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2024年03月16日 06:42 更新

「働きたいけど子どもに罪悪感」のモヤモヤを解消した知人からの金言とは?/横澤夏子さんインタビュー【2】 #拝啓、復職前の自分へ

現在、未就学児3人の子どもを育てる横澤夏子さん。仕事復帰のタイミングは3人とも4、5ヶ月だと話す横澤さんを待ち受けていたのは、「37.5度の壁」と、夕方の大奮闘でした。全3回でお送りするインタビューの2回目をお届けします。

横澤夏子さん

働きながらの予防接種パズルに四苦八苦!

ーー出産後、どれくらいで仕事復帰しましたか?

横澤夏子さん(以下、横澤) 3人ともだいたい4、5ヶ月で復帰しています。出産前はもっと早く働けると思っていましたが、いざ産んでみたら体はボロボロで眠いし、子どもと離れたくないし……と、いろんな気持ちになって「え、働くの……?」という気持ちになりまして。いざ復職したものの、楽屋でベビーカメラをめっちゃチェックしちゃって仕事どころじゃないし、子どもが泣いている姿を見てこっちも泣いちゃうし。「遠隔泣き」ですよ(笑)。

ーー遠隔泣き(笑)。見えると気になりますよね。

横澤 だからもう自分の中で「見ちゃいけない」というルールを作りました。保育園に預けるときも、目の届かない場所に預けることについて心が引き裂かれる思いでした。それは初めての感情でしたね。「仕事がしたい」という気持ちがあればあるほど、「子どもに申し訳ない」という気持ちも湧き上がって。結局、私が仕事をすれば子どもの血となり肉となるんですけど、一緒にいられないことへの罪悪感はありました。

横澤夏子さん

ーーその葛藤は解消されましたか?

横澤 そうやって悩んでいた時期に「保育園は、子どもが親以外の大人からかわいがられる練習をするところなんだよ」と教えてくださった方がいて、「じゃあかわいがってもらおう! 練習してきなさい」という気持ちになれたんです。それにいざ預けると、お迎えのときに電流が走ったみたいに「ママ〜〜!」と駆け寄ってくるじゃないですか。その姿を見て「うわあ、うれしい!」と思えてより心が軽くなりました。

ーー保育園は4月入園かと思いますが、それまではベビーシッターさんでしょうか。

横澤 そうですね。このやりくりもたいへんでした。シッターさんのスケジュールを聞いて、それを事務所に伝えて……もうパズルみたいで。予防接種もそう! 「風邪を引かずに無事予防接種を打てた!」と、うまく組み込めたときの爽快感や達成感はすごいですよね。自分の自信につながる。母子手帳にシールが貼られるだけで、うれしくてしょうがない。シールが輝いて見えます。

ーー予定通りスムーズにいくときのうれしさは代えがたいですよね。一番大変だったやりくりは?

横澤 やっぱり病児保育ですね。「保育園入園後の1、2ヶ月はまったく通えないよ」と噂には聞いていましたが、ちゃんとそうなるんだなと。「37.5度が出たら翌日は保育園に行けない」というルールもそこで初めて知るわけです。

保育園の玄関先で、病院&病児保育を予約する

ーー洗礼ですね。

横澤 「ええー! こんなに元気なのに!?」みたいな。「じゃ、じゃあどうすれば……」と保育士さんに迫りたくなるというか、絶望ですよ。子どもが元気でも、こっちのメンタルは削られるんです。で、「明日の仕事、どうしようか」と、いろんな引き出しをガーッと開けて考えて。「病院の予約入れて……病児保育探して……アレ? 病児保育のシッターさん捕まらないじゃん! どうしよう……」ということを保育園の玄関先で必死にやる。

ーー家に帰るのを待ちきれずにやるわけですね(笑)。

横澤 むしろ、発熱の電話をもらった時点で、仕事現場ですでにこういうことを考え始めているんですけどね(笑)。もうマニュアル化してほしいですよ。近道ないんですかね? みんな通る道ですよね。

ーーたしかに! フローチャートでマニュアル作りたいですね。

横澤 みんなそれを頭の中でやっているんですよね。「親に頼れる/頼れない」「病児保育A/病児保育B」とか。

小児科の廊下でこんな光景を見たことがあります。未就学児連れのお母さんが「明日ちょっと行けなくて……すみません……」と電話していて。どこも一緒なんだな、私だけじゃないんだな、と思って、申し訳ないですがちょっとうれしくなりました。みんなが一生懸命頑張っている姿を見ると、応援したい気持ちになって、私自身も「がんばろう」という気持ちになるんですよね。

横澤夏子さん

ーーそういったやりくりが夫はノータッチな場合が多い、というケースもよく聞きますが、横澤さんご夫婦はいかがですか?

横澤 うちの場合、1人目のときはコロナ禍でリモート出勤になり、いろんなことを一緒にできて。2人目で手が足りなくなってからまた活躍し出すんですが、それまで病院にはいつも私が連れていっていました。それで初めて夫が病院に連れていくとなったとき、診察券を出す場所や母子手帳をどうすればいいのかとか、全部教えて。「でもこれ、私も最初は知らなかったからね?」と伝えて。夫はめちゃくちゃ緊張していました。そのときは子どもが下痢をして、私がうんちの写真を撮っていたので「これ、先生に見せて」と仕事場から夫にうんちの写真を送ったんです。私、夫にうんちの写真を送ったことなんてこれまでなかったんですよ。

ーーたしかに、普通はないですよね(笑)。

横澤 普通、恋人とか好きな人にうんちの写真って送らないじゃないですか!(笑) それが、「私、夫にうんちの写真送ってる……」って自分ですごいびっくりして。夫からは「ありがとう」と返信があって。そこで私たちの関係性が変わったかもしれないと思いました。チームメイトになった気がします。

子ども3人とのお風呂は合宿所状態

ーーステキな関係性ですね!

横澤 「うんちの写真を送り合える関係ってすごくいいな!」って(笑)。バージョンアップしたように思います。そういうことも含めて、ひとりで抱え込まないほうがいいと実感しましたね。それまでは、夫に頼りたくない・ひとりでやりたい、という自分もいたんです。

ーーひとりでやりたいと思っていたのはなぜでしょう。

横澤 「これは夫にはできないだろうな」と決めつけて「説明するのもめんどうだし。私がやったほうが早いし楽」と。でもそんなことはなかったです。3人目の1ヶ月健診は夫にひとりで行ってもらいましたが、そこで初めて「(親が)『不安に思うこと』とか聞かれるんだ」と、夫がびっくりしていて。今考えると、もっと前から頼めばよかったと思いましたね。

ーー3人目で1ヶ月健診を頼んだことは、何かきっかけがあったんでしょうか。

横澤 夫が会社の先輩に勧められて、3人目にして初めて育休を取ってもらったので、1ヶ月健診と予防接種をお願いしました。書類の多さに「え、これも書かなきゃいけないの!?」と驚いていましたね。

ーー2人目のときはワンオペ育児も多かったのでしょうか。

横澤 そうですね。1人で2人の子どもを見て、月曜から金曜までワンオペで走り抜けて、疲弊していました。

横澤夏子さん

ーー今は未就学児3人ですが、毎日のお風呂はどうしていますか?

横澤 全員で一緒に入って、合宿所みたいにみんなで洗い合う感じですね。泣きそうな子を先に出したり、上2人に協力してもらって赤ちゃんを見ててもらったり。その上2人がなかなかお風呂から出ようとしないときは、競争させるとスムーズなんです。

ーーゲーム性を持たせるんですね。

横澤 長女が「大根抜きをやりたい」「だるまさんがころんだがやりたい」と言い出したとき「この人数ならできるな」と気づいて。そうしたら、「ならこの人数の多さをもっと役立たせることができるのでは!? ここを保育園だと考えればいいんだ!」とひらめいて。それから、保育園のお迎え時に保育士さんがどんなふうに子どもに言葉掛けをしているかを観察するようになりました。保育士さんたちは、子どもが動きたいと思う言葉を言っているんですよ。なかなか帰り支度をしない子に「早くお片付けができるところをお母さんに見せてあげようよ」と言うと、子どもが動くんです。

ディズニープリンセスが会話のきっかけにも

ーープロの技ですね。

横澤 そうなんですよ。そういうことを日々盗んで、「先生、今日も何か言わないかな。言ってほしいな」と思いながらお迎えに行っています(笑)。

ーーほかにも、多忙なときに頼っている技や便利なグッズなどはありますか?

横澤 それはもう、ディズニーの動画です。動画を見せる罪悪感なんてね、ディズニーはあれですよ、教養を育ててくださいますからね。『優しい心やたくましい気持ち、そういうものを育てるんだ!』と思いながら流しています(笑)。うちの場合は、「ご飯を食べてお風呂に入って、歯を磨いた人から見られるよ」と言うと、行動が早くなります。

ーーご褒美にするんですね。

横澤 そうです。とはいえやっぱり、そればかりになると「親子で会話が生まれなくなるのでは?」と罪悪感があるのも事実です。というのも、何ヶ月健診かのときに、保健師さんに「何で動画を見せちゃダメなんですか?」と質問したら、「会話が生まれないからなんです」と言われたんです。

横澤夏子さん

横澤 たとえば動画にボールが出てきて、「これは何?」「これはボールだよ」とやりとりできればいいんですが、動画を見せっぱなしだと子どもは「これはボールかな?」で終わってしまうと。それを聞いて私は、「だったら、テレビを通じてしゃべればいいんだ!」と思い、テレビを通してクイズを出したりしています。「プリンセスクイズ! イェーイ!」って(笑)。上2人がハマっています。

ーー動画に頼りつつ会話も生まれる、一石二鳥ですね。

横澤 私自身もクイズの問題を作るのが楽しいし、長女が考える問題に答えるのも楽しいし、そうすると罪悪感がなくなるという。

ーー最初からディズニーの動画一択でしたか?

横澤 いえ、ほかの動画を見ていた時期もあったんですが、「これ……なにがおもしろいんだろう。大丈夫?」みたいな動画もあるじゃないですか。

ーーとてもわかります。

横澤 そんなとき、柳楽優弥さん主演のサイコスリラー『ガンニバル』が観たくて、昔から入っていた『Disney+』(ディズニープラス)の存在を思い出したのと同時に、「あれ? ディズニープラスって子どもに使えるよね!?」と気づいて。だから『ガンニバル』配信時期くらいから、子どもにも見せるようになりました。ディズニープラス、本当に頼りにしています!

横澤夏子/芸人・タレント

横澤夏子さん

1990年7月20日生まれ、新潟県出身。高校卒業後、NSC東京港に15期生として入学。2016年、R-1ぐらんぷり決勝進出。「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」(フジテレビ系)の常連で、2023年12月16日放送回で悲願の優勝を果たす。2017年に懸命な婚活が実を結び、会社員男性と結婚。2020年2月に第一子出産を公表し、2021年10月に第二子、2023年6月に第三子出産を報告した。

(取材・文:有山千春 撮影:松野葉子/マイナビ子育て編集部)

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