育児 育児
2024年04月05日 07:07 更新

子ども同士・子どもと先生、小学校でトラブルが起きたら親はどうすればいい?|どう乗り越える? 小学生の壁#3

小学校には6学年にわたる子どもたちが集まり、毎日長い時間をどもに過ごします。人が集まれば人間関係のトラブルは必然的に起こるもので……。

子どもが小学生になって発生する不安について、子育てアドバイザーの高祖常子さんの著書『どう乗り越える? 小学生の壁』(風鳴舎)を参考に考える本連載。

第三回目の今回は、
✅ 上級生、先生とのトラブル
についてお伝えします。

Q 上級生、先生に子どもが怒鳴られた!?

※画像はイメージです

■ 体験談と対処法

上級生に怒鳴られて
上級生(2年生)に怒鳴られたことがあり、「先生に言うのですよ」と伝えたが、旦那が深刻に受け止め学校の担任に手紙を書いた。担任もしっかり受け止め対応してくれたが、私はそれくらいどうってこと無いと受け止めたため、どこまで伝えるべきか判断が難しいなと感じた。(くみみんさん)
---------------------------
「担任に手紙→しっかり対応してくれ、怒鳴りつけた相手(わが子)に謝ってもらう。本人は安心したようです。」

校長先生が叱責
校長先生が悪いことをした生徒を校長室で叱責する人で、わが子が小4のときに着任以降、卒業まで落ち着かなかった。(エモリさん)
---------------------------
「担任と丁寧な面談を重ねた。スクールカウンセラーや自治体の教育委員会の心理面談にも通った。」

体験談は上級生と校長先生ですが、担任の先生から叱責されるということもあります。くみみんさんの場合、上級生から怒鳴られたことを担任の先生に手紙で伝えたとのこと。もちろん内容や状況にもよりますが、担任の先生はクラス全員をみなくてはならないので、すべてを把握するのは無理なことです。まずは対処してもらうということの前に、事実として伝えておくということは必要です。

伝え方としては、くみみんさんのパートナーのように、手紙で伝えるというのもひとつの方法でしょう。口頭で伝えるよりも、整理しやすくなります。ただ、書いたものは残りますから、事実や、子どもの気持ちや状況、対処についての希望など書き出したうえで、感情的な表現になっていないかを確認することが大切です。

※画像はイメージです

「怒鳴られた」といっても、とても繊細な子は、大きな声を出されただけでそう思うように、感じ方は子どもによってそれぞれ異なるということを知っておきましょう。

また、上級生や教師、校長先生に叱責された、怒鳴られたというときに「あなたが悪いから、怒鳴られても仕方ない」といった声がけは避けましょう。もし子ども自身が悪いことをした場合には、十分に反省しているでしょうから、さらに親が叱責することは不要です。なぜそのような言動をしたのか、どうしたらよかったのかを子どもに聞いて話してみるようにしましょう。


エモリさんの体験談の校長先生がどのような人だったのかはわかりませんが、そもそも校長室に呼び出すというのは、子どもにとってとても重い行為です。度重なるようなら、そこまで何か問題があるのか、ほかに解決方法はないのかを親も一緒に考えてみてはどうかと思います。同じことで何度も呼び出して叱るのは、校長先生にも負担がかかるでしょうし、子どもが成長できていると思えません。さらに子どもが委縮してしまう可能性もあります。

校長先生が聞き入れてくれない場合は、教頭先生から助言してもらえないかまず相談してみましょう。それでも改善されない場合は、教育委員会に伝えて、校長に申し入れてもらうようにしましょう。

担任の先生との面談はもちろん、スクールカウンセラーや教育委員会の心理面談にも通ったとのことで、メンタルにも影響があったのかもしれませんね。お子さん自身の特性的なこともあったのかもしれません。もちろん子ども自身が学校で自分の気持ちを伝えたり、コミュニケーションを取っていくことは大事ですが、先生や校長先生、上級生などとの関係がうまくいかなくて困っているようなら、エモリさんのように、親が状況整理に動くことも必要でしょう。

そして、そのように親が動いてくれたことを、子どもは見ています。親は自分の味方なんだという思いを強くし、子ども自身、どのようにしていくべきなのかを考えるきっかけになったり、成長にもつながっていくことでしょう。

◆子どもへの理解

子どもが悪いことをしていればそれは改善すべきですが、何度も呼び出したり、怒鳴りつけるなどで子どもが怖がり委縮しているなら、それも問題です。

◆対応のヒント

子どもに状況を聞いて、親にして欲しいことがあるか聞く。
先輩や先生との関係など、状況整理が必要なら、子どもと相談して学校やスクールカウンセラー、副校長、校長、教育委員会などに伝える。

小1は人間関係にとても疲れる時期

※画像はイメージです

小学校に入り、先生や友だちなどいろいろな人間関係が広がっていきます。学校や先生との関係について、まず押さえておきたいのが、子どもを取り巻く環境が大きく変わるということです。

そして子ども自身、園生活から小学校生活に変わる大きな変化によって、小学校入学してしばらくは心も体もとても疲れているということを理解しておきましょう。疲れていると、思い通りにできなくなることも多いものです。新しい友だち、授業や宿題など初めてのことばかり。心も体も疲れているので、親としてはまず、家庭での生活習慣を整えることを心がけましょう。


今まで出会わなかったような友だちと一緒のクラスになることもあります。それも子どもにとっては大きな体験です。落ち着きがない子(人)などもいるのが世の中。いろいろな人がいるという世の中を生きていくために、どう付き合っていくのかを学んでいくことも大切な経験です。

もちろん、友だちから暴力を振るわれたり、いじめられるというようなことがあってはなりません。そういったことを子どもから聞いたり情報をキャッチしたら、子どもと話し合いながら、場合によっては先生や学校に相談するといいでしょう。

子どもの力を信じて任せることも大事ですが、今は問題が複雑化してしまう傾向もあります。状況にもよりますが、「あなたの問題なんだから、先生(友だち)に言えばいいじゃない。あなたができることをやってみなさい」と言うと、繊細な子は、自分で解決しなければいけない、親に心配をかけてはいけないと考えてしまい、「言えない自分はダメな子だ」と思い詰めてしまうこともあります。

まずは困りごとを受け止めて、「どうしたい?」「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、「ママ(パパ)にして欲しいことはある?」と聞いてみるといいでしょう。子どもからいじめなどのトラブルを聞いた場合、親がすぐに学校に相談してしまうことはよくありません。場合によっては、「ちょっと話を聞いて欲しかっただけなのに、なんでいきなり先生に言うの?」「まずは自分から友だちに言おうと思ってた」などと、子どもの心を傷つけてしまうことも。まずは子どもに「どうしたいか」「して欲しいことがあるか」を聞いて、子どもの力になることを心がけましょう。ただし、いじめが続くなど心配な場合には、子どもと相談したうえで、先生に伝えるなどの方法を考えるといいでしょう。

※この記事は『どう乗り越える? 小学生の壁』(著者:高祖常子、風鳴舎)より一部抜粋・再編集しています。

どう乗り越える?小学生の壁
¥ 1,760 (2024/04/05時点)
(2024/3/12時点)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-