が目に入ると、寝つきが悪くなり、睡眠の質が下がるとされています[*3]。それが続くと、いつしか慢性的な睡眠不足を招きかねません。寝る数時間前からはなるべく電子機器を遠ざけるといったルールづくりをするとよいかもしれません。また、ついついしてしまう寝かしつけ時のスマホ使用などにも気をつけましょう。

昼寝のさせすぎに注意

子供にもよりますが、夜にしっかりと10時間以上のまとまった睡眠がとれるのであれば、昼寝は必ずしもする必要はありません。子供が眠くなさそうであれば、昼寝はさせなくてよいかもしれません。日中、外でたくさん遊んで活動量の多かった日も、昼寝をするにしても必要以上に長時間寝かせることは避けたほうがよいでしょう。

まとめ

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睡眠不足は今だけでなく、先々まで子供の心身に影響を与える可能性があるため、適切な睡眠時間を確保することはとても重要ですが、一朝一夕にはいかないもの。まずは昼寝やブルーライトなど睡眠に影響を与えるものを知り、子供の様子を見ながら、生活習慣や睡眠週間をどう整えていくのがよいのか、親子で一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

(文:山本尚恵/監修:丘逸宏 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター「未就学児の睡眠指針」2018.3
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf
[*2]「乳幼児の睡眠と発達」Japanese Psychological Review 2017, Vol. 60, No. 3
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/60/3/60_216/_pdf
[*3]綾木雅彦ほか「住宅照明中のブルーライトが体内時計と睡眠覚醒に与える影響」住総研 研究論文集,42,p85-95,2015
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jusokenronbun/42/0/42_1408/_pdf/-char/ja

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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